保育士の転職面接で退職理由はどう伝えれば良い?例文とともに解説
公開日: 更新日: 保育士転職マニュアル保育士の転職活動では、面接時に必ずといって良いほど「退職理由」について質問されます。
特に、人間関係のトラブルなどのネガティブな理由で退職した場合、事実をそのまま伝えてしまうのは望ましくありません。
そこでこの記事では、保育士が転職面接で退職理由を述べる際の具体的な伝え方を、例文を用いてご紹介します。
併せて、転職面接で面接官がチェックするポイントや、転職面接を受けるうえで心がけたいポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
保育士の転職面接で面接官がチェックするポイント
保育士の転職面接で、面接官が特にチェックしているポイントは、次の4点です。
- 応募者の人柄
- 仕事に対する価値観や熱意
- 保育者としての経験やスキル
- 退職理由(転職理由)
それぞれのポイントについて、以下で詳しく解説します。
応募者の人柄
転職面接では、挨拶や受け答えの態度などから、応募者の人柄をチェックします。
「この人なら、子どもたちや保護者と信頼関係を築ける」と感じてもらえるよう、面接中は、基本的なマナーを守ることはもちろん、明るくハキハキと応対することが大切です。
仕事に対する価値観や熱意
応募者の仕事に対する価値観が応募先の保育方針などとマッチしない場合、不採用となる可能性があります。
ホームページや求人情報などを参考に、自分の価値観と応募先の保育方針・保育理念とをすり合わせておきましょう。
また、志望動機や目標などに関する回答内容を通じて仕事に対する熱意も見られているため、しっかりとアピールする必要があります。
保育者としての経験やスキル
転職面接の場合は、即戦力として採用できる人物を求めていることが多く、これまでの経験や具体的なスキルが重視されます。
正社員やパートなどの雇用形態を問わず、前の職場で注力してきたことや、経験やスキルの今後の活かし方などをきちんと伝えましょう。
退職理由(転職理由)
転職面接では、「前の職場を辞めたのはなぜですか?」「退職(転職)理由を教えてください」などと、退職(転職)理由について尋ねられるでしょう。
これらの問いには、転職で何を実現したいのか、マイナスな理由で転職を繰り返していないか、転職後すぐに辞めてしまわないかなどを確認したい意図があります。
保育士の転職でよくある退職理由
厚生労働省発表の「保育士の現状と主な取り組み」によると、保育士の退職理由で最も多かったのは「職場の人間関係(33.5%)」。次に多いのが「給料が低い(29.2%)」、「仕事量が多い(27.7%)」でした。実際にこれらの理由で転職を決意した方も多いかもしれませんが、正直にありのままを伝えるとネガティブな印象を与えてしまう場合があります。では、どのように伝えると良いのでしょうか。
ポジティブに言い換える!保育士の退職理由の例文
退職理由をありのまま伝えてしまうと「転職しても同じ理由で転職してしまうかも」など面接官の心象を悪くしてしまう場合があります。転職面接で退職理由を述べる際には、できるだけポジティブな表現に言い換えることが重要です。
以下では、どうすればポジティブな表現になるか、言い換え例を4つのケースに分けてご紹介します。
ケース1:職場の人間関係が悪かった
職場の人間関係が退職理由の場合、それが事実でも、そのまま伝えるとネガティブな印象を与えてしまいます。
そこで、次のように言い換えてみましょう。
(例) 「前の職場では、立場によって発言のしやすさに差があるなど、職員同士の連携が取りにくい現状がありました。今後は、日頃から意見交換をし、保育業務をより良く改善していける環境に身を置きたいと思ったことが、退職を決断したきっかけです。若手の意見も積極的に採用し、風通しの良い職場環境を重視する貴園なら、理想の働き方ができると考えております。」 |
ケース2:給料が低かった
給料に不満があり退職した場合、「給料などの待遇条件だけで勤務先を選んでいる」と思われないよう、表現を工夫して伝えることがポイントです。
(例) 「前の職場を辞めた理由は、さらなるスキルアップやキャリアアップを目指すため、それらを適切に支援してくれる園で働きたいと思ったからです。貴園では、明確な基準に基づく人事評価制度やキャリアアップ制度などを導入していると、ホームページで拝見しております。 保育の仕事に携われる喜びに加え、自分に対する正当な評価も得られれば、さらに前向きに業務に取り組めると思い、転職を決断いたしました。」 |
ケース3:仕事量が多かった・労働時間が長かった
仕事量が多かった・労働時間が長かったという理由は、主観的な見解としてとらえられ、「本人の業務効率が悪かったのでは?」と思われてしまう可能性があります。
