保育士さん必見!乳児院の役割や保育園との違い、仕事内容とは?

公開日: 更新日: 保育の仕事

乳児院は、さまざまな事情によって家族と生活することが困難とされる子どもにとって安全を確保できる居場所といえます。乳児院で働く保育士の役割は、家庭で育てられない子どもたちを、安心して生活できる環境で見守り養育することです。

この記事では、乳児院とはどのような施設か、保育園との違いや仕事内容、乳児院の保育士として働くやりがいについてご紹介します。

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乳児院とは

乳児院は、家庭環境に事情があって家族といられない・養護を必要とする児童を保護することを目的とした児童福祉施設です。親の疾患、虐待、ネグレクトなど、さまざまな理由で保護者との生活が困難な乳児を養育し、さらに退院した者について相談やその他の援助を行っています。乳児院は現在、全国に145か所あり、2,351人の乳幼児が利用している状況です。

出典:令和5年4月5日 こども家庭庁支援局家庭福祉課「社会的養育の推進にむけて」

出典:全国乳児福祉協議会|乳児院とは

対象年齢

乳児の手 乳児院では主に0~2歳の乳児を対象としており、現在乳児院に入所している児童の平均年齢は1.6歳となっています。ただし、必要があると判断された場合は2歳以上の養育を行うこともあります。

出典:こども家庭庁支援局家庭福祉課「児童養護施設入所児童等調査の概要」

入所期間

入所期間は一年未満のケースが多いですが、場合によっては一年以上の長期となることもあります。一般的に乳児院から退所する際の行き先は、家庭や里親委託・養子縁組、あるいは児童養護施設へ措置変更となる子どももいます。

乳児院と保育園の違い

乳児院 乳児院と保育園はどちらも児童福祉施設ですが、目的や対象年齢、入所期間など異なる点があります。乳児院は、保護者と生活できない児童を24時間365日保護・養育する施設です。一方で保育園は、保護者が共働きしているなどの理由で子どもを保育できない場合に一時的に預かる施設のため、保護者が自宅にいるときは保育を行いません。また、乳児院では主に0~2歳の乳児を対象としているのに対して、保育園は0歳~小学校就学前の乳児・幼児を対象としています。

乳児院の役割

乳児院の役割は、さまざまな事情を抱えた子どもが安全に、安心して生活できる環境の構築と、保護者や里親・養子縁組への支援です。

専門的な支援と養育

家族を表す手 子どもを養育するという意味では保育園と同様ですが、乳児院では24時間365日体制で子どもを見守ります。そのため、通常の保育園で行われるゲームやレクリエーションの他、食事や入浴、オムツ替えといった家庭的な養育も行います。中には、虐待された子どもや障がい・疾患を抱えている子どももいるため、さまざまな専門的機関と連携しながら乳児院での生活を通して心身のケアにあたります。

保護者や里親・養子縁組の支援

乳児院では子どもが親元で一緒に暮らすことを目指し、家庭復帰に向けた支援を行います。子どもの養育だけでなく、子どもと離れて暮らす保護者や里親・養子縁組の制度を利用する方へのサポートも役割の一つです。育児に不安を抱える方は多いため、面会の機会を設けて親子関係の再構築を支援するとともに、家族が巡り合えた際には双方のアフターケアを行います。

地域の子育て支援

乳児院は、子育てにおける地域の方々への支援に取り組んでいます。そのため、各市区町村と連携したショートステイやトワイライトステイ、地域育て支援センターなど、さまざまな事業を展開して地域の子育て支援に注力しています。

乳児院で働く保育士の仕事内容

乳児院では、さまざまな専門職種の方と連携しながら、子どもが安全に生活できるよう養育を行います。その中で保育士として、以下のような業務にあたります。

  • ミルクや離乳食の食事介助
  • 沐浴や入浴介助
  • オムツ替え
  • 着替え
  • 遊びやレクリエーションのサポート
  • 寝かしつけ、夜泣き対応

など

乳児院では24時間体制で子どもを見守るため、通常の保育園ではない業務も含まれます。保育士は「預かる」ではなく、「養育する」という立場での責任を持ち、子どもが安心して生活できる環境づくりが大切です。

乳児院に必要な資格やスキル

資格やスキル 乳児院で保育士として働くには「保育士資格」が必要です。乳児保育に関する専門知識があると役立つでしょう。通常の保育園で乳児クラスを担当した経験がある保育士さんは、培った知識やスキルを活かすことができます。また、乳児院には家庭環境が複雑な子どもや障がい・疾患を抱えている子どもも多いため、役に立つ知識として医療や福祉に関して勉強しておくこともおすすめです。

入所している子の中には、乳児院での生活の不安からなかなか喋ってくれない子どももいます。そのため、幅広い視野を持って子ども一人ひとりに寄り添える方、各専門機関のスタッフや保護者の方としっかりとコミュニケーションをとれる方に向いているでしょう。

乳児院の保育士として働くやりがい

乳児院の保育士は、子どもの安全な生活を見守るという責任のある仕事です。その分、子ども一人ひとりと近い距離で関われる職場であり、子供の成長を見守ることができるという魅力もあります。

また、場合によっては危機的状況にある子どもを保護して安全を守るという、社会的機能を担います。乳児院の保育士として働くことで、さまざまな専門機関と連携しながら子どもの発達段階においても重要な乳児期をサポートすることができます。親子関係を再構築し家庭復帰していく姿を見ると、乳児院の保育士ならではのやりがいを感じられるでしょう。

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まとめ

今回は、乳児院の役割や目的、保育園との違い、仕事内容、乳児院の保育士として働くやりがいについてご紹介しました。親元を離れ、乳児院での生活に不安やストレスを抱える子どもも少なくありません。保育士は一人ひとりの持つ背景と向き合い、子どもが安心して過ごせるよう、しっかりと見守り育てる役目があります。ぜひ、保育士資格を活かせる乳児院への転職を視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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キララサポート編集部

キララサポート編集部

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