緩和ケア病棟とは?看護師の役割や向いている人の特徴を解説!

公開日: 更新日: 看護師の働き方・環境

病院やクリニックで看護師のキャリアを重ねてきたものの、看護以外の仕事が増えてきたことが負担になっていませんか。本当はもっと専門性を高めて自分に合った仕事をしたいと考えているなら、「緩和ケア病棟(ホスピス)の看護師」を将来の選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

今回は、緩和ケア病棟(ホスピス)について、看護師の役割やどのような人が向いているのかなどをご紹介します。詳しい仕事内容ややりがいなどを知ることで、自分に向いている仕事なのか判断しやすくなりますので、緩和ケア病棟での看護の仕事に興味をお持ちの方は、ぜひご参考にしてください。

緩和ケア病棟(ホスピス)とは

緩和ケア緩和ケア病棟は、緩和ケアを専門とした病棟のことです。別名「ホスピス」とも呼ばれます。

緩和ケアとは、患者を身体的に診るだけでなく、心の問題、社会的問題、家族の問題など総合的に対応することです。問題を早期発見し、適切に措置を行っていくことによって、患者の苦痛を和らげQOLの改善を図ります。

どんな患者さんが入院しているのか

緩和ケア病棟に入院しているのは、快癒が難しい、命に関わる重大な疾患を持つ患者さんです。その多くが「がん」を患っています。緩和ケアが必要な患者さんは、本人の希望に合わせて入院・通院・在宅のいずれかで緩和ケアを受けることができます。

緩和ケアのスタッフとは

緩和ケアを行うのは医師と看護師ですが、患者さんや家族のニーズに合わせて下記のスタッフが加わります。

  • 心理士
  • ソーシャルワーカー
  • ケアマネージャー
  • 管理栄養士
  • 薬剤師
  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 言語聴覚士

緩和ケア病棟では、これらのスタッフと連携しながら患者さんのケアを行っていきます。

緩和ケア病棟での看護師の役割

緩和ケア病棟の看護師が行うのは主に下記の3つのケアです。

緩和ケア①「身体的苦痛のケア」

緩和ケア病棟の患者さんは、さまざまな身体的苦痛(痛み、倦怠感、吐き気、息苦しさ、食欲不振など)を感じています。看護師は患者さんの状態をしっかり把握して、医師と相談の上で対処していきます。日常的なケアをはじめ、患者さんや家族の思いをよく聴き、できる限りニーズに応えていくのが看護師の役割です。

緩和ケア②「精神面でのケア」

患者さんをケアする看護師緩和ケア病棟に入院している患者さんは、不安・恐怖・絶望感・焦り・苛立ち・孤独感など、精神面に重いものを抱えています。時には感情を爆発させてパニックになってしまうこともあります。

看護師はそんな患者さんのありのままを受け入れ、制止したり諭したりせず、その心の痛みに寄り添います。緩和ケア病棟の大きな特徴は、精神的なケアを丁寧に行うことです。そういう意味で看護師は重要な役割を担っています。

緩和ケア③「ご家族・ご遺族のケア」

緩和ケア病棟の看護師は、患者さんのご家族の話にも耳を傾けます。患者さん本人だけではなく、ご家族の不安やストレスを受けとめるのが大きな役割です。

また、緩和ケア病棟では「大切な人を失った悲しみ」にも寄り添います。定期的に家族会を行っている病院も多く、ご遺族のフォローにも力を入れています。

緩和ケア病棟に向いている人

緩和ケア病棟に適性があるのはどのような人でしょうか。向いていると思われる看護師さんのタイプを2つ挙げてみました。

思いやりや気遣いがある人

患者さんの世話をする看護師緩和ケアで働くには、人間性に優しさを持っている看護師さんが向いています。普段から思いやりや気遣いがあって、誰かに「優しい」と評価されたことのある方なら、きっと現場で活かされるでしょう。

