保育士資格を独学で取得したい!保育士試験の難易度やおすすめの勉強法

公開日: 保育士の資格取得

保育士資格を独学で取得

働く女性が増えることで保育所の需要はますます高まり、保育士不足は深刻化しています。そんな背景もあってか、セカンドキャリアなど将来の選択肢として保育士が注目を集めています。

中でも学業を優先したい学生や働きながらの資格取得を目指す社会人、子育て中の主婦などの間で、独学での資格取得を目指す人も増えてきました。今回は、保育士資格の取得方法や保育士試験の難易度、独学で取得するための勉強法などをご紹介します。

独学で保育士資格取得を目指すメリット・デメリット

ここでは、独学で保育士試験を突破して保育士資格取得を目指すメリットとデメリットをご紹介します。

メリット

子育てをしながら勉強をする女性

  • 養成校に通わなくても保育士資格を取得できる
  • 費用を抑えることができる
  • 自分のペースで勉強できる

独学の最大のメリットは、大学や短大、専門学校などに通わなくても受験ができることです。学生や社会人、育児中の方などの場合、学校へ行く時間を捻出することは大きな負担になります。

また、学校に通えば100万円単位、通信講座の利用でも平均6万円ほどの費用が掛かります。独学であればこれらの費用を抑えつつ、ご自身のペースで勉強を進めることができます。

デメリット

モチベーションが低下している女性

  • モチベーションの維持・管理が難しい
  • 出題範囲など最新情報は自分で調べる必要がある
  • 実技試験の対策が難しい

独学の最大の課題はモチベーションを維持することです。特に出題範囲が広い筆記試験は、効率的な勉強が大切であり、1人で学ぶことには強い意志が求められます。

モチベーションを維持するためには、家族や友達に応援してもらったり、SNSに「#保育士試験」などのハッシュタグ検索をして同じ様に日々勉強に励んでいる人たちと情報交換したりするのがおすすめです。

また、受験に関する最新情報を自分でチェックする必要がある点もデメリットといえます。大手通信講座などは毎年の受験傾向や試験に関する情報を持っていますが、独学の場合は勉強のほかに近年のトピックスや今年の傾向を予測しなければなりません。

保育士資格の取得方法は2つ

もともと「保母さん」と呼ばれ、古くから女性の代表的な仕事だった保育士。保育士資格は長らく民間資格でしたが、平成15年の改正児童福祉法の施行により国家資格になりました。現在では男女を問わず、人気のある職種の1つです。

保育士資格を取得するには、次のような方法があります。

保育士資格の取得方法①「指定養成校の課程を修了する」

学校で学ぶ学生厚生労働大臣指定の大学、短大、専門学校で所定の課程を履修することで、学校卒業時に保育士資格が取得できます。

学校の卒業と同時に資格が取得できるので、比較的確実に取得できる半面、2~4年の通学期間が必要なこと、一定の授業料の支払いが必要などの負担もあります。

保育士資格の取得方法②「保育士試験を受験し合格する」

保育士試験の受験者たち年2回、全国で実施される保育士試験に合格することで、保育士資格が取得できます。

一発勝負の試験に合格するという高いハードルがあるものの、数カ月での合格を目指すことも可能です。通信講座やスクールを受講するほか、テキストなどを使って独学で勉強をして試験に挑むこともできるため、現在他の職種で働いている社会人や保育系の学科以外の学生の方、社会復帰を望む子育て中の方にも、挑戦しやすい方法といえます。

 

保育士になるための流れから、施設・規模による違い等は
\こちらでも詳しくご紹介しています!/保育園で働くための事前情報

2023-24年の保育士試験の概要

保育士実技試験のピアノ独学で挑戦することもできる保育士試験とは、どのような試験なのでしょうか。ここでは、2023-24年の保育士試験の受験概要についてご紹介します。

受験資格

保育士試験を受けるには、以下のような条件のうちいずれかを満たしていることが必要です。

  • 大学、短大を卒業していること
  • 大学に2年以上在学していて62単位以上修得していること
  • 平成3年3月31日以前に高校を卒業していること
  • 5年以上かつ200時間以上児童福祉施設などでの一定期間の実務経験があること

上記の他にも細かい条件が定められており、例えば海外の学校を卒業した場合は受験資格の有無を調べてもらうために書類を提出する必要があります。

受験資格の条件を満たしていない場合、試験を受けることができないため、下記のサイトで事前に確認をしましょう。

参考:受験資格|一般社団法人全国保育士養成協議会

保育士試験の受験概要

保育士試験は年に2回、前期(春)と後期(秋)に行われています。筆記試験と実技試験があり、筆記試験の合格者のみが実技試験に進むことができます。

筆記試験の科目は、全9科目です。試験時間は1科目60分で、試験は2日間にわたります。また、それら全科目に合格する必要があります。ただし幼稚園教諭免許を保持しているなど、一定の条件で免除される科目もあるため、該当するか確認しておきましょう。