ポジティブに言い換えられるよう、次の例を参考にしてください。
(例) 「以前の保育園は規模が大きく、クラスの一人ひとりと深く関わる時間を十分に割くことができない状況でした。自分の目指す保育業務を考えたときに、貴園のような人員体制が整っている職場で、子どもたちと丁寧に接する時間を大切にしたいと感じたことが、退職のきっかけです。もちろん、前の職場でも多くの貴重な経験をさせていただいたため、貴園ではその経験を活かし、さらなる成長を目指していきたいと思っております。」 |
ケース4:健康上の問題があった
体調不良や病気といった健康上の問題が退職理由の場合、「採用しても、体力的についていけないかもしれない」と不安を与えてしまいます。
そのため、現在は体調に支障がないことをはっきり伝えるようにしましょう。
(例) 「今まで勤務していた保育園では、△△が理由で◯年目に体調を崩してしまいました。しかし、十分な療養を経て医師からも完治の診断をいただき、これからは業務に支障なく働くことが可能です。また、体調を崩した経験から、これまで以上に体調管理を徹底し、保育業務に尽力していきたいと考えております。」 |
保育士の面接で前向きな退職理由を伝えたいときの例文
ライフステージやキャリアを意識したことがきっかけの転職の場合、前向きな転職と捉えられることがほとんどです。下記のように伝えると良いでしょう。
ケース1:ライフステージの変化による転職
出産や育児などがきっかけで自分自身が求める働き方が変わった場合は正直にお伝えして問題ない場合がほとんどです。保育業界は女性が多い傾向にあり、出産や育児に理解のある職場が増えています。ライフステージが変わっても保育士として働き続けたい気持ちや意欲をアピールしましょう。
(例) 「出産を機に自分の子どもの育児に専念したいと考え、以前働いていた保育園を退職しました。今年から子どもが小学校高学年に上がり、少し手が離れたのをきっかけに保育士に復帰したいと考えるようになりました。復帰後は自分の子育て経験も活かしながら長く勤務を続けていきたいと考えています。」 |
ケース2:キャリアアップのための転職
キャリアアップを目指しての転職も好意的に捉えられる場合が多いようです。キャリアアップの制度が整っている職場であれば、アピールポイントになります。
(例) 「〇年間保育士として勤務する中で、仕事にやりがいはありましたが今後は園長や園運営に携わるポジションにも挑戦していきたいと考えております。前職は運営園が1か所のみで、園運営のポジションを任される可能性が低いと考えております。御社は新しい保育園の開園にも積極的で、将来は新規開設園のオープンに携わり園長を目指していきたいと思います。」 |
保育士が転職面接を受ける上で心がけること
転職面接を受ける際に心がけておきたいことをご紹介します。
転職先企業の情報収集
面接の準備として、事前に応募先の情報を詳しく調べておくようにしましょう。
応募先について深く理解しておくことは、退職理由や志望動機などを述べる際にも役立ちます。
面接対策をする
面接中は、質問には結論から簡潔に答えることができるよう、よくある面接の質問に対する答えを準備しておきましょう。
また、笑顔で元気良く受け答えをすることが大切です。先に述べたように、面接官は応募者が保育者としてふさわしいか、人柄をチェックしています。
「何をいいたいのかわからず、保護者とコミュニケーションをとる際に支障がありそうだ」「表情や声色が暗く、園の求める人材の雰囲気に合わない」と思われないようにしましょう。よくある質問については別の記事で紹介しています。
面接対策に不安がある保育士にはキララサポートがおすすめ!
ここまで、転職面接における退職理由の伝え方などを中心にお伝えしました。
しかし、「自分で考えた退職理由で、本当に問題がないか不安だ」「面接の基本から教わりたい」という方もいるでしょう。
そのような方には、保育・介護・看護業界に特化した人材派遣会社「キララサポート」の転職サポートサービスを利用するのがおすすめです。
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まとめ
転職面接で退職理由を述べる際に、「人間関係が良くなかった」「給料に不満があった」などと、マイナスな印象を与える理由をそのまま伝えるのはNGです。
できるだけ前向きな表現に言い換えることを心がけましょう。
転職面接は、人柄やスキル、熱意などについて、応募先の担当者に「保育士にふさわしい人材であること」を直接アピールできる機会です。
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