潜在保育士はブランクありでも復帰できる?再就職のポイントや補助金について

公開日: 更新日: 保育士転職マニュアル

補助金も出る?!潜在保育士はブランクありでも復帰できる?「潜在保育士」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。言葉を知っていても、どのような保育士を「潜在保育士」と呼ぶのか具体的な内容は知らないという方もいるかもしれません。

今回は、潜在保育士をメインテーマに、一度離職してブランクがある保育士の職場復帰についてご紹介します。そろそろ仕事をしたいと考えている保育士さんに、ぜひ読んでいただきたい情報を集めてみましたのでご参考になさってください。

目次

「潜在保育士」を知っていますか?

潜在保育士とはまず、潜在保育士とはどんな保育士なのか、そして今なぜ潜在保育士に関心が向けられているのかをご説明しますね。

「潜在保育士」とは?保育士との違いはなに?

潜在保育士とは、保育士でありながら保育業界では働いていない人のことを指します。具体的には、保育士資格取得後に一度も保育園や幼稚園に努めたことがない方や保育園退職後に、子育てや家事に専念している方のことです。

潜在保育士はなぜ注目されているのか

待機児童対策によって保育園はさらに増えていますが、そこで働く保育士が足りないという問題はなかなか解消されません。現役の保育士だけではカバーできない「保育人材不足」を補える存在として注目されているのが「潜在保育士」です。資格も経験もある潜在保育士は、園の即戦力として大いに期待されています。

潜在保育士の再就職事情とは?

職場復帰を悩む保育士ここまで読んで自分が潜在保育士に当てはまると感じた方の中には再就職を目指す方も多いのではないでしょうか。ただ、ご自身の都合で復職が難しい方や、「ブランクがあるから採用されにくいのでは」と悩まれている方も多いのではないでしょうか。

厚生労働省が行った「全国潜在保育士アンケート調査」によると、潜在保育士が職場復帰をしない理由は大きく分けると5つあります。

1.家庭との両立が難しい

保育園は休暇が取りづらい職場環境なので、出産を機に離職する保育士は少なくありません。仕事量が多く多忙なので、子育て中の保育士にとって「復帰のハードル」はとても高く、家庭との両立は難しいと諦める人が多いですね。

2.40代以上の方は体力に自信がない

潜在保育士を年代別に見ると「40代・50代」が最も多く、全体の50%以上を占めています。子育てが一段落して保育の仕事を再開したいと思っても、園児たちのパワーや激務についていけるか自信が持てないので、現場復帰は難しいと考えるのです。

3.勤務時間など自分の条件に合う求人がない

再就職のために就職活動をしても、今の自分に合った求人が見つからず、復帰を断念する保育士もいます。家庭に支障のないように、自分の好きな時間帯だけ働きたいと考える保育士は多く、条件にマッチする求人を探しているうちに、就労意欲が下がってしまうこともあります。

4.給料が安い

園の給料に不満があった人の割合は多く、離職理由の第1位に挙げている保育士も多くいます。保育士の給料は他の国家資格に比べても低く、さらに「仕事の大変さに見合わない」「なかなか昇給しない」ということが、復帰に希望が持てない理由です。

5.人間関係に不安がある

職場の人間関係が原因で離職した保育士は、復帰を考える時に「また同じような悩みを抱えてしまうのでは…」という不安が大きくなり、新しい職場への恐怖感が出てきます。特に、初めての勤め先で人間関係に苦しんだ保育士は、「保育園=人間関係が怖い」と思いこむ傾向があり、二度と保育士はしないと考えてしまうこともあるのです。

このように再就職に対しては不安を抱えている潜在保育士は多いのが現実です。

潜在保育士が再就職するための準備

復帰前に家族と相談をする保育士上記でご紹介したような不安を抱えながらも、再就職を目指す潜在保育士の方が安心して職場復帰するにはどうしたら良いのでしょうか。

職場復帰への気持ちが固まったら、再就職に向けて早めの準備をしましょう。就職先が決まってからではなくその前に行うことがポイントです。

【潜在保育士が復帰前に準備すること】

  • 再就職について家族と話し合う
  • 子どもの預け先を確保する
  • 新生活にあたって家事を工夫する
  • 復帰するために必要な研修やセミナーを受講する
  • 必要であれば職場見学や実習にも参加する
  • 保育所保育指針を読んでおく
  • 保育や子育て支援に関する新しい制度について勉強しておく
  • 体力作りをする
  • 生活リズムを整える