実技試験は音楽、造形、言語の中から2つを選び受験します。

受験料は、2023年は12,950円でした。その他、試験日程など詳細については、全国保育士養成協議会のホームページに掲載されていますからしっかり確認しておきましょう。

参考:保育士試験を受ける方へ|一般社団法人全国保育士養成協議会

保育士試験の合格点や難易度

保育士試験は一般的に合格が難しいと言われていますが、実際の難易度はどのくらいなのでしょうか。ここでは、保育士試験の合格点と難易度について解説します。

保育士試験の合格点は6割

保育士試験の最大の難関は、筆記試験といえます。9科目ある試験の合格ラインは、100点満点中60点です。全ての科目が60点を超えて、初めて「筆記試験合格」となります。難しいとされる理由は、出題範囲が広く覚えることが多い点です。

ただし、筆記試験科目には合格科目の免除期間が設けられています。受験した年を含め3年以内に全科目合格すれば良いので、再度受験する場合は不合格だった科目に絞って勉強することができます。複数回チャレンジして合格を勝ち取る受験者もいます。

筆記試験に合格すると、2次試験の実技試験に進むことができます。実技試験の合格ラインは、各科目50点満点中30点です。筆記試験と同様、6割を超えれば合格です。

試験全体の合格率は2割

国家資格の中では、保育士試験の各試験科目の合格ラインは高くないといわれています。しかし、資格取得の合格率となると低くなる特徴があります。

厚生労働省が発表している平成30年度保育士試験の実施状況によると、受験申請者68,388人中の合格者は13,500人で、合格率はおよそ20%です。10人中2人の合格と考えると、決して高い合格率とはいえません。

ただ、2次試験の合格率は例年80%を超えていますので、筆記試験の通過で合格の可能性はぐんと上がるでしょう。それでも2割の方は不合格となるため、実技試験の内容に合った受験対策は欠かせません。

保育士試験合格に必要な勉強時間・期間の目安

家事や学校、仕事で多忙な日々を送っている方にとって、効率的に着実に勉強を進めることが合格への道です。一般的に、独学で保育士試験の合格を目指すために必要な勉強時間は、100~180時間だと言われています。

これはあくまでも目安の時間ですが、一日1時間勉強すると3カ月~6カ月で必要な勉強時間に到達します。長期間勉強してもモチベーションを維持することが難しいため、無理のない範囲で勉強時間を確保することが大事です。試験日から逆算し、しっかりと計画を立てて勉強に取り組むと良いでしょう。

独学で保育士試験に合格するためにおすすめの勉強法

筆記試験はこうやって乗り切ろう!

筆記試験の勉強過去問題集や対策本なども数多くありますが、ご自身が馴染めるテキストを見つけましょう。何冊ものテキストを広く浅く読むよりも、1冊のテキストをしっかり読み込むことが大切です。

重要事項や覚えにくいことは、ノートに書き写してまとめましょう。読むだけでなく、書き写すことでさらに頭に入ります。また、自分の弱点をまとめたノートを何度も見直し、記憶を定着させましょう。テキストの確認問題を活用しても良いでしょう。

テキスト全体の内容を把握できたら、過去問を数多く解くことがおすすめです。過去問を解き間違えたら都度テキストで確認することを繰り返し、苦手分野を克服しましょう。

過去問題集は、最新のものを購入することが大切。制度の変更などで、○だった問題が次の年度には×になる可能性もあるので注意が必要です。最新の過去問題集なら、安心して勉強ができます。

実技試験対策はこれがおすすめ

色鉛筆とスケッチブック3つの科目から2つを選ぶ実技試験ですが、音楽と言語の課題曲とお話は毎年変更されます。受験する回の試験ではどのような課題なのかをよく確認し、得意な分野を選びましょう。

実技対策は、練習あるのみです。下記の対策記事や、動画サイトなどを参考にしましょう。練習を家族や友人に見てもらうことや、動画に撮ってみて客観的な目線で見てみる機会を作ることも大切です。

 

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まとめ

今回は、保育士試験を独学で突破するために大切なポイントをご紹介しました。

保育士試験は、筆記試験で全科目が合格点に達しないと実技試験へ進めないため、合格率が例年20%前後と難易度の高い試験ではありますが、独学で取得することは十分可能です。

独学での保育士資格取得は勉強時間の確保やモチベーションの維持などが課題となってきますが、試験対策に掛かる負担や費用をぐっと軽減させることができるのが大きなメリット。毎年、多くの方が独学で保育士試験に挑戦し、結果を残しています。

保育士になりたい!という気持ちをモチベーションの源に、計画的な勉強と対策で合格を勝ち取ってくださいね。

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タグ : 保育の資格 資格試験
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