看護師をはじめ「人相手の仕事」では、ベースにある人間性が大きく影響しますが、緩和ケアでは特に思いやりや気遣いが重要になります。緩和ケア病棟の患者さんや家族は、看護師の優しい人柄にふれることで慰められます。

相手を尊重することができる人

緩和ケア病棟は、一般の病棟とは「看護師の立ち位置」が違います。患者さんや家族の先に立つのではなく、常に平等であり共にいるというスタンスです。相手を尊重し寄り添うことが緩和ケアスタッフには求められます。

患者さんを尊重するということは「相手のリズムに合わせて待つ」ということです。看護師の思いや都合ではなく、患者さんの気持ちを汲むことが何よりも優先されます。その大切さを理解できる看護師さんは、緩和ケアに向いているといえるでしょう。

緩和ケア病棟で看護師が「つらい」と感じるとき

緩和ケア病棟で働く看護師さんにはどのような「つらさ」があるのでしょうか。ストレスとなりうるシーンを2つご紹介します。

患者さんや家族から厳しい言葉を受けることがある

悩んでいる女性患者さんにじっくりと向き合うということは、相手の良い面ばかりではなく、ネガティブな面とも多く関わるということです。普段は穏やかな方でも、行き場のない感情(恐怖、怒り、絶望、自暴自棄など)を、厳しい言葉と共に看護師に対してぶつけることがあります。また、ご家族も同様で、ストレスや不安がたまっているので感情的になることがあります。

患者さんを看取るばかりなのがつらい

患者さんの病気や怪我が治って退院することは、看護師にとって大きな喜びであり励みになりますが、緩和ケア病棟ではそのような「やりがい」を見出すことは難しいことです。患者さんの最期に立ちあうことが続くと、ストレスを感じてしまう看護師さんもいます。

緩和ケア病棟で働く「やりがい」とは?

やりがいを感じる看護師看護師の責任がとても重い緩和ケアという仕事をしていれば、見えない壁にぶつかってしまうことも多いでしょう。緩和ケア病棟は、死を待つだけの場所ではなく、患者さんが自分の人生を生き抜く場所です。看護師自身がそう信じて壁を乗り越えると、下記のような緩和ケアならではの「やりがい」を感じることができます。

患者さんからいただく言葉が尊い

身体的にも精神的にもつらいはずの患者さんが、看護師にかける「ありがとう」という言葉には心がこもっています。それは単なるあいさつ的なお礼ではなく、看護師の労苦を察しているからです。最期が近いからこそ患者さんからいただく感謝の言葉は尊く、看護師のやりがいとなります。

患者さんの「生き抜く姿」に多くを学ぶことができる

緩和ケア病棟で働くということは、患者さんの終末期を見守るということです。どのように生きてきたのか、どのような人だったのか、ひとりひとりの「人生を生き抜く姿」には学ぶものが多く、自分自身の死生観にも大きな影響を受ける看護師さんは少なくありません。

緩和ケア病棟(ホスピス)で働きたいならキララサポート看護で

緩和ケア病棟にはさまざまなタイプがあるので、転職をする時はしっかりとリサーチすることが大切です。求人を探すことに慣れていない看護師さんには、看護師専門の転職エージェントの利用がおすすめです。

キララサポート看護では、転職ニーズに合った求人を専任コンサルタントがご紹介いたします。サポートは無料でご利用いただけますので、ぜひお気軽にご相談ください。

まとめ

命に関わる重大な疾患を持つ患者さんの苦痛を和らげ、寄り添っていく緩和ケア病棟(ホスピス)での仕事は、つらいと感じるシーンもありますが、その分やりがいも大きい仕事です。自分に緩和ケアができるかどうか自信がない看護師さんでも、患者さんのことを一番に考えじっくりと向き合いたいと考えているなら、緩和ケア病棟のスタッフとして適性は充分にあります。

緩和ケア病棟のお仕事にご興味をお持ちの方は、ぜひ転職先の候補として検討してみてくださいね。

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kiralike編集部

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