お正月遊びを保育に取り入れよう!福笑い・凧あげなどの遊び7選
公開日: 更新日: 保育の仕事近頃は、おうちでお正月遊びをしたことがないという保育園児が増えています。ずいぶん前から、家庭では伝統的なお正月遊びをしなくなり、子どもにとって「身近な遊び」とはいえない状況です。
そこで今回は、福笑いや凧あげなどのさまざまなお正月遊びと、保育への取り入れ方をご紹介します。保育士さんも子どもたちと一緒にお正月遊びを楽しんで、保育園でも「初笑い」をしましょう。
目次
「お正月」や「お正月遊び」の意味を改めておさらい
お正月とは
お正月とは、新たな1年のスタートをお祝いする伝統行事のことです。年の初めに「年神様」が訪ねてくるので、お迎えするために門松や鏡餅などを飾り、お節料理をお供えします。年神様は「豊作の神様」でもあり、家を守る「ご先祖様」ともいわれています。
お正月遊びとは
お正月遊びには「福を呼ぶ」「災いをはらう」などの意味が込められています。
昔は、三が日(1月1日~3日)におじいちゃん・おばあちゃんの家に兄弟姉妹や孫がたくさん集まったので、お正月遊びの時間は「子どもたちの楽しみ」でもありました。たまにしか会えない「親戚のお兄さん・お姉さん」から、遊びのルールやコツを教わることで、子どもは大きく成長します。そして今度は、自分より年下の「親戚の子ども」に教えるようになり、そうして「お正月遊び」は伝承されてきました。
しかし、近年は核家族化が進み年始に親戚一同が集まることも少なくなったため、大勢でお正月遊びを楽しむ機会が減っているといわれています。このような背景から、保育園でお正月遊びを行う重要性が増してきているのです。
お正月遊びはいつする?
家庭でのお正月では、家族や親戚が集まって新年のお祝いをします。元旦(1月1日の朝)に、新年の挨拶を交わしたら、お節料理・お雑煮・お屠蘇をいただき、初詣に出掛けます。その後に、みんなでお正月遊びを楽しみます。
保育園では、年末年始のお休み明けに行う場合が多いですね。室内で行う遊びも多いので、1月の天気が悪い日の室内遊びとして取っておくのもおすすめです。
次は、代表的な「お正月遊び」と、保育への取り入れ方をご紹介しますね。
【保育園でやりたいお正月遊び①】福笑い
福笑いの遊び方は、まず「目・鼻・口のない顔」を描いた紙に、目隠しをして「顔のパーツ」をひとつずつ並べていきます。終わったら目隠しを取って、どんな顔になったか確認します。
一番面白い顔を作ってみんなを笑わせた人の勝ち、正しい位置に顔のパーツを置くことができた人の勝ちなど、さまざまなルールで遊ぶことができます。
できあがった顔を見てみんなで笑うことで「福を呼ぶ」というお正月らしい意味があります。
福笑いを保育に取り入れる時は
福笑いといえば「おかめ(お多福)」の顔がスタンダードです。おかめの福笑いを見たことのない子どもが多いので、まずは伝統的な福笑いで遊んでみましょう。
たっぷり遊んだら、今度は自分だけの「オリジナル福笑い」製作にも挑戦してみてください。完成した後は、友だちと一緒にお互いの福笑いで遊びます。
【保育園でやりたいお正月遊び②】凧あげ
凧は、平安時代に「占いや戦いに使うもの」として中国から伝わりました。現代のように、屋外で凧をあげて遊ぶようになったのは、江戸時代になってからです。空に高くあがる凧には、子どもの健やかな成長への願いが込められています。
凧あげを保育に取り入れる時は
本格的な形の凧作りも凧あげも保育園児には少し難しいので、小さな子どもでもできる簡単な凧で代用することをおすすめします。
まず、レジ袋にマーカーで模様を自由に描きます。袋の持ち手にひもを付けて引っ張ると、レジ袋に空気が入ってふわりと浮かびます。ひもを長くして走れば「レジ袋凧」は高くあがりますよ。
【保育園でやりたいお正月遊び③】羽根つき
羽根つきは、お正月をイメージする代表的な伝承遊びで、羽根をつくことが「邪気や災いをはらう」といわれています。羽子板を使って、羽根をバドミントンのように打ち合って遊びます。羽根を落としてしまった時は、罰として「顔に墨でバツ印を描かれる」というルールもあります。
羽根つきを保育に取り入れる時は
凧あげと同じく、園児が実際に羽根つきをするのは難しいですが、「羽子板作り」にはチャレンジできますよ。ダンボールを土台にして、子どもに合ったサイズで作ると、軽くて扱いやすくなります。平面的に絵を描くよりも、立体的な飾りを貼りつけた方が、本物の羽子板に近くなります。
