保育士さん注目の『絵本専門士』とは?資格取得のメリットや魅力を現役絵本専門士さんへ聞いてみた!

公開日: 更新日: 保育の基礎知識

子どもが楽しむものとしてだけでなく、大人の間でも人気過熱中の絵本。内容も見た目もユニークなものが続々と出てきています。とはいえ、毎日読み聞かせをしている保育士さんの中には、選ぶ絵本がマンネリ化していたり、そもそも読み聞かせが苦手だったりと、絵本にまつわる悩みや苦手意識を抱えている方も多いのではないでしょうか。

そこで、知ってほしいのが「絵本専門士」という資格。今回キラライクでは、絵本専門士の資格取得へのステップやメリットとともに、絵本専門士として活躍する“がっちょさん”に、資格の魅力やすぐにでも実践できる絵本選びのポイントや読み聞かせの方法をおうかがいしました!

「絵本専門士」はどんな資格?どうやって取るの?

近年、子どもの読書離れが問題になっています。幼いころから本を読み親しみ、読書習慣を身につけてもらうためにも、専門家の必要性が高まっていました。そんな中、2014年に誕生したのが、絵本専門士委員会事務局(事務局:国立青少年教育振興機構)が認定する「絵本専門士」。2018年時点で219名の絵本専門士が全国で活動しています。

「絵本専門士」とは?

絵本は子どもの言語力や感性、文脈や物事の理解力を高めるために欠かせないもの。さらに、感動や発見を与える大人向けの絵本も人気が高まっています。子どもに合わせた絵本選びのために必要な知識や、実際に読み聞かせをするための技能などを習得し、保育園や図書館、病院などさまざまな場所で活躍できる絵本のスペシャリストが「絵本専門士」です。

これまで、絵本専門士になるには国立青少年教育振興機構が開催する養成講座が唯一の道でしたが、2019年からは一部の大学や短大などで「認定絵本士」資格を取得し、ステップアップする方法が加わりました。認定絵本士としての一定の実務や実践の経験を経て、絵本専門士の資質・能力を有していると絵本専門士委員会に認められることで、絵本専門士資格が取得できます。

応募資格

専門家の養成が目的のため、以下の4項目のいずれかに当てはまる方が対象になります。

●子どもや絵本に関連する資格を有する者

●絵本に関わる実務について、原則として3年以上の経験を有する者

●絵本に関わる活動に携わり、原則として3年以上の経験を有する者

●絵本学や児童文学、美術について研究実績を有する者

資格取得の流れ

養成講座の受講申込みから資格取得までは約1年かかります。国立青少年教育機構のホームページ「絵本専門士」などをチェックしておきましょう。

① 絵本専門士養成講座受講の申込み

2~3月にかけて約1か月の募集期間があり、ホームページの申込フォームから受付をします。養成講座は定員があり、毎年人気のため、全員が受講できるとは限りません。

受講の可否決定は5月上旬ごろ。下旬までに受講料50,000円の納付が必要です。

② 絵本専門士養成講座を受講

6月から翌年1月にかけて、土日2日間の講座(全5回)を東京で開催。「知識を深める」「技能を高める」「感性を磨く」といった絵本専門士に求められる3つの領域を身につけるため、大学教授や医師、作家など、多彩なジャンルの専門家や実践家を招き、講義や演習などを行います。

③ 修了課題の提出

養成講座受講後は、絵本専門士に必要な資質・能力を測るための課題提出が求められ、この課題が認められることによって絵本専門士として認定されます。

保育士の「絵本専門士」取得のメリット

絵本専門士の資格を得ることで、さまざまなうれしい効果が期待できます。

① 子どもの情操教育に直結

絵本は子どもの感性や好奇心を育んでくれるもの。絵本専門士の知識があれば、もっと絵本の魅力を引き出して、子どもたちの心の成長をサポートすることができます。

ここからは、がっちょさんが実際に感じた魅力をご紹介します。

■季節や行事、子どもの好みなどに合わせた選書の幅が広がる

絵本専門士同士のネットワークや自分でも絵本を調べる機会が増えて、選択する絵本の母数が増加。また、季節や行事に関するもの、子どもが興味のあることを感じとることで、絵本を選択する引き出しが増えました。このことで保護者の方やほかの保育者から絵本についての相談や質問を受けることも多くなり、さまざまなアプローチで応えられることで、信頼につながったと感じています。

