地方在住の保育士さんに上京をおすすめする6つの理由
公開日: 更新日: 保育士転職マニュアル地方で保育士として活躍中の方の中には、「保育士の資格とスキルを生かして、いつか上京したい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
東京などの首都圏には、保育士として働ける職場がたくさんあります。しかし、「東京で暮らしていけるか心配…」「初めての1人暮らしは大変そう…」など、不安に思うことも多いはずです。
そこで今回は、保育士さんが地方から東京や神奈川、千葉などの首都圏エリアに上京して働くことのメリットとデメリット、そして上京までの準備のポイントなどについてご紹介します。実際に地方から東京へ上京した保育士さんにアンケートでお伺いした体験談もありますので、上京を検討している方はぜひチェックしてくださいね。
目次
保育士さんに上京をおすすめする理由
「本当に東京で働ける?」「都会に出たことがなく不安」など、上京したいと考えながらも心配事が多い保育士さんはたくさんいるでしょう。しかし、保育士として働くなら、首都圏には数多くのメリットがあります。
【理由1】給与相場が高い
一般的に、「都会で働いた場合、地方より給料が高い」というイメージがありますね。保育士の場合も、この法則に当てはまります。
運営母体や雇用形態によって異なりますが、保育士の平均年収は約310~340万円ほどであるのに対し、東京の保育士の年収は、350~390万円ほどです。全国平均より50万円近く高くなります。
「もっと貯金したい」「もっと余裕が欲しい」と考えている保育士さんは、東京への転職を実現するだけで年収アップをかなえられるかもしれません。
【理由2】家賃補助制度を利用できる
勤務する自治体(区・市など)によっては、自治体外から就職する保育士さんに向け「家賃補助制度」を設けている場合があります。東京は家賃が高い傾向にありますが、その一部を補助することで転入のハードルを下げてくれています。
例えば、横浜市や世田谷区の保育士向け家賃補助制度(借り上げ社宅制度)は良く知られています。横浜市では月額最大61,000円、世田谷区では月額最大82,000円までの家賃が補助されます。家賃が多少高くても、安心して暮らせますね。
※上記でご紹介した自治体の支援制度は2019年10月時点の内容です。制度は変更になる場合がございますのでご注意ください。
参考:保育士宿舎借り上げ支援事業 QA(事業者向け)|横浜市
参考:保育人材確保事業 | 世田谷区ホームページ
【理由3】独自の上京サポートがある園も多い
私立の園は法人として運営されていますから、園独自で就職・転職をサポートする制度を設けている場合もあります。
地方から面接に訪れる応募者の交通費を負担したり、内定者は入社祝い金や生活準備金などを支給してもらえたりします。中には、東京への転居にかかる費用を全額負担してくれる園もあるほどです。
【理由4】新設のきれいな園が多い
首都圏では一時、待機児童問題が深刻なニュースとなりました。「保育士不足」とともに、「保育園不足」も大きな問題となっていたのです。
そのため各自治体では、保育士とともに保育園の数も増やそうという取り組みが実施されました。その影響で首都圏では現在、保育園の新設ラッシュが起きているため、きれいで新しい園での保育士求人が増えているのです。
【理由5】求人件数が多い
地方では、保育士さんが辞めて欠員が出る機会自体が少ないため、求人数も限られます。
首都圏では保育士さんの数も保育園の数も足りないとはいえ、地方の求人件数よりは段違いに多いものです。常時多数の求人があるため、応募先の選定に悩むこともままあるでしょう。
2018年11月時点での東京都を例に挙げると、保育士の有効求人倍率はなんと「約6倍」だったというデータもあるほどです。
【理由6】プライベートも充実
東京は、文化や商業の中心。有名なお店や、人気のテーマパークにもすぐに行けることは魅力ですね。「好きなお笑いや音楽のライブに行きたい」「憧れのパティシエのお店に行きたい」……そんなぜいたくな願望も、思うまま叶えられるのが東京です。
上京した保育士さんが直面しがちな「東京暮らし・都会暮らしのデメリット」
「上京したら大変だった…」と思うことは、やっぱりあるものです。しかし、どのようなことが大変かを知っているだけでも、心構えができますよね。
ここでは、保育士さんが上京して感じるデメリットをご紹介します。
満員電車が大変
東京の通勤電車の混み方は、世界でも有数だと言われます。電車で息苦しくなるほどの経験をした方は、地方では少ないでしょう。それが、東京では毎朝になります。
でも実際には、保育園まで徒歩や自転車で通える範囲内で、住む場所を決める方も多いものです。そのような手段もあるため、住む場所を探すときに通勤手段についても考慮すると良いでしょう。
物価が高め
給与水準が高い首都圏は、その分物価も高めです。
しかし、場所によってはお得に買い物ができるお店もあります。休日に散歩しながら近所を散策すれば、お財布にやさしいお店が見つかるかもしれません。安く購入できるお店を探すのも、また1つの楽しみになるかもしれませんよ。
実家が懐かしい?
