読書の秋♪図書館訪問や読み聞かせなど、読書週間に保育園でしたいこと

公開日: 更新日: 保育の仕事

保育園の読書週間
読書週間を知っていますか。本に親しむための啓発週間だとなんとなくイメージはできるものの、読書週間を保育にとり入れることは少ないかもしれませんね。

今回は、読書週間について詳しく説明し、図書館訪問などの保育園でできるイベントや活動をご紹介します。

読書週間とは?

読書週間とは
読書週間とは「公益社団法人 読書推進運動協議会」が主催する読書のイベントです。読書の大切さをより多くの人に伝えるため、一定の期間を設けて毎年実施されています。

読書週間のはじまり

読書推進運動協議会によると、読書週間の歴史は長く、戦後すぐの1947年より「日本を文化の国にしよう」という目的で始まりました。その後、1959年には「こどもの読書週間」もスタートし、読書週間は多くの国民に受け入れられ、昭和・平成・令和と年号が変わっても継続しています。

読書週間はいつ?

「読書週間」の期間は、文化の日を含む10月27日~11月9日の14日間です。「こども読書週間」の期間は、こどもの日を含む4月23日~5月12日の20日間です。

読書推進運動協議会ではポスターを毎年作成し、読書週間の周知を図っています。ポスターのイラストや標語は一般に募集され、入賞者は表彰されます。

どんな活動が行われているのか

読書推進運動協議会は、全国で活躍している読書サークル・読書ボランティア・読書会などの団体に対し、「全国優良読書グループ」として表彰を行います。また、読書推進運動の実績がある個人や団体には「野間読書推進賞」を贈呈しています。

保育園で読書をすることの意義

保育園で読書をする子ども
幼児期は、さまざまな言葉に触れ、自分の気持ちや考えを言葉にして表現する大切な時期です。日々「言葉のインプット・アウトプット」の繰り返しで、子どもは言語の感覚を磨いていきます。

保育園における「読書」とは、主に絵本や物語を見たり聞いたりすることです。子どもたちは、絵本や物語の中でたくさんの言葉と出会います。新しく覚えた言葉を「自分の言葉」として発するたびに、子どもはひとつずつ成長していきます。

また、保育園で読書をすることのもう1つの意義とは、友だちや保育士との「心の交流」です。絵本や物語から受けた感動やイマジネーションを、友だちや保育士と共有することができます。分かち合う相手がいる喜びは、保育園という環境だから得られるものです。

読書週間に保育園では何をするか

図書館で本を読む子ども
絵本の読み聞かせについては、ほとんどの保育園で日常的に行われているので、読書週間でなければできないイベントや活動を計画したいですね。

ここでは読書週間に保育園でぜひやってみてほしいことをご紹介します。

図書館を訪問する

多くの図書館では、読書週間のイベントを行っています。ぜひ保育園の近隣の図書館への訪問を企画してみてください。

職員による「おはなし会」を実施している図書館も多いので参加してみましょう。保育士や保護者以外の読み聞かせは、子どもたちにとって新鮮なものです。

また、図書館には保育園にない絵本がたくさんあるので、それぞれにお気に入りの絵本を探してもらうのも良いですね。きっと楽しい1日になりますよ。

読み聞かせの専門家を保育園に招く

読み聞かせのボランティア団体などを園に招いて、絵本の読み聞かせイベントを計画しましょう。ゲストが来るだけで子どもたちはワクワクし、読んでもらった絵本の内容が心に残り、次の日もまた読みたくなります。イベントが「絵本への関心が高まるきっかけ」になるかもしれませんね。

絵本の部屋を作る

読書週間の間だけ「絵本の部屋」を特別に作り、子どもたちが自由に絵本を楽しめるようにしてみるのもおすすめです。普段の絵本コーナーをバージョンアップして、テーブルやイスを置いてパーテーションなどで囲むと、秘密基地のような絵本の部屋が出来上がり、子どもたちはとても喜びます。

絵本の貸し出しを保護者にPRする

読書週間には、保育園の絵本を貸し出しできるようにしましょう。すでに貸し出しを行っている園は、もう一度改めて保護者に周知します。

子どもは「保育園にある大好きな絵本」を、自分の家で保護者と一緒に読むことがすごくうれしいのです。読み聞かせのコツなどをプリントで配布するのも良いでしょう。

保護者にも「読書週間」をすすめる

読書をする保護者
秋の読書週間は、子どもに限らず大人も読書を楽しむものです。いつもは子どもが中心になってしまいますが、保護者も読書をしたくなるような企画があると、とても良い息抜きになるので「子育て支援」につながります。