そして、潜在保育士が職場復帰をする際、重要点となるのが「働き方」です。下記のポイントを整理して、自分がどのように働くのかを考えましょう。

  • 正規雇用か、非正規雇用か
  • 週に何日出勤するか
  • フルタイムか、パートタイムか
  • どの時間帯に勤務するか
  • 残業や持ち帰り仕事はできるか
  • 土曜日に働けるか、休むか

大切なのは「無理をしないこと」です。仕事に復帰する時は少し余裕がある方が、自分や家族のためにも良い選択です。

「働き方」がはっきりしていれば、センターや転職サービスで支援を受ける時に、求人を探しやすくなります。家族と相談して、今の自分に合った働き方を決めましょう。

ブランクが気になる潜在保育士が再就職するためには?

再就職を目指す保育士

実は「ブランクOK」の保育士求人はたくさんあります。

次のような「ブランクがあっても再就職を成功させるコツ」を意識することで、きっとうまくいきます。また、再就職支援制度も活用することをおすすめします。

【再就職のコツ①】ブランク中に経験したことをアピールする

保育の仕事をしていなかった間に「子育て」や「他の仕事」を経験して、自分のプラスになったことを面接の場などで伝えましょう。さまざまな経験をしたことで、離職前よりも成長した自分をアピールしたいですね。具体的なアピール内容は次の項目で解説致します。

【再就職のコツ②】仕事への熱意を見せる

保育の現場から離れたことで、保育士という仕事の素晴らしさを改めて実感することがありますね。そんな自分の気持ちを積極的に伝えるようにしましょう。情熱や意欲をアピールできれば好印象につながります。

【再就職のコツ③】転職サービスのサポートを受ける

たくさんある求人の中から、自分の条件に合ったものを探し出すのは大変な作業です。転職サービスを利用すれば、専任のコンサルタントが希望通りの求人を探してくれます。園の詳しい情報も教えてくれるので、より自分にマッチした職場が見つかります。

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ブランクがある保育士の履歴書・面接での自己PR方法

笑顔で働く保育士

ブランクのある保育士を歓迎している求人に応募する場合も、強みをしっかり伝えてより内定に近づく対策をしておきたいですね。ここではブランクがある方向けに履歴書や面接で使える自己PRや志望動機作成のポイントをご紹介します。

自己PRの作成ポイント

ご自身の持つ強みを伝える項目が自己PRです。保育士として働いていた際の経験だけでなく、保育から離れていた間の経験で志望する職場に貢献できるポイントがあればアピールになります。例えば乳児クラスから年長さんまで幅広いクラスを担当する可能性のある園を志望している方で子育ての経験があれば、「これまでの保育士の経験だけでなく、自身の育児経験を活かしどの年齢のお子さんでも担当できる」ことを自己PRに活用することができます。保育士以外の仕事をしていた方も、ブランク中に培ったコミュニケ―ション能力や調整力は保育の現場にも生かすことができる大切な経験であり、保育士として復帰する際の十分な強みになります。

志望動機の作成ポイント

履歴書内や面接の際に伝える志望動機は、保育の仕事から離れていた間にどのような経験をしていたのかを踏まえ、応募先の志望動機に繋げていくと復職の意欲が伝わりやすくなります。例えば、育児を理由に退職した方は、「保育者としてだけでなく、同じ保護者という立場で、親御さんに寄り添っていきたい」「子育て中に自身の子どもも保育園でお世話になり、育児が落ち着いたので自分も資格を生かしてもう一度貢献したいと感じた」といった、子育て経験者ならではのエピソードを盛り込むことをおすすめします。

なお、志望動機欄に「子育て中のため時短勤務が可能な貴園に魅力を感じました」といった条件面に惹かれた旨を記載する方もいますが、職場自体ではなく条件のみを見て応募したと受け取られる恐れがあるため避けた方が良いようです。

