保育士になるには?主婦や社会人のための保育士のなり方・資格取得について

公開日: 更新日: 保育士の資格取得

保育士になるには保育士は「欲しい資格」のひとつとして、主婦や社会人にも人気の職業です。さまざまな職場で活かすことができる「ポテンシャルの高さ」も魅力的ですね。

今回は、保育士になるにはどうすれば良いのかについて詳しくご紹介します。資格取得へと一歩踏み出すための耳よりな情報をお届けしますね。

保育士になるには?

保育士になるには保育士資格を取得する必要があります。
保育士資格は2003年まで「保母」と呼ばれていましたが、児童福祉法の改正に伴い「保育士」と名称を改め、国家資格になりました。

保育士になるための方法は2つあり、「保育士養成校ルート」と「保育士試験ルート」のどちらかを選んで資格を目指します。

資格がなければ「保育士」を名乗れない

資格がなければ保育士を名乗れない余談となりますが、保育士資格は「名称独占資格」に該当するため、資格がなければ保育士を名乗って仕事をすることはできません。資格を持たない人間が保育士を名乗った場合、罰金などの処罰の対象になることがあります。

また、保育園をはじめとする児童福祉施設には、保育士の配置基準があります。保育現場での勤務経験があっても、資格がなければ「保育士」として働くことはできません。

保育士のなり方①「保育士養成校を卒業する」

学校で学ぶ女性保育士になる方法の1つ目は、保育士養成校(国が指定する保育士養成施設)を卒業することです。保育士養成校ルートのメリットは、学校で必要な単位を修得すれば、保育士試験(国家試験)は受けなくて良いということです。

保育士養成校ってどんな学校?

国が指定する保育士養成校には、大学・短期大学・専門学校などがあります。厚生労働省によると、2018年時点では全国に684の養成校があり、「保育科」「子ども学科」など学部や学科の名称はさまざまですが、どの学校でも保育士の資格取得に必要な科目を学ぶことができます。

保育士養成校を卒業するまでの所要年数は、下記の通りです。

  • 大学(昼間部4年、夜間部4年)
  • 短期大学(昼間部2年、夜間部3年)
  • 専門学校(昼間部2年、夜間部3年)
  • 大学通信教育(最短で2年)

保育士養成校に掛かる学費はどれくらい?

保育士養成校に通うために必要な学費の目安をご紹介します。金額は、入学金・授業料・その他の経費などを含めた「在学中に掛かる費用の総計」です。

  • 大学(450~550万円)
  • 短期大学(220~250万円)
  • 専門学校(120~150万円)
  • 大学通信教育(30~50万円)

保育士のなり方②「保育士試験に合格する」

保育士になる方法の2つ目は、保育士試験を受験して合格することです。保育士試験ルートのメリットは、時間を掛けずに自分のペースで資格を目指すことができることです。

大学や専門学校へ通う余裕がない主婦や社会人の方でも、こちらのルートであれば無理なく保育士の資格取得を目指すことができます。

保育士試験の内容①「筆記試験」

保育士試験の筆記試験保育士試験は「筆記試験」と「実技試験」があり、資格を取得するには両方の試験に合格することが必要です。筆記試験は下記の9科目から出題されます。

【筆記試験の受験科目】

  1. 保育原理
  2. 教育原理
  3. 社会的養護
  4. 子ども家庭福祉
  5. 社会福祉
  6. 保育の心理学
  7. 子どもの保健
  8. 子どもの食と栄養
  9. 保育実習理論

筆記試験の合格ラインは、正答率が60%以上あることです。全ての科目に合格すれば、実技試験へと進むことができます。

保育士試験の内容②「実技試験」

実技試験のピアノ実技試験は、下記の3分野から2分野を選択して受験します。

【実技試験の3分野と試験内容】

  1. 音楽に関する技術(課題曲の弾き歌い)
  2. 造形に関する技術(課題テーマの絵を描く)
  3. 言語に関する技術(課題ストーリーの素話)

どの実技試験においても、保育士に必要な専門分野におけるスキルが評価されます。2分野とも60%以上の得点があれば合格となり、保育士資格を取得することができます。

実技試験の内容や合格率について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参考になさってください。

保育士試験は、筆記試験を突破した後に「実技試験」が待ち構えています。「実技試験ってどのようなことをするの?」「どんな勉強をしておけばいいの?」など、分からないことだらけで不安に思う方も多いことでしょう。今回は、保育士試験の実技試験の内容や気になる...

