保育園での熱中症対策は?予防法、症状や対応方法のご紹介!
公開日: 更新日: 保育 , 保育お役立ち情報
夏になると子どもたちが楽しみにしている行事も増える中、保育士さんが気になるものの一つに熱中症対策があるかと思います。
今回は熱中症の症状から保育園でできる対策や応急処置などをご紹介いたします。
しっかりと保育園で対策を行い暑い夏を乗り切りましょう!
熱中症とは
熱中症(ねっちゅうしょう)とは、気温が高い場所などで体温が異常に上昇し、体の温度調節機能が働かなくなることで起こる健康障害の総称です。
熱中症は、軽度のものから重度のものまでさまざまな症状を引き起こすことがあります。一般的には以下の3つのタイプに分類されます
・熱けいれん(ねつけいれん): 汗を大量にかくことで体内の塩分と水分のバランスが崩れ、筋肉がけいれんを起こします。
・熱疲労(ねつひろう): 高温環境での長時間の活動により、体内の水分と塩分が失われ、疲労感、めまい、頭痛、吐き気などの症状が現れます。
・熱射病(ねっしゃびょう): 最も重篤な状態で、体温が40度以上に上昇し、意識障害や痙攣などが起こり、場合によっては命に関わることもあります。
子どもが熱中症になりやすい要因
子どもたちは熱中症に特に注意が必要でその理由はいくつかあります。
体温調節機能が未発達
子どもたちは体温調節機能が未発達であり、大人に比べて体温が上昇しやすく、下がりにくいです。特に新生児や小さな子供は発汗が少ないため、熱を逃がしにくいです。
水分量が少ない
子どもの体内の水分量は大人に比べて少ないため、脱水症状を起こしやすいです。脱水が進行すると、体温が急激に上昇し、熱中症になるリスクが高まります。
照り返しの影響を受けやすい
子どもは身長が低く地面との距離が近いので、照り返しの影響を受けやすくなります。
屋外では日差しが強ければ強いほど地面から感じる熱は子供は大人以上に熱いと感じています。
自分で予防・処置するのが難しい
乳幼児の子どもたちは基本的に自分たちで水分補給や衣服の調節などが難しく保育士が注意を払う必要があります。
また遊んでいるうちに夢中になってしまい身体の変化に気づかなかったり、自分の体の症状をうまく伝えられない場合もあります。
そういった観点からも保育士や周囲の大人がしっかりと見守る必要があります。
保育園でできる熱中症対策
環境管理
室内温度の管理:エアコンや扇風機を使って室温を適切に保つ。特に夏場は室温が28度を超えないようにしましょう。
換気:定期的に換気を行い、室内の空気を新鮮に保つ。
日よけの設置:カーテンやブラインドを使用して直射日光を遮る。外遊びエリアには日よけを設置する。
水分補給
定期的な水分補給:定期的に水分補給の時間を設け、水やお茶を飲みましょう。
飲み物の提供:常に水やスポーツドリンクを準備しておき、子どもたちが自由に飲めるようにする。
※一度にたくさん飲みのではなく時間を空けて飲みましょう。
外遊びの管理
時間帯の調整:外遊びは気温が低い午前中や夕方に行い、暑い時間帯(特に12時から15時の間など)を避ける。
休憩と日陰の確保:外遊びの際はこまめに休憩を取り、日陰で休みましょう。
服装の配慮
適切な衣服:子どもたちには通気性の良い、薄手の衣服を着てもらう。また、帽子をかぶり直射日光を浴びるのを避けましょう。
汗の処理:汗をかいた場合は、タオルで拭いたり、着替えを用意しておく。
教育と意識向上
スタッフの教育:保育士やスタッフに熱中症の症状や対処法についての教育を行う。
子どもたちの教育:子どもたちにも水分補給や休息の大切さを伝え、自分で体調を管理する意識を育てる。
緊急対応
緊急時の対応計画:熱中症の疑いがある場合の緊急対応マニュアルを作成し、スタッフ全員が把握する。
応急処置キットの準備:保冷剤や湿らせたタオル、飲料水などを常備し、緊急時に迅速に対応できるようにする。
観察と記録
子どもの状態の観察:定期的に子どもたちの様子を観察し、体調の変化に注意を払う。特に顔色や汗のかき方、行動に異常がないかを確認する。
