保育士さんお役立ち!2024年7月の行事・イベントカレンダー・保育園で使える雑学・由来
公開日: 更新日: 保育お役立ち情報梅雨が明け、いよいよ夏の始まりが感じられる7月。祝日やちょっと変わった記念日など、保育園で使える雑学や由来をご紹介します。いつもの行事をもっと深く知って頂き、保育士にも園児にもためになる機会になりましたら幸いです。
目次
半夏生(はんげしょう) 2024年7月1日
夏至の日(6月20日頃)から数えて11日目とされています。半夏生は雑節という、二十四節気とは別で設けられた季節の移り変わりを表す暦日の一つです。
半夏生のほか、節分、彼岸、土用、入梅なども雑節と呼ばれています。
半夏生の由来
半夏という薬草が生える季節であることや、ハンゲショウ(別名カタシログサ)という植物の葉が白くなって半分化粧をしているように変化する頃になることが名前の由来とされています。
ハンゲショウ
カラスビシャク
この半夏という植物に毒があることから、半夏生の時期は毒が降ってくるといわれるようになったそうです。井戸に蓋をし毒を防ぎ、その日に収穫した収穫した野菜は食べてはいけないと言われていたようです。
他にも、梅雨の大雨によって井戸や畑の水質が変わることや、湿気によって雑菌が繁殖しやすい時期であるため水による体調不良を防ぐためこの風習が広まったともいわれています。
毒に関するいわれもあり、この半夏生の日までに終わらせないとその年は豊作にならない、とされているなど地域によって様々な伝承があります。昔から半夏生が畑仕事や田植えを終える目安となっており、半夏生以降は体をゆっくり休める風習もあったようです。
七夕 7月7日
七夕は別名「笹の節供」「星祭り」といわれています。保育園では「織姫と彦星が会う日」や「願い事を書いて笹に飾る日」という認識だけ持っている園児もいるかもしれませんね。
七夕の発祥は?
日本ではなく、中国から入ってきたお話というのはご存知でしたか?「詩経」という中国で最も古い詩集が始まりだといわれています。伝承によれば、孔子が弟子の教育のために作成したとの説があります。
物語が日本に入ってきたのは奈良時代とのことで、乞巧奠(きっこうでん)という宮中行事がきっかけでした。内容は、七夕の節句(旧暦の7月7日)の夜、星空に向けて女性たちが裁縫や手芸の上達を願う行事だったとのことです。星空に手芸と、織姫を連想させる催しですね。
その後、江戸時代には庶民の間にも広まっていったそうです。
各地で親しまれている短冊は、この乞巧奠からきているといわれています。もともとは糸を使い技術向上を祈願していたものが、庶民へ普及する中で短冊が使われるようになりました。欲しいものを願うためのものではなく、本来は技術や教養の上達を願うものであることも、覚えておきたいですね。保育園の活動でも、この点を踏まえて皆で短冊に願い事を書いてみてはいかがでしょうか。
織姫と彦星のストーリー
七夕といえば、織姫と彦星のお話が有名ですね。園児にお話するためにも、今一度おさらいしておきましょう。
天の川ではたを織る織姫は、はた織りに一生懸命で他のことに興味を持たない女性でした。そんな姿を気の毒に思った神様が、彼女にふさわしいお婿さんを連れてこようと考えました。
神様が連れてきたのは、牛の世話や畑仕事を真面目に行う青年で、二人は仲の良い夫婦になりました。
しかし、二人とも相手のことばかりで、本来の仕事が手につかず、神様の着る服はボロボロに、畑からは作物が取れず牛は病気になってしまいました。
これに怒った神様は、織姫を天の川の西側へ、彦星を東側へと引き離しました。二人は天の川を境に、お互いに会えない悲しみでますます仕事をしなくなりました。
見かねた神様は、仕事を真面目に行うことを条件に年に一度だけ会わせてあげることにしました。
こうして二人は年に一度、七夕の日を楽しみに仕事に取り組むようになりました。
これが七夕の物語です。ちなみに、7月7日に雨が降ると、天の川の水かさが増し、川を渡ることができなくなるといわれています。雨の日にはカササギという鳥が群れになり橋になってくれるそうです。どんな天気になるか、園児と一緒に予想しながら当日を迎えたいですね。
納豆の日 7月10日
7と10で「なっとう」と読める語呂合わせから、7月10日は納豆の日とされています。1981年に関西納豆工業組合が、関西の納豆消費量を上げること目的に制定したことから始まりました。はじめは関西だけの日でしたが、1992年に全国納豆工業協同組合連合会も納豆の日を作ったことで、全国規模の記念日となりました。
納豆の日には給食で納豆を出すほか、納豆はどのようにできているか園児にクイズを出すのも面白いですね。普段食べている大豆がネバネバの納豆になることは、知らない子どももいるかもしれませんね。
海の日7月15日
「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の反映を願う」という目的で制定されました。1876年に明治天皇が東北を巡幸後、青森から横浜に帰港した日である7月20日を「海の記念日」としたことがきっかけです。2003年より、現在のように日付ではなく月曜日が祝日となりました。
国土交通省によると、世界各国の中で、海の日が国民の祝日となっているのは日本だけとのことです。ご存知でしたか?