保育士試験を受けるための要件

保育士試験の受験資格は、学歴によって要件が異なります。

  • 大学または短期大学卒業(要件なし)
  • 専門学校卒業(2年以上の専門課程を卒業していること)
  • 高校卒業(児童福祉施設で2年以上かつ2880時間以上の勤務経験)
  • 中学校卒業(児童福祉施設で5年以上かつ7200時間以上の勤務経験)

大学・短期大学・専門学校については、学部や学科を問いません。現在在学中の人でも条件によっては受験が可能です。
参考:受験資格|一般社団法人全国保育士養成協議会

保育士試験の実施要項

保育士試験は、前期(4月)と後期(10月)の年2回あります。筆記試験は2日間にわたって実施され、合格者のみ実技試験が受けられます。試験会場は全国の都道府県にあるので、最寄りの会場で受験することができます。

【保育士試験の流れ】

①郵便局で受験料の払い込みをする
②受験申請書と必要書類を郵送する
③筆記試験の受験票が届く
④筆記試験
⑤合否通知、実技試験の受験票が届く
⑥合否通知
⑦合格者は各都道府県に保育士登録をする

主婦や社会人は必見!保育士のなり方のヒント

子育てが一段落した主婦や、転職したい社会人の中には、保育士を目指したいと考える方も多いでしょう。養成校ルートか、保育士試験ルートか、なり方を決める時に役立つ情報をお伝えしますね。

保育士養成校ルートは「学費」が気になる

養成校ルートの学費高額な学費がネックになって、保育士養成校ルートに二の足を踏んでいる方も多いですね。そんな方におすすめなのが、2つの支援制度(保育士修学資金貸付制度、就職者支援訓練)です。保育士養成校に通うための負担を軽くすることができますよ

1.保育士修学資金貸付制度

保育士養成校に通う2年間、月5万円以内の貸付を受けられる制度です。入学時と卒業時には20万円がプラスされます。貸付を受けた都道府県内の保育施設で5年間継続して勤務すると、返還は免除になります。

2.求職者支援訓練

求職者支援訓練とは「公的職業訓練(ハロートレーニング)」の1つです。ハローワークに登録している求職者が、就職に必要な知識や資格を得るために実施されています。

求職者支援訓練の「保育士養成講座」は、国が指定する保育士養成校で行われます。受講料は無料なので、最小限の自己負担だけで養成校に通うことができます。ただし、「保育士養成講座」を実施していない都道府県もあるので、ハローワークに確認することが必要です。

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保育士試験ルートは「勉強時間」が課題

試験ルートの勉強時間受験に向けてどのように勉強時間を捻出するかは、保育士試験ルートの課題ですね。仕事で多忙な毎日を送っている社会人にとっては、かなり高いハードルになります。独学での試験突破も十分に可能ではありますが、通信講座を利用するという手もあります。

通信講座の受講料は4.5~6万円程度で、他に「模擬試験」「特別講座」などの料金が加算されます。内容・金額・サービスは通信教育会社によって違うので、自分の予算と都合に合った通信講座を選びましょう。

通信講座を受ける社会人向けの「教育訓練給付制度」

今の会社に1年以上勤務している方は、通信講座に掛かった学費の助成を受けられます。雇用保険に加入していることが条件ですが、支払った金額の20%が支給されます。保育士講座も「教育訓練給付制度」の対象になっているので、社会人にはお得な制度です。

保育士資格の取得に年齢制限はあるの?

保育士の資格取得に年齢制限はなく、年齢に関わらず挑戦できます。一般企業に就職後、保育士になりたいと感じた方や、結婚・育児がひと段落してから保育士を目指す方もいるようです。ただし、保育士の仕事は体力勝負ですので、早めに勉強を始め、できるだけ若いうちに取得する方がおすすめです。

 

保育園で働くための事前情報

無資格者でも保育園で「保育補助」として働ける

保育園で働く女性ここまで保育士になる方法についてご紹介してきましたが、実は、保育士の資格を持っていなくても保育園などの保育施設で働くことはできます。保育士の補助的な仕事をする「保育補助」と呼ばれる職員には、無資格者でもなることができるのです。

資格を取る前に現場で保育補助として働いてから、保育士を目指すかどうかの最終的な決断をしても良いかもしれません。

実際に保育園で働いてみて「やっぱり保育士になりたい!」と思った場合には、保育補助として働きながら資格取得を目指すこともできます。受験前の勤務について配慮してもらえる保育園も多いですし、勉強中に分からないところを先輩に教えてもらったり、実技試験の練習を実践で行ったりできるのは大きな自信となるでしょう。

保育士のなり方についてのまとめ

今回は、保育士のなり方について詳しくご紹介しました。

保育士になるには、大学や専門学校の保育系の学科を卒業するか、保育士試験の筆記試験と実技試験の両方を突破する必要があります。養成校ルートと試験ルートのどちらを選んでも時間を掛けてしっかり勉強しなくてはなりませんが、主婦や社会人の方でも保育士になることは十分可能です。

保育士資格を持っていなくても「保育補助」として働くことはできるので、保育現場を体験してみたり、保育園で働きながら資格取得を目指したりすることもできます。保育補助の求人をお探しの方は、ぜひお気軽にご相談くださいね。

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タグ : 資格試験
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kiralike編集部

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