保育士の新年度準備まとめ。年度末・新年度の保護者向け挨拶例文もご紹介
公開日: 更新日: 保育の仕事年度末・新年度を控えて、準備は何から始めればいいのか不安を感じている保育士さんもいるのではないでしょうか。今回は、新年度に向けて「やるべきこと」のリストや、保護者への「挨拶例文」をご紹介します。
保育士として新年度を迎えるのが初めてという保育士1年目の新人保育士さんは、ぜひ参考にしてください。
目次
保育士は「年度末・新年度」が特に忙しい!
保育園は学校のように春休みがないので、新年度の準備に集中できる期間はありません。保育士はいつものように保育を最優先にしながら、年度末と新年度の準備をほぼ同時にこなしていきます。
大きな行事に向けて着々と準備を進めていく忙しさとは違って、やるべきことが多すぎて頭の中がゴチャゴチャになる「タスク満載の忙しさ」が、保育士にとっての3月です。
そして4月になると「新入園児と保護者の対応」に追われます。保育士はいつもより緊張して保育をしているので、精神的には最も忙しい気疲れのする時期です。
年度末・新年度は「やるべきこと」を整理して、優先順位を意識しながら準備をしたいですね。次は、保育士さんが「仕事の抜け漏れ」を防げるよう、新年度準備のリストをご紹介します。
保育士が新年度に向けて準備すること
保育士が新年度までにやるべきことを、4つのカテゴリーに分けてリストアップしてみました。
新年度準備①「新入園児に関すること」
- 新入園児の名前とプロフィールを把握する
- 連絡帳に記入する挨拶文を考える
- 新教材の準備
- 入園式の計画、ミーティング
- 入園式の装飾
- 新入園児へのプレゼント作り
新年度準備②「保育環境に関すること」
- 保育室の大掃除
- 施設や遊具の破損箇所のチェック
- 引っ越しの準備(荷物の移動)
- 新保育室の装飾(壁面、お誕生表、ドア飾り)
- 名前付け(靴箱、ロッカー)
新年度準備③「事務に関すること」
- 保育に関する書類の作成(指導計画など)
- 園児に関する書類の作成
- 園だより(4月)の作成
- 在園児の連絡帳に挨拶を記入する
新年度準備④「引き継ぎに関すること」
- 後任者へ「園児の情報や業務」の申し送りをする
- 前任者の申し送りを聞く
- 園児に関する書類の引き継ぎをする
- 新しく担任する在園児のプロフィールを把握する
- 小学校への園児情報の引継ぎ(年長クラス担当の場合)
新年度準備④「役割確認(複数担任の場合)」
- 保育の進め方、方針の相談
- 行事担当の割り当て
保育士の連絡帳での「年度末挨拶」のポイント&例文
保育士が「年度末の挨拶」をする機会は、連絡帳、お迎え時、保護者会、クラスだよりなど、さまざまなシチュエーションがあります。
このうち「連絡帳」は、保育士の思いを1対1で伝えられるツールです。年度の終わりに「心のこもったメッセージ」を保護者に贈りたいですね。
その他のシチュエーションでも、下記のポイントを応用できます。
年度末挨拶のポイント
年度末の挨拶では、まず「この1年のご理解とご協力」に感謝します。保育士に対して温かい言葉を掛けてくださった保護者に対しては、励みになったことのお礼を言います。
次に、最も印象に残っている「子どものエピソード」を挙げ、自分が感心(感動)したことを伝え、この1年で「どんな点が成長したか」につなげます。また、子どもとの関わりで学んだこともプラスします。
年度末挨拶のポイントは「感謝」です。その子が大好きだという気持ちを込めれば、愛情あふれる温かいメッセージになりますよ。
年度末挨拶の例文①「持ち上がりで担任になる場合」
〇〇様にはこの1年のご理解とご協力を心から感謝いたします。至らない自分にいつも優しい言葉を掛けていただき、その度に励まされ、仕事へのモチベーションとなりました。〇〇君のエピソードで心に残っているのは、オペレッタでの歌声です。音程のしっかりした澄んだ声で、先生たちだけではなくお友だちにもほめられました。
それ以来、自分の意見を堂々と話すことが多くなり、友だちや小さい子を助ける場面を見かけるようになりました。
オペレッタをきっかけに、〇〇君が本来持っている力や優しさが発揮されるようになりましたね。子どもはひとつの自信からさまざまな能力を開花させるのだと、〇〇君から学ばせていただきました。明日から年度が替わりますが、新クラスも私が担任させていただきます。
大好きな〇〇君とのお付き合いが続くことは、私にとって大きな喜びです。新しい1年が楽しみですね。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
年度末挨拶の例文②「担任が替わる場合」
これからは、少し離れた位置から〇〇君を見守ることになりますが、いつでもお気軽に声を掛けていただければうれしいです。〇〇君とご家族にとって楽しい1年になりますよう、陰ながらお祈りしております。1年間ありがとうございました。
保育士の連絡帳での「卒園する子ども・保護者に向けた挨拶」のポイント&例文
卒園する子どもの担任を持っている場合、卒園して進学する子どもたちとその保護者に向けた想いを伝えることもできます。
保育園での成長を踏まえ、次の環境へのステップアップも応援していることを伝えられるといいですね。
卒園時の挨拶のポイント
卒園の挨拶では、まず入園から卒園までの長期に渡って保育士を信頼し、子ども達を預けてもらった点やこれまで保護者に協力頂いたことに対する感謝の気持ちを伝えるとよいでしょう。
