保育所と保育園、認可と認可外と認証の違いとは?【保育士向け】

公開日: 更新日: 保育の基礎知識

保育園の園舎と園庭「保育所」と「保育園」、「認可保育園」と「認可外保育園」、そして「認証保育園」……。保育施設の呼び名には、実に多くの種類があります。しかし、これらの正確な使い分け方を詳しくご存じない方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、保育施設の種類による違いや、保育士が働く上でのメリットなどをご紹介します。これから保育の仕事に就く保育士さんも、新たな職場を探している保育士さんも、ぜひご参考にしてください。

「保育所」と「保育園」に違いはある?

保育室内「保育園」と「保育所」は、施設機能としては同じものを指します。ちなみに児童福祉法では、保育を必要とする乳児・幼児を日々保護者の下から通わせて保育を行うことを目的とする施設のことを「保育所」として定義しています。

つまり法令上は「保育所」が正式な呼び名ですが、施設名称として「保育園」と「保育所」のいずれを使用するかに対しては、法的な定義がありません。そのため、各施設が名称として馴染みの良いいずれかを選んでいる傾向です。

なお、地域によっては施設面積の広さで名称を使い分けたり、公立・私立で使い分けたりするケースも見受けられます。

「認可保育園」と「認可外保育園」「認証保育園」の違いとは?

「認可保育園」と「認可外保育園」、「認証保育園」、この3つには明確な違いがあります。

認可保育園とは

施設の広さや職員人数、給食設備、防災や衛生に関する管理など、国が定める基準を満たし、都道府県知事の認可を得ている施設を「認可保育園」と呼びます。保育園の運用に関わる費用の大半を自治体からの補助金でまかなっている点が特徴です。

認可外保育園とは

認可保育園の基準を満たしていない保育施設が「認可外保育園」と呼ばれます。俗称として「無認可保育園」という呼び名が用いられることもあります。園によっては24時間保育などを行っていることもあります。

認証保育園とは

「認証保育園」は、地方自治体が独自に定めた基準を満たした保育園のことです。全ての自治体に認証保育園の制度があるわけではなく、一部の自治体にのみ設置されています。

最も有名なのは「認証保育所」で、これは東京都の制度です。待機児童の多さという深刻な課題を抱えながら、敷地の問題などで国の基準が満たせず保育園の設置が難しくなりがちな東京都独自の保育事情を鑑みて制定されました。

その他、横浜市の「横浜保育室」やさいたま市の「さいたま市ナーサリールーム」、浜松市の「浜松市認証保育所」などがあります。

以下では、保育士が働く場所として「認可保育園」「認可外保育園」「認証保育園」それぞれの違いによるメリット・デメリットを見ていきましょう。

保育士が「認可保育園」で働くメリット・デメリット

笑顔で見送りをする保育士認可保育園で働くメリットは、働く環境が公立・私立に関わらず整っていることでしょう。認可施設は国や自治体から補助金が下りることもあり、経営面でも安定しています。また、園児の数に対する保育士の数も決められているため、保育士不足による負担は少なめといえます。

デメリットとしては公立・私立に関わらず、園児の募集が各自治体の窓口一括で行われ、入園する園児に共通点が少なくなりがちなことが挙げられます。各園児の家庭の事情が大きく異なることから、園児や保護者へきめ細やかな対応を求められる機会が多くなるかもしれません。また、認可基準に関する決まりごとが多く、それらを満たすための作業や講習などで保育士の負担が増える点も挙げられます。

とはいっても、保育士が長く安定して働きやすい環境面のメリットは、これらのデメリットと比較しても大きいと考えられるでしょう。

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保育士が「認可外保育園」で働くメリット・デメリット

「24時間保育をしている」「特徴的な保育方針がある」など、利用者のニーズに応えた施設が多い点が認可外保育園の特徴です。認可外保育園で働くメリットには、園児の入園動機に共通点が多くなり、園児や保護者への対応に一貫性を持たせやすい点が挙げられます。また英語や体操など独自の教育に力を入れる園も多いため、それらの園では個性的な保育を行える点もメリットとなるでしょう。

デメリットとしては、園児が年度途中で認可保育園に転園するケースが多く、それが保育に影響を与える可能性があることが挙げられます。年度途中での転園が多いのは、認可保育園に入園できず待機児童となった子どもを、一時的に認可外保育園に通わせているケースがあるためです。運動会や生活発表会などの行事の直前に転園となった場合に演目の調整をする必要が出てきたり、仲の良いお友達の突然の転園で園児の気持ちが不安定になったりすることがあります。

また、園によっては施設面積や保育士数に関する基準が曖昧な場合があり、保育にあまり適さない環境で何かと園児を心配しながらの保育が必要となるケースもあり得ます。

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保育士が「認証保育園」で働くメリット・デメリット

0歳児保育をする保育士東京都が独自で制定している「認証保育園」には、A型と呼ばれる「駅前基本型」とB型の「小規模、家庭的保育所」の2種類があります。多様化する保育ニーズに応えるために多くの企業が参入し、さまざまサービスが提供されています。

これらの認証保育園で保育士として働くメリットは、駅前にあるA型の場合は通勤が便利なこと、B型の場合0~2歳を中心に家庭的な保育ができることでしょう。

認証保育園で働くデメリットには、小規模な園の場合、保育士数が少なく保育士1名あたりの負担が増える点があります。幼児保育を希望する保育士さんの場合、「0歳児保育が必須」「定員の半数以上が0~2歳児であること」などの規定で、乳児保育中心になる点もデメリットとなり得ます。また開所時間が認可保育園よりも長いため、シフトの幅が広く休みが取りにくくなる可能性もあるでしょう。

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保育園の種類による違いに関するまとめ

保育所と保育園は同じものですが、認可と認可外と認証は保育園の規模や保育士の人数などの違いがあり、働く上でのメリット・デメリットもそれぞれだということが分かりました。

ただし、保育士の待遇や労働環境は保育園の種類だけで決まるわけではなく、個々の園によって大きく異なります。転職や就職を考えるときは、事前のリサーチをしっかり行うことが肝心でしょう。リサーチする際は、担任するクラスの年齢や園の規模もチェックしてみるといいかもしれません。それぞれの特徴をまとめたページはこちらから!

ご自身で調べられる範囲には限界もありますから、専任のコンサルタントがいる保育士専門の転職サービスなども活用することがおすすめです。ぜひプロの協力を得て、ご自身の希望に合う園を見つけましょう。

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kiralike編集部

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