3歳児の室内遊び!発達や保育のねらいに合わせた室内遊びアイデア

公開日: 更新日: 保育 , 保育お役立ち情報

雨の日が増える梅雨や寒い冬の時期は、保育園での室内遊びの機会が多くなります。今回のコラムでは、3歳児を対象に室内遊びのアイデアをご紹介します。3歳児を担当している保育士さんは是非参考にしてみてください!

3歳児ってどんな時期?

遊びのアイデア紹介の前に、まずは3歳児の発達状況を身体面・精神面からご紹介します。

3歳児の平均身長・平均体重

厚生労働省発表の資料(※1)によると、3歳児の平均身長・平均体重は下記のようになっています。

平均身長

3歳児男子:95.1cm~98.7cm

3歳児女子:93.9cm〜97.5cm

平均体重

3歳児男子:14.1kg~15.0kg

3歳児女子:13.5kg~14.6kg

運動や食事の量、遺伝で個人差は生じるため、目安の一つとして知っておく程度でよいでしょう。

運動能力の発達

3歳児は脳神経の発達に加え、土踏まずが形成されるため、2歳児よりもバランス感覚が優れてくる時期です。走る・飛ぶ動作に加えて体をひねる、片足で立つ、つま先で立つなど、動作をバランスよくこなせるようなります。指先の動きも器用になるため、着替えができるようになる子どもや筆記用具を使って丸などの簡単な図形を描けるようになる子どもが多いようです。

言葉の発達

2・3歳児は語彙が急激に増える時期で、「言葉の爆発期」とも呼ばれています。

3・4歳までに話せるようになる言葉の数は1700語程度で、名前や年齢などの簡単な質問に答えられるようになるほか、4・5個の言葉をつなげて文章として話せる子どももみられます。

また、「なぜ?」や「どうして?」といった疑問を持つようになるのもこの時期と言われています。

想像力、感受性の発達

3歳児は想像力の発達が著しい時期と言われています。ごっこ遊びの設定がより詳細にできるようになり、その場にない物でも言葉を聞いて想像できるようになります。

また、周りのさまざまなものに命があると想像する子どもも多く、ぬいぐるみ等の「モノ」に愛着を覚え、話しかける場面が増えていきます。

3歳児の遊びのポイントは?

3歳児は「イヤイヤ期」を迎える子どもも多いため、遊びの際に意識しておきたいポイントがあります。

本人の「やりたい」気持ちを尊重する

3歳児は自分の意思がはっきりする時期であるため、「自分でやりたい」「自分で決めたい」という自発的な気持ちが強くなっていきます。様々なことを自分でやってみようと思えるような声かけ・環境作りが大切です。

「イヤイヤ」の気持ちを代弁してあげる

言語能力が発達してくる3歳児ですが、思ったことを上手に伝えられない場面はまだまだ多い時期です。思うようにいかず泣く・怒るといったアクションが出た際には子供の気持ちに寄り添い、「自分でやってみたかったんだよね」「先生がお手伝いしたのがいやだったんだよね」と何故泣いているのか代弁してあげると安心させられるケースがあります。

喜びや達成感を感じさせる

できなかったことができるようになった際、喜びや達成感を味わえるようしっかり褒めてあげることを意識しましょう。人の役に立てる喜びも感じられる時期ですので、お手伝いができた際は「○○ちゃんのおかげで先生が助けられた」ということも一緒に教えてあげると良いでしょう。

3歳児が室内遊びをするときのねらい

3歳児の室内遊びを行うときは、どのようなことにねらいを定めるとよいのでしょうか。

ねらい1:ルールを覚える

3歳児は保育士やお友達と遊ぶ機会が増えていくことが増えます。友達と同じ場で遊ぶ楽しさを知り、自分にあった好きな遊びを見つけながら少しずつ集団生活の中のルールを覚えていくねらいがあります。

ねらい2:友達と同じ場で遊ぶ楽しさを覚える

ごっこ遊びができるようになると、一人ではなく集団で遊ぶ時間が増えていきます。子ども同士での交流を楽しいと感じられるような遊びを取り入れてみると良いでしょう。

3歳児が楽しめる室内遊びアイデア3選

上記のねらいを踏まえ、保育で取り入れることができる3歳児の室内遊びを3つご紹介します。

お絵描き

好きな色、好きな素材や道具を使って自由にお絵かきすることで、色彩感覚や表現力、想像力を養うことが期待できます。

遊び方

1枚の大きな紙を用意してお絵かき用具で自由にお絵かきをします。

ポイント

3歳になると大人が描いた絵を真似したり、頭の中に浮かんだものをイメージして描いたりすることができるようになってきます。いろんな色を使って表現する力がついてくる年齢です。絵のお題を指定したり、お父さんやお母さんの似顔絵を描いたりすることができるでしょう。