潜在保育士向けの再就職支援制度も活用しましょう

潜在保育士向けの再就職支援制度潜在保育士向けの再就職支援制度

厚生労働省は、2013年より「待機児童解消加速化プラン」において、保育士確保施策のひとつとして潜在保育士の再就職支援をスタートしました。就労支援機関が設置され、セミナーや実技研修などが実施されるようになったのです。

さらに2015年には「保育士確保プラン」が策定され、潜在保育士対策が強化されました。

厚生労働省が推進する「潜在保育士を確保するための施策」の実施主体は、都道府県または指定都市です。ここでは実際に行われている支援内容をご紹介しますね。

【再就職支援①】保育士・保育所支援センターの設置

保育士・保育所支援センターは全国に設置され、潜在保育士が再就職するための支援を行っています。

【センターの主な業務】

・就職相談

・求人情報の紹介

・保育士と保育園のマッチング

・保育の仕事出張相談会

・再就職に必要な講習・セミナー・イベントの実施

・職場見学、職場体験のコーディネート

保育士・保育所支援センターは、都道府県によって「名称・運営団体・支援内容」が違うので、利用する時は事前に確認をしましょう。

【再就職支援②】就職準備金貸付事業

就職準備金貸付とは、潜在保育士が再就職するにあたり掛かった費用の一部について貸付を受けられる制度のことです。

就職準備金として認められるのは、保育園で身に着けるエプロンや通勤用の自転車などの購入費用などで、申請すると最大40万円までの就職準備金が補助されます。返還については、2年以上保育園に勤務することで免除されます。

【再就職支援③】未就学児を持つ保育士の職場復帰支援

子育て中の保育士にも、再就職支援として貸付事業が実施されています。未就学児を預けた時の保育料の半額(最大27,000円)が補助されます。貸付期間は1年間で、就職準備金貸付と同じく、返還は2年以上の保育園勤務により免除されます。

ブランクありの潜在保育士に関するまとめ

今回は、保育士資格を持ちながら現在保育士として働いていない潜在保育士について、ブランクを経て復帰する際のポイントや補助金などの支援制度についてご紹介しました。

潜在保育士が復帰をためらう理由は、給与の低さや家庭との両立に関する不安などが挙げられます。しかし、近年は給与改善や子育て世代を支援する制度が増えており、離職時よりも復帰しやすい環境になっていることが期待できます。転職サービスのコンサルタントへの相談などを通して再就職のネックになっていることが解消されれば、職場復帰に弾みがつきますね。

保育士の仕事を一度でも経験した人なら、子どもに関わる楽しさや喜びを覚えているのではないでしょうか。保育専門の転職支援サービス「キララサポート」と一緒に、復帰できる職場を探してみませんか?

潜在保育士の復帰に関してよくある質問

Q. 保育士資格を持っているけど実務経験がありません。保育士に再就職できますか?

現場での実務経験がなくても、ご自身の子育て経験や今までのビジネススキルがプラスに活かされることが多いです。資格を活かして働きたいという意欲があれば、現場からも歓迎されます。
キララサポートではご希望に合わせたブランクOKの保育士求人をご紹介できます!ぜひ無料でコンサルタントに相談してみてくださいね。

Q. 潜在保育士は何歳までに復帰するのがいいというのはありますか?

年齢制限は特にありませんが、年齢があがるにつれて体力は落ちていき、求人も少なくなっていきます。応募をする際は求人情報をよく確認しましょう。

Q. 時短勤務を希望する場合は履歴書に書かなくて大丈夫ですか?

事情があって勤務時間の希望がある場合は、履歴書の本人希望欄にその旨と希望勤務時間を記入します。

Q. 再就職に向けたおすすめの研修・セミナーはありますか?

自治体ごとに設置されている保育士・保育所支援センターでは、潜在保育士が再就職するための就職相談や必要な講習・セミナー等の実施をしているので、潜在保育士に役立つ様々な情報を受け取ることができます。

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タグ : 潜在保育士 面接対策
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キララサポート編集部

キララサポート編集部

保育士・看護師専門の転職支援サービス「キララサポート」がお役立ち情報を発信中!運営会社である株式会社モード・プランニング・ジャパンは全国で保育施設「雲母保育園」を展開しており、医療と保育現場、そして転職活動のプロフェッショナルとして情報を提供しています。