在職証明書は保育士の転職に必須?請求方法や注意点をご紹介
公開日: 更新日: 保育士転職マニュアル保育士が転職する際には、履歴書や職務経歴書、身元保証書などさまざまな書類が必要ですが、その中でも重要なものの1つに在職証明書があります。なぜ保育士の転職には在職証明書が必要とされるのでしょうか。
ここでは在職証明書の請求方法や注意点などについてご紹介します。他の園への転職を考えている保育士の方は参考にしていただければ幸いです。
目次
保育士の在職証明書とは
在職証明書とは、一般的にはある職場に在籍していたこと、もしくは在籍していることを証明する書類のことを指します。勤務証明書や就労証明書などとも呼ばれます。
保育士の場合は、認可保育園に何年勤めていたかを証明する書類のことを指します。認可保育園へ転職する際に、勤めた園の数だけ在職証明書が必要になります
在職証明書は正規雇用で働いた分だけではなく、派遣やパートとして働いた期間も含まれます。
ただし、認可保育園以外での経験は在職証明書には記載不可な上、保育経験として認められないこともあります。
在職証明書が保育士の転職に必要な理由
在職証明書が必要な背景には、2013年から始まった「保育士の処遇改善」があります。
「処遇改善等加算」では、自治体から認可保育園へ支給される補助金の金額が、働いている保育士の平均経験年数によって変わってきます。この制度により、認可保育園は新たに受け入れる保育士の経験年数を把握する必要があるため、在職証明書の提出を求めてくるのです。
保育園から在職証明書をもらう方法
在職証明書は、保育士自身が前の職場に直接依頼してもらうことが一般的です。受け取りのパターンとしては、退職日に受け取る場合と郵送で後日依頼する場合の2パターンがあります。中には、転職先の保育園が代行してくれることもありますが、基本的には自分で依頼するものだと考えておきましょう。
退職日に受け取る方法
退職日に在職証明書を受け取るためには、事前に発行を依頼しておく必要があります。在職証明書の発行には時間を要する場合もあるため、退職が決まった時点で担当者に依頼することをおすすめします。その際、すでに決まっていれば退職日を明言し、退職日に在職証明書をもらいたい旨も伝えておくとスムーズです。
職場にもよりますが退職日に受け取りたい場合は本人が在職証明書を作成するケースもあるため、直前で焦らなくても良いように担当者に確認しておくと良いでしょう。
記入する内容は退職する保育士の氏名・生年月日・住所・雇用期間・雇用形態・役職・勤務地・職務内容・発行日・発行元の保育園名と住所・証明印などが一般的です。
郵送で在職証明書を請求する方法
退職した後に転職先を決めた場合や、複数回転職している場合などは、 郵送で在職証明書の発行を依頼することになります。
書面で在職証明書を発行してもらいたいとの旨を伝えることになりますが、情報に抜けがあればスムーズに発行されない可能性もあります。依頼する書面には以下の事項を漏れなく記載するようにしてください。
1.宛名
まず左上に依頼先の保育園の正式名称を正確に記します。園によっては正式名称が長い場合もありますが、省略するのはマナー違反です。
2.作成した日付
書面を作成した(または送付した)年月日を右上に記します。
3.件名
何を目的とした書面なのかを簡潔に伝えられる件名を書きます。「在職証明書発行のお願い」や「転職に際する在職証明書発行について」など、件名を読んだだけで内容が分かるようにしましょう。
4.挨拶文
拝啓や謹啓などの頭語を置き、時候の挨拶から挨拶文を書き始めます。
5.本文
「さて」「つきましては」などの言葉を入れて話題の切り替えを行い、本文に移ります。
本文には新しい園への転職が決まったので、在職証明書の発行を依頼したいという内容を書きます。その際に、次の事項を漏らさず明記してください。
- 在職証明書の郵送先…自宅の住所、郵便番号など
- 発行部数…転職先に何部必要かを確認しておく
- 返送期限…ある程度の目安として期限を設けたほうがスムーズに進む
期限に関しては、発行までにある程度時間が必要なことを見越して余裕を持った期限にしておきましょう。
また、転職先の園から在職証明書のフォーマットに関して指定がある場合は合わせて伝えておきます。
6.結びの言葉
本文に必要な情報を漏れなく書いたら、「お忙しい中大変恐縮ですが、何卒ご配慮のほどよろしくお願い致します」などの文言と「敬具」のような結語を入れて締めます。
7.差出人(自分)の情報
宛名の左下もしくは結語の下に、自分の氏名、住所、連絡先を明記します。
保育士の在職証明書にまつわる注意点
在職証明書を発行してもらう際には、いくつか気をつけたいことがあります。
パートや派遣の時期も必要
在職証明書の発行対象となるのは「認可保育園で働いていた期間」です。つまり、パートであっても派遣であっても、正規雇用であっても認可保育園で働いていた時期があれば在籍証明書を発行してもらうことができます。正規雇用以外で働いていた認可保育園も含めて、在籍証明書をもらうようにしてください。
返送用封筒の同封を忘れずに!
