保育士の人間関係のストレス…改善するにはどうすればいい?
公開日: 更新日: 保育士の働き方・環境ようやく念願の保育士になれたのに、就職先で「人間関係の問題」に直面し、仕事のモチベーションが下がってしまった方もいるのではないでしょうか。
社会人にとって、人間関係の悩みは大きな壁であり、ハードルでもあります。それを乗り越えるためにどうすればいいのか、保育現場でありがちな「人間関係の悩み」についてご紹介します。
目次
保育士のストレスになる人間関係の悩み
どんな職場でも大なり小なり人間関係の悩みやストレスはあるものですが、保育士の職場も例外ではなく、それぞれが次のような問題をかかえています。
苦手な同僚がいる
性格が合わない、保育の考え方(保育観)が合わないなど、相手を苦手だと感じる理由はさまざまでしょう。どんな理由であれ、同僚にイライラして嫌悪感でいっぱいになると、大きなストレスになります。
苦手な同僚から嫌がらせを受け、いじめに発展することもありますね。悩みが深刻化すると相手の顔を見るのも嫌になり、仕事に行くのが苦痛になってしまいます。
【Check】保育士のいじめに関する内容はこちらの記事にもまとめています。
複数担任ならではのストレス
複数担任のクラスや、小規模保育・院内保育のように複数の職員で園児全員の保育をする現場では、人間関係の問題が起きやすく悩んでいる保育士も多いですね。
複数担任の保育士は、業務分担や情報共有がしっかり行われていないと仕事がやりにくくなってしまいます。保育観の違いで衝突したり、相手に人任せな言動が多くて疲れてしまったりといったストレスを感じた経験のある方も多いのではないでしょうか。
特に、リーダー格の保育士に問題があると、職場の雰囲気はとても悪くなり、後輩の保育士は気を遣ってばかりになってしまいます。
職員同士の仲間意識がつらい
「同じ保育園で働く仲間」という意識が強く、保育士同士の交流がとても盛んな職場があります。良いことのように思えますが、新任の保育士が「結束の強い仲間意識」に圧倒され、気後れしてしまうこともあるでしょう。
特に、そのような仲間意識を「煩わしいから苦手」と感じる保育士にとっては、大きなストレスになってしまいます。
園長、主任を信頼できない
園長または主任の利己的な考え方や、無責任な態度に怒りを覚えることもあります。コロコロ変わる方針に振り回されるばかりで、心も体も疲れ果ててしまいますね。
気分や感情にムラがある園長や主任の場合、周囲にあたりちらし一方的に怒ることもあります。このような「信頼できない上司」のもとで働くのは、誰しもつらくなってくるものです。
保護者とうまくつきあえない
保育士の職場での人間関係は、職員相手だけではありません。保護者から無理な要求や批判をされて、対応がうまくできずに苦しんでいる保育士も少なくありません。
一度そんな思いを経験すると、その後も過度の緊張感が続き、保護者と会話をするのがおっくうになってきてしまいます。
人間関係に悩んだときに考えるべきこと
人間関係の問題は、相手が変わることをただ待っていても、簡単には改善しません。
自分自身を見つめ直すとともに相手を冷静に分析し、自分の気持ちを客観的にとらえてみましょう。
相手のどんなところが嫌なのか改めて考える
相手の何が自分を不愉快にさせるのか、何に腹が立つのか、どんなところが自分を苦しめるのか、改めて考えてみると「自分の価値観」がわかってきます。その上で、いつか相手を許容できるようになれそうかどうかを見極めます。
人間関係の問題は、相手によっては改善が難しいこともあります。そんな相手に対して自分は今後どうするか、落ちついて判断することが必要です。
問題の相手とうまくつきあうために
人間関係の問題を少しでも改善したいと願うなら、相手とどう関わっていくか「攻略法」を考えてみましょう。
たとえば、相手はどんな場面で怒るのか、何にイライラするのか、どんなときに機嫌が良くなるのか、こちらで把握していれば、相手との関係に波風を立てずにすみますね。つきあい方の「傾向と対策」があれば、険悪になることも少なくなります。
保育士の職場の人間関係を改善するためにできること
では、保育園などの職場での人間関係を改善するためには、具体的にはどんな行動を起こせば良いのでしょうか。
まずは相談をしてみよう
同僚や複数担任との人間関係は、まずは園長や主任に相談してみましょう。
相談をする際に「○○さんのこんなところに困っている」といった言い方をすると、ただの愚痴ととられてしまい、ご自身の評価が下がってしまう可能性もあります。相手の行動によって業務への支障や園児への影響が出ているためこんな改善策を考えている、もしくは改善策を考えたいけれど良い案が出ない、といった方向性で意見を伺うと良いでしょう。
同僚には言いにくい、園長や主任との人間関係については、園外の友人へ相談してみることをおすすめします。
上司との人間関係の悩みは、どんな職場にもつきものです。仕事内容などが大きく違う友人でも、上司への不信感や怒りには共感し合えるところがあるかもしれません。
年上の社会経験豊富な方に相談して「苦手な上司とうまくつきあうコツ」を教えてもらうのも良さそうですね。
保護者に対しては最善の努力をする
保護者の多くは心の中に「不安」があり、その気持ちから保育士に対して過度の要求や批判をしています。すぐ「問題のある保護者だ」と決めつけないことが、人間関係を悪化させないポイントです。
保育士にとって「保護者の支援」も大切な仕事のひとつ。保護者の不安に気づき、どうすれば安心できるのか考えることが支援です。
過度の要求や批判をされることは本当につらいことですが、それを「自分が成長するきっかけ」にできれば、保護者との関係も良好になります。
最終手段はやっぱり「転職」
複数担任相手や保護者との人間関係なら、子どもたちが進級して受け持ちクラスが変われば悩みからは解放されるかもしれません。ですが、職員全体となじめない場合や園長・主任との関係に悩んでいる場合、異動のない保育園だと人間関係の悩みを時間が解決してくれることはなかなか望めないでしょう。
こういったケースの場合、他の保育園へ転職して一度人間関係をリセットするほうが賢明かもしれません。
保育園によって、人間関係の良しあしや園全体の雰囲気は大きく異なります。また、新規開園する園に入職すれば、自分たちで園の雰囲気を作っていくことができますよ。
まとめ
人間関係のストレスをかかえていると、保育に集中できなくなりますね。せっかく好きな仕事をしているのに、苦しい状態が続けばどんどんつらくなります。
保育士の人間関係を改善するためのヒントをご紹介しましたが、大切なのは「今、自分がどんな状態か」をしっかり見つめ直すことです。仕事に行くことがつらいと感じるようなら、面倒な人間関係から脱出して、違う職場に転職することも選択肢のひとつです。
ストレスに感じている相手のことと、自分の気持ちをじっくり考えてみて、どんな選択肢を選ぶのか決めてみてくださいね。
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