保育士さんなら知っておくべき歯と口の健康習慣とは?その由来と園児に伝えたい歯磨き指導のアイデア

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毎年6月4日から始まる歯と口の健康週間、保育園でも歯の大切さや虫歯予防についての活動を行うところが多いようです。今回は、この期間について、保育園で園児に分かりやすく説明するためのポイントをご紹介致します。

歯と口の健康週間とは?

厚生労働省、文部科学省、日本歯科医師会、日本学校歯科医会が実施している健康週間です。

毎年6月4日を「歯の日」、6月4日~6月10日までの一週間を「歯と口の健康週間」として定め、国民の健康の保持増進を目指しています。

歯と口の健康週間 由来は?

日本歯科医師会によると、歯と口の健康週間は「歯と口の健康に関する正しい知識を国民に対して普及啓発するとともに、歯科疾患の予防に関する適切な習慣の定着を図り、併せてその早期発見及び早期治療を徹底することにより歯の寿命を延ばし、もって国民の健康の保持増進に寄与すること」を目的としています。

適切な歯磨き、口腔ケアを習慣化させ、国民の歯の寿命をより長く延ばすために行われています。

歯と口の健康週間の歴史

日本歯科医師会が「6(む)4(し)」にちなんで6月4日に「虫歯予防デー」を実施していたことに始まります。この活動が1928年(昭和3年)から1938年(昭和13年)まで行われ、その後1939年(昭和14年)から1941年(昭和16年)まで「護歯日」、1942年(昭和17年)に「健民ムシ歯予防運動」と名称が変わりながらも定着していきました。

1943年から1947年までは中止されていましたが、1949年(昭和24年)に「口腔衛生週間」が制定され活動が再開されました。

その後も数回名称が変更され、2013年(平成25年)より現在の「歯と口の健康週間」となっています。

保育園での歯磨き指導のメリット

保育園での歯磨き指導にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

歯磨きを習慣化しやすくなる

子どもの頃から口の中を綺麗にする歯磨きを継続することで、口腔ケアを習慣化しやすくなります。歯磨きが生活習慣の一部に定着することで、大人になってからも歯を清潔に保てるようになると考えられています。

歯の大切さを学ぶことができる

歯は食事の時だけでなく正しい発音をするためにも重要な役割を担っています。「どうして歯を大切にしないといけないか」は言葉だけで説明することは難しいと感じる保育士さんも多いのではないでしょうか。保育園で分かりやすく説明するためのアイデアを以下にてご紹介します。

「歯を大切に!」保育園での説明のポイントとアイデア

子どもの頃から歯は大切にしたいものですが、歯磨きの意味をよく理解できていないままでは、子どもにとって習慣化は難しく感じるでしょう。歯磨きの習慣が身についていないと、歯磨きが嫌いになってしまうことや、大人になっても歯を磨かない人になってしまう場合もあります。

家庭はもちろん、保育園でも歯の大切さをしっかり伝えていきたいですね。

絵本で説明する

歯磨きを題材にした絵本を使い、歯磨き指導を行うと子供たちの理解が深まります。「歯磨きをしないとどうなるか」「歯磨きをするとどんないいことがあるか」絵本を使って読み聞かせを行いましょう。

読み聞かせに使う絵本の例

1歳~
「はみがきあそび(きむらゆういち)」 歯磨きをテーマにした仕掛け絵本です。ページ毎に様々な仕掛けが出てくるので、小さな子どもでも飽きずに楽しく歯磨きについて知ることができます。

2歳~
「おかしだいすき(いもと ようこ)」 お菓子が大好きなネコのお話です。食べたらすぐに口の中をキレイにしないと虫歯になって大変!というイメージを持たせられる絵本です。

3歳~
「はみがき、やーだよ(スベトラーナ チューリナ」 歯磨きが嫌いなクマが登場します。虫歯になると食事も会話もできないという大切なことが描かれています。

4歳~
「むしばいっかのおひっこし(にしもとやすこ)」 歯磨きが習慣化してきた子どもの口に住んでいる「むしばいっか」。口の中の食べ物がなくなってきたことを理由に引っ越しを決意するストーリーです。歯磨きについて理解し始めた4歳前後の子どもに、ちょっと違う視点でお話できる絵本です。

5歳・6歳~
「がんばれはぶらしハーマン(きむら ゆういち)」 歯磨き嫌いな男の子の夢のお話です。「しっかり歯磨きしないと虫歯になる」ということが分かりやすく描かれている仕掛け付き絵本です。