家族頼みだった実家と違い、一人暮らしの場合はどんなに疲れて帰ってもご飯は自分で用意しなければなりません。洗濯や掃除、お風呂の準備も全部自分の仕事です。
そんな暮らしが続くと、ちょっと実家が恋しくなってホームシックになってしまうこともあるかもしれませんね。
上京~保育園探し~勤務開始までの流れ
ここでは、保育士さんが転職を考えてから上京するまでの基本的な流れについてご紹介します。
求人検索と応募
まずは転職先の保育園を決めるために、求人情報を探しましょう。求人情報を探すときは、保育士専門の求人情報サイトを見たり、保育士専門の人材紹介会社に登録してコンサルタントに相談したりといった方法がおすすめです。一般的な求人サービスと違って保育分野の求人に特化しているので、情報量が多く、希望の条件に合った転職先を見つけやすくなります。
首都圏はいつでも多くの求人がありますが、新規開園の求人を狙うなら夏~秋ごろがチャンスです。
面接や職場見学
転職先の候補が決まったら、園見学や面接の申込みをして、保育園へ足を運ぶことになります。園見学をせずに面接の申込みをすることは可能ですが、面接前に見学をしておくことをおすすめします。
複数の園を受ける予定の方は、スケジュールを詰め込みすぎないように気を付けてください。
内定→受理または辞退
内定が出たら、就職に際する条件や待遇などを再確認し、受理・辞退を決めます。
入ることを決めた園には受理の連絡を、行かないことにした園には辞退の連絡を、それぞれできるだけ早期に済ませましょう。
就職の手続きと家探し
就職が決まったら、就業に関する手続きを済ませて住む場所を探します。園によっては、間取りなどの希望をある程度聞いて物件を選定してくれたり、物件を用意してくれたりする場合もあります。
しかし、ご自身で探す場合はある程度時間が必要です。就業日までに入居できるように段取りを組みましょう。
実際に地方から上京した保育士さんの体験談
保育士として上京した経験をお持ちの2名の先生に、上京費用や社宅などについて教えていただきました。
これから上京したいと考えている方はぜひ参考にしてくださいね。
佐賀県から上京した20代女性保育士さんの体験談
名前 | 江頭さん |
性別 | 女性 |
年齢 | 20代 |
上京前のお住まい | 佐賀県 |
上京後のお住まい | 東京都 |
Q.上京を決めた理由やきっかけはどんなことだったのか、教えてください。
東京という町に憧れがあり、この場所で働いてみたいと思ったため。
Q.上京資金はいくらぐらい用意していましたか?
約20万円。住み始める前に2回ほど上京したときの交通費と、あとは家具などを揃えるので20万円くらいだったかなと思います。引っ越しにあたり、会社から5万円の補助がありました。
Q.上京後のお住まいは社宅や寮でしたか?それともご自分で用意をしましたか?