保護者にも本の貸し出しをする

読書週間には、保育園にある大人用の本を借りられるようにしてみてはいかがでしょうか。特別にコーナーを作って、保護者が気軽に借りられるような雰囲気を作ってみましょう。

保育に特化した本から、育児の参考になる本やストレス解消になる本など、さまざまなジャンルの本を準備します。保育士の趣味の本や雑誌などを用意して、保護者と保育士の会話のきっかけ作りをするのも良いですね。

リユース文庫を開設する

家庭で不要になった本を集め、読書週間だけの「リユース文庫」をオープンしましょう。保護者は気に入った本があれば、持ち帰ることができます。絶版になった本や買いそびれた本などを見つけて、それをきっかけに読書好きが再燃したという保護者もいますよ。

園オリジナルの「読書週間新聞」を発行する

読書に特化した「読書週間新聞」を作成しましょう。絵本に関するほっこりエピソードや、保育士の愛読書の紹介、読書週間のイベントの周知など、園だよりや個人のおたよりとは違う雰囲気の新聞を、保護者に楽しんでもらいましょう。

読書週間だから保育士もブラッシュアップしよう

読書をする保育士
保育園でさまざまなイベントを行うほかにも、読書週間をきっかけに、保育士自身も自分の知識をブラッシュアップしてみてはいかがでしょうか。

改めて読み聞かせを学んでみる

読み聞かせの研修会は各地で行われていて、資格の認定をしている団体もあります。研修会には、基本に立ち返りたいと考える保育士がたくさん参加しています。研修が終わったら、きっと明日からの読み聞かせが楽しみになりますよ。

また、読み聞かせのスキルアップのために「絵本専門士」の資格取得を目指してみても良いかもしれません。

保育士さん注目の『絵本専門士』とは?資格取得のメリットや魅力を現役絵本専門士さんへ聞いてみた!

たくさん本を読んでみよう

子どもに関わる仕事だからこそ保育士は本を読んで、自分の感性を磨き、さまざまな世界を知ることが大切です。保育の専門書だけでなく、子どもの気持ちが描かれた小説や子育てエッセイなどもおすすめです。さまざまな本を読むことで「心のゆとり」が生まれ、情緒が豊かになるので、子どもや保護者への接し方も変わってきますよ。

子どもが絵本に集中できる読み聞かせのコツ

読み聞かせのコツ
読書週間は、保育士が「自分の読み聞かせをふり返るチャンス」です。読み聞かせのコツを改めて確認し、今後の参考にしてください。

子どもが絵本を見やすい位置とは?

まず始めに、子どもが座っている位置から絵本が見えるか、1人ずつチェックします。子どもたちが床に座る場合、保育士は子ども用のイスに座りましょう。子どもが少し見上げるような角度が、絵本が見やすいベストな位置です。

絵本の持ち方は見やすいか

保育士の手や指で絵本の画面を隠してしまうことがあるので、持ち方には注意が必要です。ページをめくる時も、手や腕で画面を遮らないようにしましょう。保育士の姿勢が不安定だと絵本の画面がぐらぐら揺れて、子どもの集中力がとぎれるので気をつけましょう。

読むスピードや声の出し方はどうか

普段から早口の傾向がある保育士の場合は、絵本を読むスピードも速くなりがちです。また、絵本を読む声の大きさが適切かどうか、一度見直してみることも大切です。

読書週間の期間中に、保育士同士がお互いの読み聞かせについてアドバイスをしあう機会を作ってみるのもおすすめです。

集中するための導入は「手遊び」が一番

いきなり絵本を読むより、子どもたちの意識を保育士に向けてから始めた方が、集中して最後まで見ることができます。大好きな手遊びを始めると、子どもたちの意識は一瞬で保育士に向きますが、手遊びを盛り上げすぎないようにセーブするのも大事なコツです。

まとめ

図書館訪問や読み聞かせ、貸し出しコーナーの拡充など、読書週間に保育園でしたいことをご紹介しました。

子どもたちにとって絵本とは、新しい言葉や美しい色彩と出会うことのできる大切なツールです。保育園でも読書の秋らしいイベントを行って、子どもたちにより「本好き」になってもらいましょう。

秋の読書週間は子どもだけのものではなく、むしろ大人のための「読書をする良い機会」にもなります。保護者も保育士も好きな本に夢中になり心が豊かになることで、子どもとの関係が良好になります。ぜひ保護者向けのイベントや保育士向けの勉強会なども企画してみてくださいね。

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タグ : 保育ノウハウ
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kiralike編集部

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