また、初めてお子さんに会った時の印象や、その後の成長を感じるエピソードを入れることができれば、保護者の方も「しっかり見守ってもらえていた」と感じることができるのではないでしょうか。
卒園時の挨拶例文①
〇年のご入園からこれまで、行事や日常生活で数多くのご協力を頂きまして、誠にありがとうございました。
初めて〇〇ちゃん(お子さんの名前)を預けて頂いた日のことを、今でもしっかり覚えています。初めは親御さんと離れるのが寂しく登園時に泣いてしまっていた日も多かった〇〇ちゃんですが、持ち前の明るさでお友達もたくさん増え、元気に保育室に入ってくれるようになったのを嬉しく思っています。まだ小さかったお子様が日に日にたくましく成長していく姿から、私も保育士として多くのことを勉強させて頂きました。
これからも、〇〇ちゃんが健やかに成長していくことを陰ながらお祈り申し上げております。ありがとうございました。
保育士の連絡帳での「新年度挨拶」のポイント&例文
新年度は連絡帳も真新しく、一番始めに挨拶文を書く時は保育士さんも気持ちが引き締まります。持ち上がり担任ではない場合、保護者にとっては新年度挨拶が「保育士の第一印象」になるといっても過言ではありません。まだ3月で新年度への実感がわかなくても、丁寧に心を込めて挨拶を書きましょう。
新年度挨拶のポイント
新年度挨拶では、まず「子どもとの新しい出会い」を歓迎していることを伝え、園生活を楽しく過ごしてもらうために心を配っていきたいとの意気込みを書きます。また、気になることがあったらどんなことでも話してくださいと、保護者にお願いすることを忘れないようにしましょう。
新年度挨拶のポイントは「信頼」です。保護者にとって「相談しやすい存在」になるには、相手の気持ちを考えて「言葉選び」に気を付けることが大切です。4月は「保護者との信頼を築く大切な期間」です。連絡帳に書く言葉ひとつひとつが、保護者とのお付き合いの要になっていきます。
子どもが入園して心配している保護者や、担任が替わって不安な保護者の気持ちに寄り添い、少しでも安心できるような新年度挨拶にしたいですね。
新年度挨拶の例文①「新入園児の場合」
〇〇組を担任させていただきます〇〇と申します。〇〇君のご入園を楽しみに待っておりました。安心して過ごすことができますよう、心のこもった保育をしていきたいと考えております。初めての入園でご心配なことも多いと思います。
この連絡帳では、〇〇君の様子やエピソードなどをお伝えする予定です。
〇〇様も、お子さまや保育園のことで気になることがございましたら、どんなことでもご遠慮なくお話しください。これから1年どうぞよろしくお願いいたします。
新年度挨拶の例文②「在園児を新しく担任する場合」
〇〇君のご進級おめでとうございます。
この度、〇〇組の担任になりました〇〇です。
優しくて面倒見の良い〇〇君の担任になれて、とてもうれしかったです。
〇〇君が楽しい毎日を過ごせるよう、心を尽くしていきたいと思います。
〇〇様も、お子さまや保育園のことで気になることがございましたら、どんなことでもご遠慮なくお話しください。
これから1年どうぞよろしくお願いいたします。
新年度挨拶の例文③「前年度から引き続き担任する場合」
〇〇君は、〇〇組になることをとても楽しみにしていましたね。
友だちと一緒に新しいお部屋を何度も見に行って、4月になるのを指折り待っていました。これから1年、〇〇君に思いきり楽しんでもらえるよう、心を配っていきたいと思います。〇〇様も、新しいクラスのことで気になることがございましたら、どんなことでもご遠慮なくお話しください。本年度もどうぞよろしくお願いいたします。
保育士の新年度準備と挨拶に関するまとめ
今回は、新年度準備でやるべきことをカテゴリー別にリストアップし、年度末・新年度の挨拶についてご紹介しました。
経験の浅い保育士さんは、自分が作ったリストや挨拶文を先輩に見せて、抜け漏れや誤字脱字をチェックしてもらえば安心ですね。
タスク満載で気持ちに余裕がない時期ではありますが、年度末・新年度は「挨拶」に手を抜かないようにすることが大事です。感謝や信頼感といったキーワードを軸にして、丁寧に挨拶をしましょう。
保護者とのお付き合いは最初が肝心で、心のこもったメッセージは保護者からの信頼につながります。準備をしっかりと行い、新年度に備えましょう。
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保育士の新年度準備に関してよくある質問
Q. 引継ぎ業務の際、特に気を付けるべきことはありますか?
児童書の五領域の成長具合には、引継ぎをする側・引継ぎを受ける側ともに一人一人目を通しておくとよいでしょう。その上で必要に応じて園児ごとの状況の確認を行うと引継ぎがスムーズです。
Q. 年長クラスの担任です。小学校への引継ぎとしてはどんな業務がありますか?
小学校への引継ぎに際して、「指導要録(保育所児童保育要録)」が引継ぎ資料として使われます。小学校に進学する子どもの家庭状況、心身の発達状況、健康記録、子どもに対する指導概要が記載された資料ですので、具体的に記載すると良いでしょう。
Q. 年度末・新年度における保護者への挨拶はどのようにすればよいでしょうか?
卒園児の保護者に対しては、卒園式や卒園式後保育室内において感謝の挨拶を行う園が多いようです。進級児の保護者に対しては、園だよりでの挨拶やお迎えの際にお礼を述べるなどが多く、保護者に向けて公式に挨拶することが少ないのが一般的です。
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