虫歯になるとどうなるか、先生が実体験として語る

「歯磨きは大切です」とただ話すだけでは、子どもたちの関心は集まりにくいでしょう。保育士の先生が、子どもの頃に体験した虫歯エピソードとしてお話することで、子どもにはより虫歯予防を身近に感じられるかもしれません。

例:

「歯磨きをしなかったら虫歯になっちゃった。しばらく甘いものが食べれなくてつらかったよ」
「虫歯で痛い思いをしたから、その後はしっかり歯磨きをするようになったよ。今は食べたらすぐ歯磨きをしているから、虫歯もなくて歯医者さんに褒められているよ」

上記のようなエピソードとともに、子どものころの先生みたいな体験をしてほしくないから、みんなはしっかり歯を磨こうね、とお話してみましょう。

虫歯について説明する時の注意点

虫歯になってはいけない、虫歯になると大変なことになると伝えることはとても大切なことです。しかし、虫歯になって歯医者さんで痛い治療をしたエピソードを強調しすぎてしまうと、今度は歯医者さんが怖い場所という印象を与えてしまうかもしれません。歯医者さんは怖いところではなく、虫歯を直してくれるところである点も、しっかり伝えてくださいね。

口の中や歯について知ろう!

歯磨きの大切さを学んだあとは、「歯」そのものについても理解を深めていきましょう。
歯について保育士から質問を投げかけ、みんなで意見交換をすると、自発的に自分の歯に興味を持ってくれるかもしれません。

質問例

・歯はなんのためにあるの?歯がなかったらどうなるの?

歯は食べ物を小さくし、すりつぶす働きがあります。また、会話の際にも大きな役割を果たしており、様々な場面でとても重要な存在であることを説明します。

歯が前歯と奥歯で形が異なることに気づいた子どもがいれば、それぞれの形でどんな役割があるか考えてみるのも面白いですね。

・歯の本数は何本ある?

自分の歯の本数が何本か、子ども自身に数えさせてみましょう。

子どもの歯は全部で20本あります。大人になると親知らずをいれて32本あるので、これから増えていく歯も大切にするよう伝えます。

歯磨き指導を行う

最後に、正しい歯磨きの仕方を学びます。

乳歯が生え始めた子どもは、まず口の中を触られることになれていないため乳児用の歯ブラシで1~2回歯に触れるだけでも十分です。

3~5歳の子どもには、奥歯の溝、歯と歯の間、歯の裏、表面をポイントとして小刻みに磨くよう指導します。自分でできる子は各自で歯磨きを行い、歯磨き後にそれぞれの子どもの歯をチェックし、必要に応じて仕上げ磨きを実施すると良いでしょう。

歯磨き方法参考:日本小児歯科学会、日本歯科医師会

歯磨き指導に飽きてしまう子がいる場合

歯磨きの時間を退屈に感じてしまうと、飽きて歯磨きが続かなくなってしまいます。歯磨きを楽しい時間にするためのアイデアをご紹介します。

歌や歯磨き絵本に合わせて歯磨きをする

子どもの好きな人気キャラクターの歌を流し、曲に合わせて手を動かすことで、退屈さを軽減できます。
また、本コラムにて、絵本を使った活動をご紹介しましたが、歯磨き指導の場面でも絵本を活用することができます。絵本の中の歯磨きシーンでは「シュッシュ」等の擬音が使われていることが多く、絵本に合わせてみんなで歯磨きするよう促しましょう。今まで読み聞かせていた本なので、親しみを感じながら磨いてくれるかもしれません。

好きなキャラクターの歯ブラシを使う

歯ブラシを各自持参する方針の園で、保護者の方の協力が得られる場合は好きなキャラクターの歯ブラシの用意をお願いしてみましょう。「〇〇(好きなキャラクター)の歯ブラシだよ!歯磨きしてみない?」と声をかけてあげるのもいいですね。

まとめ

歯と口の健康週間について、由来や保育園での歯磨き指導アイデアをご紹介しました。

歯の日は、歯や口腔内の健康維持を心掛ける大切な日です。保育園で虫歯予防の指導を行うことで、子どもたちが歯の大切さについて理解し、正しい歯磨きの習慣を身に着けられるといいですね。

絵本の読み聞かせや音楽に合わせた歯磨きで、子どもたちが楽しく虫歯を予防できる機会を作りましょう。

参照:
日本歯科医師会
https://www.jda.or.jp/park/prevent/index08_04.html

日本小児歯科学会
http://www.jspd.or.jp/contents/main/faq/faq02.html#faq_b0104

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