【保育園でやりたいお正月遊び④】こま(独楽)
こま(独楽)は、中国から朝鮮半島を経て伝わってきたといわれているおもちゃです。平安時代にはすでに上流階級で遊ばれていましたが、庶民がこま回しを楽しむようになったのは江戸時代からだといわれています。こまがうまく回ると「スムーズに事が運ぶ」とされ、縁起の良いお正月遊びとして定着しました。
こまを保育に取り入れる時
こまをベースにした現代風のおもちゃもあることなどから、現代の子どもたちにとってもこまは「なじみのあるおもちゃ」です。お正月遊びとして保育に導入するなら、園や家庭にはない「昔ながらのこま」を知る機会にしたいですね。ひもを使って回す、レトロな見た目の木製のこまなどを探し、回す様子を見せてあげてください。
【保育園でやりたいお正月遊び⑤】かるた
かるたは、ポルトガルから伝わったカードゲームに、日本の「貝合わせ」の要素が盛り込まれたものです。特に「いろはがるた」や「百人一首」が、一般にはよく知られていますね。子どもがたくさん集まるお正月は「かるた遊び」が楽しめる貴重なチャンスです。この機会に「字を覚えてほしい」という親の願いも込められていました。
かるたを保育に取り入れる時は
保育園でかるたをするなら、ひらがなを読める子が多くなる年少以上のクラスで行うのがおすすめです。5名~10名程度のグループに分けて、車座になって行います。
年少クラスであれば、子どもたちが親しみやすいキャラクターのかるたが良いでしょう。年長クラスであれば、ことわざなどを使った昔ながらのかるたを使うと勉強にもなりますね。
【保育園でやりたいお正月遊び⑥】すごろく(双六)
すごろくは、サイコロを振って出た目の数だけ進むボードゲームです。日本に伝わったのは奈良時代で、最初は大人が遊ぶものでしたが、江戸時代になって「子ども向けのすごろく」も作られるようになりました。家族ですごろくを楽しみ、正月を笑って過ごすことで、その一年は幸せになれるといわれています。
すごろくを保育に取り入れる時
共同制作で「ジャンボすごろく」に挑戦してみましょう。子ども同士で話し合いながら「すごろく作り」を進めていけば、それが達成感になりますね。卒園制作として「思い出すごろく」を作って、展示するのもいいですね。
お正月に合わせて、家庭にある「すごろく」を持ってきてもらうのも良いですね。さまざまなタイプのすごろくを、友だちや先生と一緒に楽しめることが、子どもにとって大きな喜びになります。
【保育園でやりたいお正月遊び⑦】だるま落とし
だるま(達磨)とは、禅宗の開祖・達磨大師がモデルの「縁起物の人形」のことです。だるまをアレンジしたおもちゃが「だるま落とし」で、円柱状の胴体が複数重なり、一番上にだるまと同じ顔が乗っています。
円柱を1つずつハンマーで横に叩き出し、だるまを1段ずつ落としていきます。最後まで崩さずに落とすことができれば、その年の災いを避けることができるといわれ、お正月に遊ぶようになりました。
だるま落としを保育に取り入れる時は
木製の「だるま落とし」は100円ショップでも購入できるので、人数分を準備することも可能です。顔のシールを取って、子どもがだるまの顔を描けば、世界にひとつしかない自分だけの「だるま落とし」で遊ぶことができますよ。
保育園でのお正月遊びは「子どもの心」に残る
お正月遊びで最も大切なことは、子どもも大人も一緒になって楽しみ、新年を笑って迎えることです。友だちや保育士、家族や親戚と笑い合うことが、新しい年の「幸せ」につながります。
保育にお正月遊びを取り入れることは、子どもたちの心に「伝承遊び」の記憶を残します。いつか、誰かと、お正月遊びをする機会があったら、保育園で遊んだ楽しい時間を懐かしく思い出すかもしれません。
保育園のお正月遊びについてのまとめ
今回は、保育に取り入れたいお正月遊びを7つご紹介しました。
福笑いや凧あげなどのお正月遊びは家庭で楽しむ機会が減っているため、積極的に保育に取り入れたいところです。子どもの年齢に合わせ、遊びのルールや製作の仕方を変えるなどして、無理なく安全に楽しめるよう配慮して取り入れましょう。
お正月遊びのポイントは「みんなで楽しむ」ということ。保育園で経験した伝承遊びを、自宅でも楽しんでもらいたいという「園のねらい」も含まれています。保育士さんも子どもと一緒に思いきり遊んで、大きな声でたくさん笑いましょう!
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