■心の余裕ができて子どもへの対応も変化する

以前は「自分の得意分野は何だろう」と悩んだ時もあり、悩みながらの保育は、少なからず子どもたちに影響を与えてしまうこともありました。しかし、今では「絵本」という自分の得意分野を見つけたので、子どもたちへの接し方にも余裕ができたり、柔軟に対応できたりするようになりました。

■絵本から遊びや活動に発展させられる機会が増える

例えば「春」の絵本を読んだ次の日に、つくしや花など春を見つける散歩に出かけたり、「氷」に関する絵本を読んだら実際に子どもたちと氷を作ってみたり…。事前に絵本を読んでいるので子どもたちもその遊びをイメージしやすく、積極的に参加してくれます。

② 保育士としてのキャリアアップ

昇進を希望する場合や、転職時などに有利になる場合があります。子どもたちの読書教育に力を入れている保育園を、転職エージェントで探すことで、自分の得意分野を最大限に活かして働くことも可能です。

③ 活動の場が広がる

自身で読み聞かせ会やワークショップを開催したり、ほかの保育士への指導をしたり、積極的に活動分野を広げることができます。また、国立青少年教育振興機構のイベント参加や、機構を通しての活動依頼などもあります。

絵本選びや読み聞かせ時の、子どもたちへの対応法

毎日のことだから、マンネリ化など悩みがつきない絵本選びと読み聞かせ。今日からさっそく使える絵本専門士のテクニックや心得を、がっちょさんに教えていただきました!

同じ絵本を繰り返し楽しむ

「この絵本は子どもたちも好きだけど、先日読んだばかりだし…」と消極的にならず、同じ絵本を楽しむことも大切です。楽しい絵本は何度読んでも楽しいですし、読むたびに違う発見があるかも。繰り返し読んで楽しかった思い出と一緒に、子どもの心にずっと残る一冊を作ってあげたいですね。

子どもの目線になってみる

子どもに楽しんでもらうためには、まず保育士さんも絵本を楽しむこと。そのためには物語を知り、どんな絵が描いてあるかを確認する「下読み」が大切です。大人は文字を読みがちですが、子どもは絵を楽しみます。下読みでは、絵にも注目して読んでみてください。また、読み聞かせ時は読むことだけに集中せず、自分自身が楽しんでください。それが子どもを楽しませることに繋がります

ほかの保育士さんが読み聞かせをしている時にも、子どもたちと一緒に楽しむことを忘れずに。

良い絵本と言われる絵本が、クラスの子に良い絵本とは限らない

例えば昔話の「ももたろう」にしても、絵のテイストや細かいストーリーなどが違う、多くの絵本が出版されています。子どもの年齢やクラスによって好みは違うので、「この本がいい!」と決めつけず、自身のクラスの子に最適な絵本を見つけてあげましょう。そのためには、たくさんの絵本を知っておくことが大切です。

絵本が楽しめる工夫を!

大人と同じように子どもにも好みがあるので、読む絵本がすべての子どもたちを楽しませられるわけではありません。心配して読むことを強要したり焦ったりせず、みんなが楽しめる方法を探しましょう。絵本の選び方や読み聞かせへの導入を変えてみる、絵本と同じポーズをみんなでとってみる、これからどうなるのか子どもに予想してもらうなど、絵本の楽しみ方は無限大です!

まとめ

自分自身の知識やネットワークを広げるだけではなく、子どもたちの喜びや成長にも直結するうれしいメリットが目白押しです。スキルアップ・キャリアアップとしても、ぜひチャレンジしてみてください!

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タグ : 保育の資格
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