介護福祉士から保育士になるには?資格の取りやすさや仕事内容の違い、メリットについて
公開日: 更新日: 保育 , 保育の仕事 , 保育士になるには
介護福祉士の方のキャリアパスの一部に、保育士への転職という選択肢もあるのをご存知でしたか?介護福祉士の資格保有者は保育士の資格が取りやすいという背景もあり、保育士への転職に対する注目度も高くなっています。こちらのページでは、介護福祉士と保育士の違いや、資格取得について詳しくご紹介します。
保育士への転職に興味をお持ちの方は是非参考にしてみてくださいね。
目次
介護福祉士と保育士の違い
介護福祉士と保育士の違いを、仕事内容、資格取得方法、勤務する施設、待遇でご紹介します。
仕事内容の違い
介護福祉士は主に高齢者を対象に、食事介助や排せつ介助、入浴など日常生活のサポートを行います。利用者が入居または通所するサービスや、介護福祉士が利用者宅に訪問するサービスもあります。
その他、利用者家族の相談に乗り、アドバイスすることも業務の一部です。
一方で保育士は、子どもや子育て中の保護者と関わることが主な業務です。保育園に登園する子どもの遊び、着替えや食事のサポートのほか、行事日程の作成、壁の制作物作成も行います。
上記のように、介護福祉士と保育士は「人の日常を支援する」ことにおいては共通点がありますが、サービスを提供する対象は全く異なることが分かります。
資格取得における条件の違い
介護福祉士の資格取得方法
介護士として介護現場で合計3年以上の実務経験を積み、実務者研修を終了した方、または養成校や専門学校を卒業した方が介護福祉士国家試験の受験資格が得られます。国家試験に合格することで介護福祉士資格を取得できます。
保育士の資格取得方法
養成校や専門学校の2~4年の課程を修了すると、卒業と同時に保育士資格を取得することができます。保育士に関わりのない大学、短大であっても、必要条件を満たしていれば保育士試験を受験・合格することで保育士資格を取得できます。詳しい受験資格については、全国保育士養成協議会のサイトをご確認ください(※1)。
必要なカリキュラムを修了するだけで資格が得られる保育士とは異なり、介護福祉士はどのルートであっても国家試験を受験する必要があります。
勤務する施設の違い
介護福祉士の勤務先
特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、デイサービス、訪問介護事業所、グループホームなどの介護に関連する施設が主な勤務先です。
経験によっては公務員として、行政の介護関連窓口への就職も可能なようです。
保育士の勤務先
保育園、保育所や、児童養護施設などの児童福祉施設が主な勤務先です。そのほか、学童保育、放課後等デイサービスなど、子どもに関わる施設全般で保育士が活躍しています。
待遇の違い
厚生労働省発表の資料によると、保育士の平均年収は賞与等を含め342.3万円とされています(※2)。一方で介護福祉士の勤務先である介護福祉施設の職員全体の年収は330.1万円となります(※3)。介護職員の場合、資格手当や役職で年収が変化するため、介護福祉士は平均年収より高くなることを加味すると、介護福祉士と保育士の収入に大きな差はないようです。
介護福祉士は保育士資格を取得しやすい
介護福祉士資格を持っていると、保育士試験の全9科目の筆記において「社会福祉」「こども家庭福祉(旧児童家庭福祉)」「社会的養護」の3科目の受験が免除されます。この3つの科目は福祉関連で介護分野と保育分野で重複する基礎内容とされており、介護福祉士はすでに身に着いている知識という扱いになっているようです。
また、保育士が介護福祉士資格を取得する場合も、保育士養成校卒業生であれば、介護福祉士養成校での1年の課程を修了することで国家試験受験資格を得ることが可能です。
介護福祉士と保育士資格取得の共通基礎課程について
「共通基礎課程」とは、厚生労働省が2017年頃から検討している資格取得の新しい制度です。この制度の導入により、医療福祉系の資格で現在別々に組まれているカリキュラムの一部を共通知識とし、該当する科目の受講が免除されます。受講者にとっては、資格取得にかかる時間を短縮させることができるため、メリットといえます。
具体的には、現在介護福祉士が保育士資格を取得する場合、①保育士試験を受け合格する②2年間のカリキュラムを受講する、の2パターンです。基礎共通課程が実現すると、②にかかる期間を1年程度に短縮することが可能になります。
導入時期は2021年度から順次実施とのことで、各業界の人材不足解決に繋がるといわれています。
共通基礎課程は構想段階で、まだ実現していませんが、現在でも介護福祉士は保育士試験の筆記を一部免除されるなど比較的資格が取りやすい環境にあります。試験の免除内容については、本コラム内でご紹介します。
介護福祉士と保育士資格両方を取得するメリット
介護福祉士と保育士の両方の資格取得には、下記のようなメリットが考えられます。
働き方の選択肢が広がる
介護福祉士と保育士はどちらも福祉分野の職業ですが、勤務する施設や業務内容は大きく異なります。どちらも少子高齢社会の影響で人材が不足しており、施設からの需要は今後も高いと予想されます。両方の資格を持っていれば、「介護で夜勤のみ」の働き方も「保育で日勤のみ・土日休み」の働き方も希望に応じて実現することができ、選択の幅は広がります。
勤務先の幅が広がる
介護福祉士の資格を持っていると、障がい児施設や介護施設内の保育所など、一般的な保育施設以外の勤務先でも活躍するチャンスがあります。介護施設と保育所が同じ敷地にある場合や、併設されていることも多く、このような施設からは介護福祉士と保育士両方の資格を持っている方は重宝されるとのことです。
注意点:介護福祉士と保育士の仕事内容は同じではない
同じ福祉分野の職業で、資格の免除制度があるとはいえ、仕事内容が似通っているわけではないため注意が必要です。高齢者と子どもではコミュニケーションの取り方や、業務上注意しなければならない点はそれぞれ違います。介護福祉士の経験があるからといって、資格取得さえすればすぐに即戦力とはいえません。仕事内容や勤務先の違いをしっかり把握した上で、活躍したい場所を検討することをおすすめします。
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働き方の希望や、今後どのように活躍したいかをお伺いし、介護・保育両方の目線からご提案させて頂きます。
まとめ
介護福祉士と保育士の違いをご紹介しました。介護福祉士資格を持っていると、保育士試験の一部が免除されるなど、資格取得がしやすい環境が用意されています。福祉分野で活躍したいけど、介護業界以外も検討したいという方は是非、保育士の道も考えてみてはいかがでしょうか。
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※1 全国保育士養成協議会
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