公務員保育士になるには何をすべき?私立の保育士との違いや特徴、年齢制限などを解説!
公開日: 保育 , 保育士の働き方・環境公務員保育士は給料が高い、待遇が良いというイメージがあり、気になっている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。本コラムでは「公務員保育士になるには何をすべきか」のほか、メリットや注意点など詳しくご紹介します。保育士のお仕事探しを考えている方は是非参考にしてみてくださいね。
目次
公務員保育士とは?
都道府県または自治体が運営する公立の保育園で働く保育士のことを公務員保育士と言います。公立保育士と呼ばれることもあり、「自治体に採用された公務員である」という点が大きな特徴です。
公務員保育士と私立の保育士の違い
公務員保育士と一般的な私立の保育園で働く保育士にはどのような違いがあるのでしょうか。
勤務先
公務員保育士の場合
自治体が運営する公立の保育園や児童福祉施設など児童福祉に関わる施設にて勤務
私立の保育士の場合
社会福祉法人やNPO法人、企業などが運営する私立保育園にて勤務
保育方針
公務員保育士の場合
自治体で方針が定められているため、どの保育園もほぼ同じ方針のもと保育を実施
私立の保育士の場合
それぞれの園を運営する社会福祉法人や企業によって保育方針が異なる
異動
公務員保育士の場合
・2~5年毎に異動がある
・保育園だけでなく自治体が運営する児童福祉施設へ転勤するケースもある
私立の保育士の場合
基本的に異動は少ないが、複数園運営する保育園で勤務する場合は他の園に転勤になる場合もある
福利厚生
公務員保育士の場合
国の決めた基準に沿った福利厚生・待遇を受ける
私立の保育士の場合
勤務する保育園が定めた福利厚生を受ける
公務員保育士になるには?
公務員保育士になるには何をすべきなのでしょうか。
保育士資格を取得する
公務員保育士になるにあたり、まずは「保育士資格を持っている」または「次年度の4月までに保育士資格を取得見込みである」ことが必須条件となります。保育士資格を持っていない方、取得見込みではない方は保育士資格取得を目指しましょう。
公務員試験に合格する
保育士資格をお持ちの方であれば、自治体が実施する公務員保育士の試験を受験することができます。試験の詳細や実施時期は自治体によって様々ですが、毎年夏頃に試験情報が開示されているようです。また、公務員保育士試験は欠員が見込まれる際に実施されるため、自治体が「欠員なし」と判断した年は試験自体が行われない場合もあります。
公務員保育士の試験内容
公務員保育士試験の内容は自治体によって異なりますが、多くの場合が下記のような方法で試験を行っています。
1次試験 筆記
教養試験(高校卒業程度の一般知識)と専門試験(保育士専門分野)を出題するケースが多いようです。
2次試験 実技試験
音楽(ピアノ)・言語(読み聞かせ)・造形(絵や工作)などの実技試験と体力試験を行うことが多いようです。
面接
面接回数は1~2回の自治体がほとんどのようです。
公務員保育士試験は年度や自治体で異なりますので、受験前に情報を確認しておくことをおすすめします。
採用候補者名簿に登録される
公務員保育士試験に合格してすぐに公務員保育士になれるわけではないため注意が必要です。合格後はまず採用候補者名簿に登録され、その後配属決定の連絡を受けてから勤務が開始します。採用候補者名簿の有効期間は1年間のため、万が一公務員保育士採用試験に合格してから1年で配属先が決まらなければ試験を受けなおすこととなります。
公務員保育士には年齢制限がある?
公務員保育士の受験資格は各自治体によって異なります。保育士資格の取得以外にも「30歳まで」や「対象地域に居住していること」などの条件を設けているところが多いのが現状です。受験しようとしている自治体に年齢制限が設けられていないか、事前にチェックしておくことをおすすめします。
まずは派遣保育士で働いてみるのもおすすめ
常勤の公立保育士を目指す場合、上記のような手順が必要になりますが、派遣保育士であれば試験を受けることなく公立保育園で勤務することが可能です。
一度派遣保育士として公立保育園で働き、職場の様子を知った上で常勤勤務を目指してもよいかもしれません。公立保育園の派遣求人はいつでも公開されているわけではないため、見つけ次第検討することをおすすめします。
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公務員保育士になるメリット
公務員保育士になるメリットをご紹介します。
安定して働くことができる
公務員保育士は地方公務員と同じ立場になるため、給与は国や都道府県の規定に沿って定められます。賞与や退職金も支給されるため、運営母体の収益に合わせて給与が決まる私立の保育士よりも安定した水準で勤務することが可能です。
休暇制度や福利厚生が整っている
給与だけでなく、公務員保育士は休暇制度や福利厚生が充実しています。産休・育休制度も整備されており、女性が多い保育業界では嬉しいポイントといえます。ライフイベントがあっても長期的に仕事を続けられるため、腰を据えて働きたい方におすすめです。
離職率が低いため、ベテラン保育士と働くことができる
2013年発表の資料によると、公務員保育士(常勤)の離職率は7.1%、私立の保育士は12.0%でした(※1)。公務員保育士の離職率の低さは私立の保育士に比べ働きやすい労働環境であることが要因とされています。このため、公立保育園には20年、30年と保育士を続けているベテラン職員が私立保育園よりも多く、新人保育士の学びになる環境になっているようです。
公務員保育士になる際の注意点
メリットが沢山ある公務員保育士ですが、注意しておきたいポイントもあります。
異動がある
公務員保育士は数年に1度異動が発生するため、担任をしていた子どもを卒園まで見届けることができない場合もあります。子どもの成長を見守ることをやりがいに感じている方にとってはつらいポイントといえるでしょう。また、公務員保育士の勤務先は保育園だけでなく児童福祉施設なども対象ですので、保育園で働きたい方は注意が必要です。
保育観が保守的
公立保育園は保育方針が均一化されており、園独自の保育は行わない傾向にあります。リトミックや英語教育など様々な取り組みに興味がある方や、一人ひとりの子どもに合わせ柔軟に対応したい方には物足りない環境に感じる場合があります。
勤務先の保育園が民営化する場合がある
近年、公立保育園の民営化が進められています。勤務する公立保育園が民営化した場合、保育士以外の仕事へ異動となる場合もあり、保育士を続けていきたい方にはリスクになってしまうかもしれません。
すぐに転職するなら私立の保育士という選択肢も
公務員保育士は試験に合格してから就職まで期間が空いてしまうリスクがあります。私立の保育士であれば即日から働ける求人もあるため、すぐに転職したい方には私立の保育士の方が良いかもしれません。また、長くキャリアを積むなら公務員保育士はメリットが沢山ありますが、自分の理想とする保育観がある方は私立の保育士もおすすめです。英語や運動など、独自の保育方針を持っている私立保育園が多くスキルアップに繋がるでしょう。
まとめ
公務員保育士について詳しくご紹介しました。公務員保育士は安定して働くことができる、給与水準が高いといったメリットがある反面、保育観や異動等の注意点もあります。近年は私立保育園でも保育士の給与アップに力を入れているところや休暇制度を整備している職場が増えているため、公務員保育士を目指しつつ私立保育園の求人にも目を向けてみると良いかもしれません。
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参考(キララサポート以外のサイトへ移動します):
厚生労働省
https://www.hoyokyo.or.jp/nursing_hyk/reference/27-2s5-5.pdf
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