社宅制度を利用して会社の用意した部屋に住んでいます。社宅なので自分では部屋探しをせず、会社が用意してくれました。自分は家具や荷物を持って東京に来るだけで良かったので助かりました。
Q.上京して「苦労したこと」を教えてください。
用意された社宅に不満はなく、あまり生活に苦労は感じていません。強いて言えば、帰省するときに交通費が高いことが少し苦ですかね。
Q.上京して「良かったと思うこと」を教えてください。
上京して良かったと思うことは人脈が広がったという事です。東京には東京出身の方ももちろんいますが地方の方も多く、友達が増えみんなの地元の話を聞く事がとても面白いです。
Q.これから上京する保育士さんへアドバイスをお願いいたします。
上京するのには大きな決断がいると思いますが、上京し保育士として働く決断に後悔は本当にないと思います。来て良かったと必ず思うことができると思います。
誰かに反対されていても自分で少し頑張って資金をためれば、こちらでの暮らすためのお金はほとんど必要ありません。やってみたいという事をぜひ実現してほしいと思います。
福岡県から上京した20代女性保育士さんの体験談
名前 | 木原さん |
性別 | 女性 |
年齢 | 20代 |
上京前のお住まい | 福岡県 |
上京後のお住まい | 東京都 |
Q.上京を決めた理由やきっかけはどんなことだったのか、教えてください。
配属先が東京だったため。
勤務地に希望はなかったため、面接のときはどこに配属になるか分からない状態でした。入社前に配属先が分かり、上京が決まりました。
Q.上京資金はいくらぐらい用意していましたか?
20万円ほどでした。キャリーバック1つ持ち、福岡から東京へ来ました。福岡からの交通費、家電家具、生活費などを含めて大体20万くらい掛かりました。そのうち5万円は会社負担だったので助かりました。
Q.上京後のお住まいは社宅や寮でしたか?それともご自分で用意をしましたか?
借り上げ社宅制度を利用しています。1人暮らしには丁度いい広さで快適に生活ができています。
社宅なので、自分では選べませんでしたが、問題はいまのところありません。
Q.上京して「苦労したこと」を教えてください。
上京してきて苦労したところは、仕事終わりの家事です。家に帰ると休む暇もなく夜ご飯作り、洗い物に洗濯、掃除とすることが沢山あり大変でした。
1年目に最初はお金もなく節約をしていて食べに行くことを我慢したり、休みの日は家にいたりと我慢を沢山しましたが、その分給料が入ると同期とご飯や遊びの予定を入れて一か月一か月を楽しみに働きました。
今では節約をしなくても大分ゆとりができるようになり、貯金もできています。家事もなるべく朝のうちにして仕事へ行くようにしています。
Q.上京して「良かったと思うこと」を教えてください。
良かったと思ったところは、同じマンションに同期が住んでおり、仕事終わりに一緒に家でご飯を食べたり一緒に帰ったりできていることです。
東京に友達はあまりいませんが、職場の方々や同期が仲良くしてくれるので上京してきても寂しくないです。様々な県の人とも話す機会ができました。
Q.これから上京する保育士さんへアドバイスをお願いいたします。
上京前にしておいたほうがよかったと思うことは、引っ越し前にお金をもっと貯めておくことでした。
また、人間関係の良い職場であれば、周りに知り合いがいない土地でも早く馴染むことができるので、職場の雰囲気も重視してください。
※上記でご紹介した上京資金の補助制度や社宅制度は、アンケートにお答えいただいたお2人が勤めている雲母保育園の制度です。東京都にある全ての保育園で同様の補助を行っているわけではありません。また、制度は変更になる場合もございますのでご注意ください。
上京への不安がいっぱいの保育士さんにおすすめの対処法
知らない土地での職探しに、不安は付き物です。 「引越し資金は足りる?」「初めての都会できちんと暮らせるかな」「そもそも1人暮らしが初めて」「希望通りの職場は見つかるの?」など、上京に伴う不安や疑問が数多くあるという保育士さんも多いことでしょう。
自分1人で上京を考えることが心配であれば、保育士専門の転職サービスに職探しを一任する方法がおすすめです。保育士転職のプロが、あなたの希望を聞いて最適な転職先を提案いたします。保育士支援に関する情報などを熟知しているスタッフからのアドバイスがあれば、安心して転職活動ができるはずです。
保育士の上京についてのまとめ
今回は、地方の保育士さんに上京をおすすめする理由や、上京のメリット・デメリット、転職の流れなどについてご紹介しました。
転職活動は、多くの方が不安を感じるものです。まして都会に出るとなれば、心配事はさらに増えてしまうことでしょう。
保育士専門の転職サービスを上手に活用し、上京という目標とあなたに最適な職場への転職を、同時に叶えましょう。
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