【参考動画】https://youtu.be/Tm5qPpFTip0?si=bQxESiB086c959Od

粘土遊び

粘土を触りながらものを作ることで、感触を楽しめるとともに創造力や表現力を養うことができます。

遊び方

粘土を使って作りたいものを自由に形にします。

ポイント

3歳になると自分の好きなものやイメージしているものを形にして遊ぶことができるようになります。保育士さんは子どもが粘土遊びに興味を持ち、自分で想像して遊べるよう見守るのがポイント。完成形を一緒に喜んだり、悩んでいる子どもにはヒントを与えるくらいで手助けしたりしましょう。

粘土は、乾きにくく長く遊べる油粘土がおすすめです。

【参考動画】https://www.youtube.com/watch?v=dPmzeLt0vak

手遊び

歌に合わせて手や全身を動かして遊ぶのが手遊びです。道具などの準備が必要ないため、気軽に楽しめる遊びの一つでしょう。脳の発達や体の動かし方、リズム感が身につきます。友達と一緒に遊ぶ楽しさを知るというねらいもあります。

遊び方

歌の歌詞に合わせて手や指、体全身を動かします。

ポイント

3歳児になると音に合わせてリズムをとりながら動くことができるようになります。新しい言葉を覚えられる機会にもなるため、「コロコロたまご」や「ミックスジュース」などがおすすめです。

【参考動画】https://www.youtube.com/watch?v=i3HIUOlvGHs

3歳児が楽しめるゲームアイデア10選

「友達とルールを覚えながら、同じ場所で遊ぶ楽しさを味わう」ねらいに沿った遊びをご紹介します。

手押し相撲

手押し相撲立ったまま足を動かさず、手のひらで押し合い相手のバランスを崩すことで勝負する遊びです。

遊び方(人数:2人)

  1. マットの上に1人ずつ向かい合って立ちます。
  2. お互いの身体には触れず、手のひらだけを使って押す・引くなどして駆け引きをします。
  3. バランスを崩し足がマットから離れた方が負けになります。

ポイント

お尻や背中で押し合うというアレンジを加えても楽しいですね。安全に遊ぶことができるよう、マットの上で行うと良いでしょう。また、爪が伸びていないか事前に確認しておくと安心です。

だるまさんが転んだ

ある程度の広さがある部屋であれば、道具なしで楽しめる定番の遊びです。

遊び方(人数:何人でも可)

  1. 先生が鬼になり、壁を向いて立ちます。
  2. 子ども達は鬼から遠い位置にばらばらに立ちます。
  3. 鬼が「だるまさんがころんだ」という間に、子ども達は先生に近づいていきます。
  4. 鬼は「だるまさんがころんだ」と言い終わったあとに後ろを振り返ります。
  5. 鬼が振り返ったタイミングで子ども達は動きを止めます。
  6. 鬼が振り返っても動いている子は鬼に捕まってしまいます。
  7. ①から⑥を繰り返し、鬼に捕まらずに鬼までたどり着けた子どもが勝ちです。

ポイント

初めは先生が鬼になりますが、慣れてきたら子どもに鬼をさせてみてもいいでしょう。また、「だるまさんの一日」というアレンジもあります。「だるまさんが眠った」「だるまさんが歯を磨いた」など、掛け声をかけ、鬼が振り返った時に子ども達が掛け声通りのポーズで静止するといった応用版です。

【参考動画】https://www.youtube.com/watch?v=rTHqeQRWSfQ

おしり競争

手足をつけず、お尻だけで前に進む遊びです。

遊び方(人数:1人でも可)

  1. 子どもが体操座りをします。
  2. 体操座りの姿勢のまま、腕を振りながらおしりを付けて足を上げ前に進みます。

ポイント

ゴールまでの距離は子どもたちの発達や部屋の広さに合わせて調整が可能です。2人~大人数で競争にしても盛り上がるかもしれません。安全が確保できれば、後ろ向きに進むアレンジも可能です。

【参考動画】https://www.youtube.com/watch?v=XMla6NqmU0w

フラフープジャンプ

遊び方(人数:1人でも可)

  1. フラフープをいくつか床に置きます。ジャンプする距離が短く済むように、フラフープ同士は接触させておくことをおすすめします。
  2. 置いたフラフープの輪の中を両足・片足でジャンプして移動します。

ポイント

教室全体を海や山に見立てて、サメや崖を連想させる簡単な飾りを置くと、落ちてはいけないスリルを演出できます。海に落ちないようにジャンプする等、テーマを用意することでただジャンプするだけでない楽しさを加えられます。

カラーコーンリレー

室内でできるリレーです。子ども同士で応援し合いゴールするので、集団で何かすることの達成感を味わいやすい遊びです。

遊び方(人数:1チーム3~5人)

  1. 子ども達を複数のチームに分け、ゴールとなるカラーコーンを子ども達から離れたところにチーム数と同じ数で置きます。
  2. 縦一列に並び、保育士の掛け声とともに第一走者の子どもが走ります。
  3. 第一走者の子どもはカラーコーンをタッチし、スタート地点に戻ります。
  4. 第一走者の子どもが戻った瞬間、次の子どもがスタートします。
  5. ①から④を繰り返し、最終走者が最初にゴールしたチームが勝ちです。

