企業で働く産業看護師とは?仕事内容と必要なスキルについて
公開日: 更新日: 看護 , 看護師の働き方・環境看護師の職業の一部に「産業看護師」という仕事があります。一般的な看護師とは勤務先も仕事内容も大きく異なり、興味を持っている方も多いのではないでしょうか。今回のコラムでは、企業別の産業看護師の仕事内容やメリット等をご紹介します。日勤のみ、時間固定で勤務できる求人もありますので働き方を変えたい看護師の方も是非参考にしてみてくださいね。
目次
産業看護師とは
医療、介護現場ではなく企業で働く看護師のことを「産業看護師」といいます。一般企業の医務室や治験、臨床開発モニター等活躍の場は様々で、仕事内容も勤務先によって異なります。
産業看護師の仕事内容
産業看護師の業務は勤務先によって大きく異なります。企業別の産業看護師の仕事内容についてご紹介します。
企業の医務室、健康管理室の保健業務
一般企業で勤務する産業看護師は主に医務室に所属し、急病や怪我の対応の他、従業員の健康管理やメンタルヘルス対策を行います。
主な仕事内容
仕事内容は企業によって様々ですが、主に下記のような業務を担当します。
・健康診断の実施
・保健指導
・メンタルヘルスチェック
・緊急時の応急処置
治験関連企業のコーディネーター
製薬会社が新薬を開発する際、最終的に人体に問題がないか、有効かどうかを確認するために行う臨床試験を治験といいます。治験の調整や準備を行うのが治験コーディネーターの役割となります。治験コーディネーターになるために必要な資格はありませんが、業務の中で専門知識を必要とする場面が多く出てくるため、看護師のような医療系資格をもっているとより活躍しやすいと言われています。
主な仕事内容
医療機関にて医師の指示のもと、治験に関わる事務的業務、治験対象との調整等を行います。医療的処置だけでなく症例報告書作成や治験実施に関わる資料作成等、業務内容は多岐に渡ります。
・治験業務フローの作成
・症例管理のための資料作成
・治験関連部門との連絡、調整
・同意説明の補助、相談窓口、治験スケジュール管理等の被験者対応
・治験担当医師の補助
・医療機関対応
臨床開発モニター
臨床開発モニターとは、治験を実施している医療機関での臨床試験が、ルールや法律を守って行われていることを確認するとともに、治験依頼者(製薬会社)と医療機関の職員との仲介役として医師が作成する症例報告書を回収する仕事です。治験の依頼から全体の管理まで、様々な業務を行います。
主な仕事内容
・治験に関わる業務の手順書の作成
・治験を実施する医療機関や医師の選定、契約締結
・病院で治験を実施するスタッフへの説明会実施
・治験薬の医療機関への引き渡し
・治験に関わる報告書作成
・治験実施計画書やルールに沿った治験が行われているかの管理
医療機器メーカーのクリニカルスペシャリスト
クリニカルスペシャリスト(別名:フィールドナース)として医療機器メーカーで勤務する看護師の方もいます。クリニカルスペシャリストとは、医療機器メーカーに就職し、自社で開発した医療機器を販売する仕事です。商品の販売先は主に病院で、勤務する医療スタッフに製品や使用方法の説明を行います。クリニカルスペシャリストは看護師資格が必須とされている求人が多く、資格やこれまでの臨床経験を活かして活躍できる仕事の一つです。
主な仕事内容
・営業担当者と一緒に病院に行き、自社製品のデモンストレーション
・納品時に医療スタッフに製品の使い方を説明
産業看護師の給与やメリット
上記でご紹介にしたように様々な活躍の場がある産業看護師について、給与やメリットをみていきましょう。
産業看護師の給与
平均年収5,000,000円~6,000,000万程で、夜勤のある一般看護師と給与の差は大きくないようです。一方で、本コラム内でご紹介した医療機器メーカーのクリニカルスペシャリストの求人を見てみると、年収7,000,000円~8,000,000円の求人も多くみられます。外資系企業のクリニカルスペシャリストはさらに高い年収が提示される場合もあり、日勤のみで基本的に土日休みのお仕事の中では高い水準にある職場もあります。このように一般企業の社員としての勤務となるため、企業によって給与や待遇は異なります。求人票をしっかりチェックし、より好条件なものを見つけたいですね。
産業看護師のメリット
夜勤なし・土日休み
ほとんどの産業看護師の求人が日勤のみ、土日祝日休みであるようです。勤務先企業の休日、就業時間に準じた勤務形態になります。
デスクワークがメイン
病棟の看護師は看護処置や患者のケア等体力仕事が多いですが、産業看護師は健康診断や書類作成、クライアント対応等のデスクワークがメインです。看護業務に対して体力面で不安を抱いている方にとって、大きなメリットといえます。
医療処置の機会が少ないため精神的な負担が少ない
産業看護師として対応する相手は基本的に健康な人が多く、医療処置の機会や緊急事態に直面することもあまり無いようです。緊急事態対応のために神経を使うことがないため、心理的負担が減り、働きやすさを感じる方も多いとのことです。
ただし、医療現場で知識と経験を身に着け、看護スキルを向上していく働き方をしていきたい方には物足りないと感じてしまうかもしれません。しっかり看護師としてスキルアップしていきたい方は病院での経験を積んでいくことをおすすめします。
産業看護師に必要なスキル
産業看護師として活躍するために必要なスキルは下記のような能力があげられます。
コミュニケーション能力
患者や医師、看護師と話す機会が多いのが一般的な看護師であるのに対し、産業看護師は社内外のあらゆる人との関わりがあります。様々な機関の人と円滑にコミュニケーションを取り、業務を進めていく能力が求められます。
基本的なPCスキル・事務処理能力
書類作成や連絡業務等のデスクワークが多いため、病院等に比べてPCを使う機会がおおくなります。スピーディな事務処理能力も求められます。
産業看護師を目指すうえで役立つ資格
衛生管理者
労働安全衛生法により、従業員が50名以上の会社は衛生管理者を1名以上配置しなければならない決まりがあります。衛生管理者の免許を持っている人は企業にとって必要な人材と言えるため資格取得しておいて損はないでしょう。保健師の資格を持っている方であれば申請のみで取得が可能なようです。
産業カウンセラー
企業で働く人のメンタルヘルスに特化したカウンセラーを「産業カウンセラー」といいます。従業員のメンタルケアが重視されている近年、産業看護師や産業保健師によるメンタルヘルスのサポートも需要が高まっているので役に立つ資格といえます。
メンタルヘルスマネジメント検定
産業カウンセラー同様、会社で働く人のメンタルケアに貢献できる資格です。メンタルヘルスケアの基礎知識が身に着く検定として、産業看護師の武器にできるでしょう。
産業看護師はこんな方におすすめ
産業看護師をおすすめしたい方は下記のような方です。当てはまる方は産業看護師としてのキャリアも是非検討してみてくださいね。
・病棟以外で看護師として働きたい方
・一般企業でスキルやキャリアを形成したい方
・予防医学やメンタルヘルスなどに興味がある方
・人とのコミュニケーションや調整役にやりがいを感じられる方
・夜勤なし・残業少な目・土日休みの職場を希望している方
・子育てや介護との両立をしたい方
まとめ
産業看護師について、仕事内容や勤務先、働くメリットをご紹介致しました。日勤のみ、土日休みの仕事も多く、興味を持った方も多いのではないでしょうか。産業看護師の求人数は病院や介護施設に比べて少ないため、求人を見つけた際はすぐにご検討頂いたほうが良いかもしれません。
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