男性保育士の給料事情や転職のしやすさ、将来性は?男性保育士の現状を解説
公開日: 更新日: 保育士の働き方・環境 , 保育士の給与・年収男性保育士は、保護者だけでなく保育士の間でも、まだまだ馴染みの薄い存在かもしれません。しかしながら、年々その数は増えてきており、保育の現場でも男性保育士だからこその役割が期待されています。
今回は、男性保育士の給料や転職などに関する現状や、今後の可能性についてご紹介します。
目次
気になる男性保育士の給料・待遇は?
結婚、出産などライフステージの変化のタイミングで正規職員からパートへとキャリアチェンジをすることもある女性保育士に比べ、男性保育士の多くは正規職員として働き続けることが多いといわれています。
そうしたことも関係し、統計では男性保育士の方が女性保育士に比べ、平均給与の額も若干多くなっているようです。
平成30年賃金構造基本統計調査によると、30~34歳男性保育士の平均年収は約406万円。その内訳は月収が約28万、年間賞与が約70万で、同年代の女性保育士の平均年収の約360万円(月収約24万、年間賞与71万)と比べると年間で50万円ほど高くなっています。
上記の金額は全国の保育士の給与を平均したものであるため、就業している園や勤務している都道府県によって、実際の金額には差があります。たとえば、東京都や大阪府など慢性的に待機児童の問題を抱える自治体には自治体独自の保育士に対する優遇制度があり、手当も厚くなる傾向があります。
参考資料:平成30年賃金構造基本統計調査
男性保育士の割合は増えている?
まだまだ男性保育士という存在は馴染みが薄く、保育は女性の仕事といった印象を持たれがちです。では、男性保育士の数は本当に増えているのでしょうか?
男性保育士はこの10年で倍増している
平成29年の就業構造基本調査によると、全国の男性保育士の数は2万2300人。これに対して女性保育士は64万8500人。男性保育士は全保育士の3.3%しかいません。
しかしながら、平成19年の同調査では男性保育士の数はわずか1万1000人でした。つまりこの10年で男性保育士の数は約2倍になっており、確実に保育士資格を取得する男性の数は増えてきていることが分かります。
保育系の学科に進学する男子学生の数も増えています。大学や専門学校によって男女比率は大きく異なりますが、男女比率が高い学校では男子学生が4割程度を占める年度もあるといいます。
参考資料:平成29年就業構造基本調査
参考資料:平成19年就業構造基本調査
男性保育士が増えている理由
では、なぜ男性保育士の数が増えているのでしょうか。
その理由のひとつには、平成11年の児童福祉法改正によって、「保母」から「保育士」へと呼び名が改められたことがあります。「母」という文字が入っていたことによってこれまで女性の職業というイメージの強かった保育士が、名称変更によって性別を問わない職業としてイメージが変わりました。
また、女性の社会進出や共働き家庭の増加に伴って育児に興味関心を持つ男性が増えたことや、男性保育士が登場するドラマや漫画などの作品が注目を集めたことなども、少なからず関係しているといえるでしょう。
一方、男性保育士ならではの悩みも…
ただし、男性保育士が増加しているとはいえ、先ほどもご紹介した通り男性保育士は保育士全体のわずか3.3%に過ぎません。
一緒に働く男性保育士が少ない、もしくはいない場合、女性中心の人間関係の中で気を使いすぎてしまったり、モデルケースになる人がいないために自分のキャリアプランを形成しづらかったりといった悩みも出てくるようです。念願の保育士になり保育園に入職したものの、思ったような仕事ができず、転職を考える男性保育士の方も少なくありません。
男性保育士の転職に関する現状はどうなっている?
長年「女性の仕事」だった保育の世界。男性が入るにはまだまだ困難なことも多く、転職を考える方も多いようです。
では、男性保育士の転職のしやすさなどは、どのような状況なのでしょうか。
男性保育士の転職のしやすさ
保育士資格を取得する男性の数は増加してはいますが、残念ながら「男性をわざわざ雇う」ことに積極的ではない保育園が多いことも事実です。
保育業界は深刻な人材不足の状況にあるため求人情報はたくさん出てはいますが、男性保育士が転職する際にはいくつかのハードルがあることは確かでしょう。
たとえば男性トイレや更衣室がない保育園が多いといったハード面の問題があります。このような園内設備のない園への転職はなかなか難しいかもしれません。
設備面の不安が強い場合は、保育士専門の人材紹介会社のコンサルタントに、男性保育士の在籍数が多い園を探してもらうなどしたほうが良いでしょう。
株式会社が経営している保育園は、男性保育士に対する理解が進んでおり、受け入れ実績も多い傾向があります。特に新設園の場合は男性用の設備がある可能性が高いので、このような求人を見つけたらぜひチェックしてみることをおすすめします。
男性保育士の転職のコツとは?
転職や就職時にいくつかのハードルがある一方で、男性ならではの強みなどもあります。
保育の現場でも、力仕事を任せられることや防犯面、男性保護者との関係を築きやすいなど、保護者や女性保育士からも頼りにされているケースが目立ちます。このような強みを自分の長所としてアピールしていくことで、転職活動を上手く運ぶことができるはずです。
転職や収入アップに有利!男性保育士に求められることとは
保育士資格にプラスαがあることは、転職のみならず収入アップにもつながります。ここでは、転職やキャリアアップに役立つ、男性保育士ならではのアピールポイントをご紹介します。
運動系の指導の幅を広げる
幼児期の体力作りが見直されている今、保育園でも運動に力を入れている園も増えてきました。
スポーツインストラクターなど、幼児体育を指導できるスペシャリストの資格があることで、保育士としての仕事の幅も広がります。転職を見据えて、運動系の資格取得に向けた勉強を始めてみてはいかがでしょうか。
管理職を目指す
出産や子育てなどライフイベントによるキャリアの寸断が少ない男性保育士は、採用時から管理職候補として期待されていることも。役職に就けば手当も増え、収入アップにもつながります。
管理職に求められるのは、マネジメント能力です。学生時代や現職でリーダーシップを発揮した経験などをアピールすると良いでしょう。
また、園長や主任を目指すなら、経営する園の数が多く、新設園も多い株式会社や法人が経営する園の求人をチェックすることをおすすめします。
男性保育士の将来性は?
人材不足といわれる保育業界において、重視されることは性別ではなく専門性といえます。自治体によっては、男性保育士が活躍できるような施策を実施するエリアもあり、男女の枠にとらわれず能力を発揮できる環境が作られつつあります。男性保育士を求める保育園も増えており、今後ますます注目が集まると予想されます。
就職先に不安のある男性保育士の方は、男性が多く活躍している保育園や、男性施設長の登用にも積極的な職場を探してみるといいかもしれません。
まとめ
今回は、男性保育士の給料や転職などの現状についてご紹介しました。
家庭にも父親と母親の役割がそれぞれあるように、保育の現場でも男性だからこそ求められる役割があります。力がある、体力があるなどの男性ならではの長所が、転職や就職活動の際の良いアピールポイントになるかもしれません。
現状では決して恵まれているとはいえない男性保育士の労働環境を、熱意ある男性保育士の皆さんの活躍で変えていくことが期待されています。現在の勤め先では自分のスキルを十分に生かせないとお悩みなら、ぜひ保育士専門の人材紹介会社に登録して求人情報をチェックしてみてはいかがでしょうか。
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