ポイント

慣れてきた様子が見られた際は、カラーコーンを一周してから戻ってくるなどルールを追加してみましょう。走っている時は音楽を掛けても盛り上がりそうですね。

椅子取りゲーム

音楽を使った身体を動かして楽しめる遊びです。人数に限りがないので、クラス全体で遊ぶことができます。

遊び方(人数:何人でも可)

  1. 遊ぶ人数から1つだけ減らした数の椅子を円形に並べます。例:5人で遊ぶ際は椅子を4脚用意する
  2. 先生が音楽をかけ、子ども全員で椅子の周りを歩きます。
  3. 先生が音楽を止めた瞬間、子どもは一斉に椅子に座ります。
  4. 椅子に座れなかった子どもはゲーム終了、座れた子どもが残ります。
  5. 椅子の数を1つ減らし残った子どもでゲームを再開します。
  6. ②から⑤を繰り返し、最後に残った2人のうち、椅子に座れた子どもが優勝です。

ポイント
椅子に座れなかった子どもが待っている間、退屈してしまわないよう工夫することが大切です。例えば、音楽は子ども達の好きな歌をかけ、ゲームが終了した子どもも待っている間に歌を歌えるようにすると全員が最後まで楽しめるかもしれません。

まねっこゲーム

つま先立ちやバランスを取るポーズができるようになった3歳児が楽しめる遊びです。

遊び方(人数:何人でも可)

  1. 保育士が子どもたちの前に立つ
  2. 「○○組の皆さーん!こんなことできますか?」といってポーズをとる
  3. 子ども達は「できますよー!」といって先生のマネをする
  4. ポイント

最初は簡単なポーズから始め、徐々に難易度を上げていきましょう。柔軟の得意な保育士の方がY字バランスを披露し、子ども達が大盛り上がりになった例もあるようです。

※Y字バランスのような難しいポーズを行う際はマットの上を使うことを推奨します。

じゃんけん列車

じゃんけんじゃんけん列車は、友達同士でじゃんけんをして負けた人は勝った人の後ろについて肩を持ち、列を作っていく遊びです。

遊び方

  • 音楽を流しながら歩き回り、音が止まったタイミングで友達とじゃんけんをする
  • 負けた人は勝った人の後ろについて肩を持つ
  • ①~②を繰り返し、列を伸ばしていく
  • 最終的に先頭になった人が優勝

ポイント

じゃんけん列車は集団遊びなので、全員が楽しめるように工夫することが大事です。歌を歌いながら歩き回ったり、オリジナルのルールを付け加えてアレンジしたりするのもおすすめ。

【参考動画】https://youtu.be/MLo8m3B9qSM?si=6Oa8PC1S_ZZiwyLf&t=342

ぞうきんがけリレー

雑巾がけ掃除を遊びに取り入れることで、子どもたちにぞうきんがけが楽しいと感じてもらうことができます。

遊び方

  1. あらかじめスタートとゴールの位置を決めます
  2. スタートの位置にぞうきんを置いて構えます
  3. 保育士さんの「よーいドン!」の合図でぞうきんがけをします
  4. 1番にゴールした子の勝ちです

ポイント

ぞうきんがけのやり方やぞうきんの絞り方も一緒に教えられると良いです。ぞうきんがけをする際は横の人との距離が近くなるため、けがには注意しましょう。

しっぽ取りゲーム

しっぽ取りは鬼ごっこにアレンジを加えたもので、集団で体を使って遊ぶことができます。

遊び方

  1. 全員のズボンやスカートなど腰にしっぽを付ける
  2. 保育士さんの合図で鬼ごっこがスタートし、自分のしっぽを取られないよう守りながら相手のしっぽを取りに行きます
  3. しっぽを取られた人は枠の外に出ます
  4. 時間内でしっぽを取られず、しっぽを多く取った人が勝ちです

ポイント

遊ぶときは自由に走り回れる範囲をあらかじめ決めておきましょう。しっぽを取られても、復活できるチャンスがあるとよりゲーム性が高まります。

【参考動画】https://youtu.be/SPd_9ArGkNQ?si=8aBoq6Dy9BQ-oZ3H

まとめ

保育園の3歳児クラスで使える室内遊びのアイデアをご紹介しました。3歳児の遊びには、友達と一緒に遊ぶ楽しさや、ルールを覚えるというねらいがあります。椅子やフラフープ等の準備が必要なものから、道具なしで楽しめるものまで様々なアイデアをお伝えしましたので、皆さまの参考になりますと幸いです。

遊びに対する考え方は、保育園によって様々です。自由な遊びを通じ、のびのびとした保育を行っていきたい方は保育観の合った園選びが大切です。今の保育園の保育観が合わない・・・とお悩みの方は、他の職場を検討することもおすすめです。

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参照(キラライク以外のサイトに移動します):
※1 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/73-22-01.pdf

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タグ : 保育ノウハウ 室内遊び
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