在職証明書の発行は、先方の担当者にとって意外と手間の掛かるものです。少しでも発行元の負担を減らすためにも返送用の封筒は忘れずに同封しておきましょう。当然切手も自己負担で貼ります。
在職証明書の発行に時間が掛かる場合も
以前属していた園側からすると、在職証明書の発行は法的な義務ではないためどうしても後回しになる傾向があります。他にも仕事が山積みだったり、人手不足だったり、時期によってはイベント事などで手が回らない可能性もあります。
そのため、発行の依頼をしても一向に連絡がない、発行までに時間が掛かるということも考えられるでしょう。そのような場合は直接交渉するのも良いですが、転職サービスのコンサルタントや転職先の園の方などに一度相談し、仲介に入ってもらったほうが円滑に進むかもしれません。
履歴書との食い違いがないか確認する
もし履歴書に書いてある在籍年数や役職、経歴などと、在籍証明書に記載されている内容が異なっている場合、単なる間違いではなく経歴詐称を疑われることもあります。
そうなると採用の可否に影響を及ぼす可能性もあるため、転職先に提出する前に在職証明書と履歴書の内容に食い違いがないかをしっかりと確認しておくことをおすすめします。
過去の在籍証明書はコピーを取っておく
昔働いていた園が閉園した場合は、在籍証明書は二度と入手できなくなります。そのため、一度返送された在籍証明書は念のためコピーを取っておきましょう。
事前に電話連絡しておくとスムーズ
郵送で依頼する場合にも、事前に電話で一報入れておくと印象も良くなりスムーズに事が運びやすくなります。
具体的には、以下のようなポイントを伝えられれば大丈夫です。
- 転職が決まったこと
- 在職証明書が必要なこと
- 返送用封筒を同封した上でこれから書面を郵送すること
- 感謝と気遣い(「お忙しいところ恐れ入りますが何卒よろしくお願い申し上げます」のような文言)
退職理由も記載される可能性がある
以前の園で何かトラブルがあって円満退職ではなかった場合、そのトラブルの内容や退職理由などについて備考欄に記載される恐れもあります。また備考欄がないとしても、別途手紙や電話などで「よく分からない辞め方をした」「トラブルを起こして辞めた」などのように問題を抱えた人材だと転職先に伝えられてしまう可能性もあります。
円満退職ではなかった園へ発行を依頼する場合は、特に注意が必要でしょう。
保育士の在職証明書に関するまとめ
認可保育園は公的な補助金を受けて運営が成り立っていて、補助金の金額は働いている保育士の経験年数などによって変動します。そのため、在籍証明書は認可保育園へ転職する際には必須となります。在職証明書の発行を依頼する際には、ご紹介した内容を漏れなく記載し、返送用封筒も忘れないようにしましょう。
スムーズな転職のためにも、在職証明書の発行依頼は余裕を持って行うことをおすすめします。
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