本来は7月の第三月曜日が海の日ですが、スポーツの日と同様、東京オリンピックの開幕に合わせ2020年、2021年にはスケジュールが変更されました。
土用の丑の日 2024年7月24日
夏になると「土用の日」ののぼりとともにうなぎがスーパーに並ぶため、土用=夏のイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。「土用」とは、立春、立夏、立秋、立冬直前の約18日間を表す言葉で、夏だけではなくそれぞれの季節に土用の期間が訪れます。
そして、昔の暦では日にちを十二支で数えており、12周期丑の日が回ってきます。子・丑・寅・卯・・・と数えていったときに、丑の日と土用の期間が重なった日を「土用の丑の日」といいます。
年によって土用の丑の日が異なる理由が分かりますね。
なぜうなぎを食べる?
土用の丑の日といえばうなぎですが、なぜうなぎを食べるようになったのでしょうか。
土用は季節の変わり目の期間で、気候の変化により体調を崩しやすい時期とも言えます。そんな時期に栄養のあるものを食べるのがよいとされ、夏の土用には滋養のあるうなぎが流行ったといわれています。
その他、江戸時代の発明家・学者として知られる平賀源内という人が、売り上げに悩むうなぎ屋に、「本日土用の丑の日」という看板を立てさせたところ、見慣れない言葉に人々がうなぎ屋に入っていくようになった、という説もあります。
様々ないわれがあり、どれが本当かはっきりしていないようですが、うなぎで元気に、という考えは理にかなっているといえます。
うなぎはタンパク質に加え、ビタミン、ミネラルが豊富な食材です。DHA、EPAも豊富で、現代の食事よりも栄養の少ない食生活を送っていた江戸時代の人々にとって、うなぎはまさに健康食だったのですね。
近年、うなぎの価格が高騰しているため保育園での食事に出すことは難しいかもしれませんが、栄養豊富な食材であること、日本の文化として食べられていることは、子どもたちに伝えていきたいですね。
小暑(しょうしょ)2024年は7月6日/大暑(たいしょ)2024年は7月22日
小暑、大暑は、ともに二十四節気(にじゅうしせっき)の一つです。二十四節気とは、1年間を24等分に分け季節を表した言葉で、その年によって日付が異なります。
小暑
夏至のあとにくる二十四節気です。文字からも想像できるように、気温が高くなっていく始まりの日という意味があります。
大暑
小暑から数えて15日目からが大暑の始まりです。この時期になると梅雨が明け本格的な夏の季節がやってきます。
大暑の日に行われる伝統的なイベントとして、打ち水が有名です。日本各地で恒例のイベントとなっているようです。動物園では、打ち水イベントの代わりにシロクマに氷をプレゼントする催しもニュースで見かけますね。
打ち水とは、道に水を撒いて土埃を防ぐ・涼感を得る等の目的で昔から行われています。現在はアスファルトで舗装された道が多いですが、水を撒くことで地熱を下げることができるため、現代でも夏に打ち水は効果的といえるでしょう。
また、昔から打ち水にはその場を清める、神様の通り道を綺麗にするという意味合いもあったそうです。
保育園でも、大暑の日には打ち水をしてみてはいかがでしょうか。
小暑/大暑の食べ物
小暑、大暑の時期に食べる特別な食事というのはないようですが、この季節におすすめの旬の食べ物をご紹介します!
トウモロコシ
小暑の時期に出荷が増えるトウモロコシは6月~9月頃が収穫のピークです。様々な調理方法があり子どもたちに大人気の食材ですので、給食に出すと喜ばれるのではないでしょうか。
ゴーヤ
7月~夏に収穫されるゴーヤはβカロテンやビタミン、ミネラルが豊富で夏バテ防止に利くといわれています。独特の苦みがある食べ物なので、子どもたちに食べさせる際は小さく切って水にさらしてから調理すると良いでしょう。
鱧(はも)
7月、関西を中心に鱧が旬を迎えます。京都の祇園祭や大阪の天神祭の時期、お店でよく出される定番メニューの一つとなっているようです。
天ぷら
大暑の日にスーパーで天ぷらがたくさん並んでいるのを見たことはありませんか?土用の丑の日と同様、暑くなる時期に天ぷらを食べてスタミナをつけよう!との意味合いで昔から天ぷらが食べられてきたようです。
うなぎ
大暑の日と土用の丑の日が近いこともあり、この時期にスーパーで多く見かけるようになります。夏は「う」のつく食べ物が元気になるとされ、うなぎのほか、梅やきゅうり、うどんが昔から食べられてきたようです。
まとめ
7月のイベントカレンダー、参考にして頂けましたでしょうか。今回ご紹介した豆知識を参考に、レクリエーションの作成や園児との会話を楽しんでみてください。また、梅雨が明け気温が上がる季節ですので、保育士の皆さまも体調に気をつけて過ごしてくださいね。
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