記録の徹底:水分補給の時間や量、外遊びの時間帯、休憩の頻度などを記録し、熱中症予防の効果を把握する。
保護者との連携
情報共有:保護者に対して、保育園での熱中症対策を説明し、家庭でも同様の対策を取るように促す。
連絡体制の整備:子どもが体調を崩した場合にすぐに連絡が取れるよう、保護者の連絡先を確認し、緊急時の対応を速やかに行えるようにする。
熱中症と疑われる場合の対応
保育園で熱中症が疑われる子どもが発生した場合、保育士が迅速かつ適切な応急処置を行う必要があります。
涼しい場所に移動
すぐに子どもを涼しい場所(室内や日陰)に移動させます。
衣服を緩めて体から熱が逃げやすくし、必要ならば、衣服を脱がせることも考慮します。
体を冷やす
冷たいタオルや保冷剤を使って首や脇の下、股の部分に冷たいタオルや保冷剤を当てて体を冷やします。これらの部位は大きな血管が通っているため、効果的に体温を下げることができます。
扇風機やうちわを使用使って体温を下げるのも有効です。
水分補給
意識がはっきりしている場合は、少しずつ水やスポーツドリンクを飲ませます。飲ませる際には一度に大量に飲ませず、少量ずつこまめに飲ませるようにします。
緊急連絡と医療機関への連絡
状態が改善しない場合や重篤な症状が見られる場合は、すぐに保護者に連絡します。
意識がない、けいれんを起こしている、高熱が続いている場合は、直ちに119番に通報し、救急車を呼びます。
他の子どもたちの安全確保
応急処置中、他の子どもたちの安全も確保するため、他の保育士やスタッフに協力を依頼します。
※具体的な重篤な症状※
以下のような重篤な症状が見られた場合は、すぐに医療機関に連絡しましょう。
・意識が朦朧としている、または失神している
・体温が40度以上に上昇している
・呼吸が速いまたは浅い
・強い頭痛やめまいがある
・吐き気や嘔吐がある
・筋肉のけいれんが続いている
子どもたちへの声かけ
子どもたちへの熱中症対策の声かけは、子どもたちが理解しやすく、実践しやすいようにすることが大切です。
水分補給の声かけ
「みんな、遊びの前にお水を飲みましょうね!」
「少し休憩して、お水を飲もうか。」
「喉が乾く前にお水を飲むのが大事だよ。」
休憩の声かけ
「少し休んでからまた遊ぼうね。ここで日陰に入って休もう。」
「暑いから、ここで座って涼もうか。」
「疲れたら無理せずに休むんだよ。」
日よけの声かけ
「帽子をかぶって遊ぼうね。帽子をかぶると頭が涼しくなるよ。」
「お外に出る前に、帽子をかぶったか確認しよう。」
体調の確認の声かけ
「頭が痛くなったり、気分が悪くなったらすぐに教えてね。」
「今日はとっても暑いから、みんなで気をつけよう。」
屋外活動の声かけ
「今日はとっても暑いから、少しずつ遊んで、こまめにお水を飲もうね。」
「今から外で遊ぶけど、暑くなったらすぐに休もうね。」
教育と意識向上の声かけ
「水分をたくさん取ると、元気でいられるんだよ。」
「お日様が強い日は、帽子や日陰で体を守るのが大切だよ。」
「みんなが元気に遊べるように、少しずつ休憩を取ろうね。」
その他の注意喚起
「今日はとても暑いから、無理せずにゆっくり遊ぼうね。」
「暑い日は特に、お友達とも助け合って、お互いに気をつけよう。」
これらの声かけを通じて、園児たちが熱中症対策を自然に実践できるようにサポートしていきましょう!
まとめ
今回は保育園でできる熱中症対策や応急処置などをご紹介しました。
園児たちが熱中症になってしまうのを防ぐのはもちろんですが、ここで紹介した内容は保育士やその他のスタッフにも当てはまることはたくさんありますので、自身の健康もしっかりと管理したうえで子どもたちの成長を見守っていくことが大切です。
プール遊びや秋に運動会を控えている園は運動会の練習など、子どもたちが楽しみなイベントが多くなってきますが、保育士や周りの大人たちが園児の健康と安全を守っていきましょう!
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