夜勤専従看護師とは?メリット・デメリットについて
公開日: 更新日: 看護の仕事
近年、子育てや家庭と両立できる日勤のみの求人の人気が高まっており、医療施設、介護施設で夜勤帯に働く人材が不足している傾向にあるようです。その人材不足対策として期待されている働き方が、夜勤専従看護師です。夜勤回数に制限があるシフト制の看護師に比べ、夜勤専従看護師は回数制限もなく、夜勤帯の労働力を求める施設にとっては大きな戦力といえるでしょう。
今回のコラムでは、夜勤専従看護師のメリット、デメリットに加え、プロのコンサルタントによる求人のチェックポイントもご紹介いたします。
目次
夜勤専従看護師とは?
夜勤専従とは文字通り、夜勤帯にのみ勤務する働き方です。月あたり10回前後の勤務が一般的で、少ない勤務回数で高収入が得られるため、興味を持つ方も多いのではないでしょうか。
夜勤専従看護師の勤務先はどんなところがある?
夜勤専従常勤の場合、基本的に病院での勤務となります。病室の巡回や点滴の管理、検温など病棟勤務が主な業務内容です。一方で非常勤の場合、病棟以外にも24時間看護師を常駐させている介護施設で多く募集されています。就寝前後のケアや排せつ介助など、病棟勤務とは業務内容が異なることが一般的です。介護施設で勤務した経験がない方は、研修制度の整っている施設を選んでみると良いでしょう。
夜勤専従看護師の勤務回数が少ないワケ
日勤帯+夜勤や、日勤帯のみの働き方よりも夜勤専従看護師の勤務回数が少ないのはなぜでしょうか。
労働基準法では、原則として1日の労働時間は8時間までと定められていますが、24時間休まず稼働している医療現場で働く看護師の場合は、「変形労働時間制」という方法に則って勤務時間が定められています。変形労働時間制とは、労働時間を1日単位ではなく月・年単位で管理する制度です。つまり労働時間が1日8時間を超えた日があっても、月・年単位でみて労働基準法に定められた時間を超えていなければ問題ないという考え方です。
労働基準法では一週間の労働時間を40時間と定めており、夜勤看護師の勤務時間・勤務回数もこれをもとに決められます。夜勤は一回の勤務時間が日勤帯よりも長くなるため、40時間を超えないよう勤務日数を調整すると10回前後が一般的となります。
つまり、一回あたりの拘束時間が長いため、勤務回数が少なくなるということですね。
夜勤専従看護師の勤務時間
夜勤専従は一回の勤務時間が長いとお伝えしましたが、何時から何時の勤務になるのでしょうか。
キララサポートの求人で多いのは16:30~翌9:30や、17:00~翌9:30といった夕方~翌朝の勤務です。休憩は1時間半~2時間で、夜勤帯の他の看護師と交代でとる職場が多いようです。
夜勤専従看護師の給料
日勤より高収入なのが夜勤専従の大きな特徴の一つです。キララサポートで実際に掲載されている求人から、夜勤専従看護師の給料を見ていきましょう。
求人例① 常勤/埼玉県 一般病院
月10回勤務 月給36万円以上 年収486万円以上
求人例② 常勤/千葉県 有料老人ホーム
月11~12回勤務 月給36万円以上 年収525万円以上
求人例③ パート/東京都 有料老人ホーム
月8回勤務 月給30万円以上
求人例④ パート/愛知県 サービス付き高齢者向け住宅
月10回勤務 月給28万円以上
※基本給と手当等合わせた金額です。
※上記求人の募集は終了している場合がございます。
地域や施設によって変動はするものの、基本給と手当を合わせて30万円を超える求人が多いようです。
月9回勤務と仮定すると、一週間あたりの出勤回数は2回~3回なので週の約半分はお休みということになります。出勤日数のことを考慮すると、月給30万円前後の収入はかなり高額といえそうですね。
夜勤専従看護師のメリット
夜勤専従の仕組みがわかったところで、次はメリットについてご紹介します。
メリット① 日中の時間を有効に活用できる
夜勤帯の勤務のみのため、日中は自分のために時間を使うことができます。趣味や習い事に通いやすいほか、空いている時間帯に役所や銀行の用事を済ませることも可能ですね。また、シフト勤務では友人や家族との予定が立てづらいこともありますが、夜勤専従の場合日中は仕事がないため日程の管理がしやすいようです。
有給を使わず子どもの学校行事に参加できるため、子育て中の方にも嬉しいポイントですね。
メリット② 高い給与が期待できる
コラム内の「夜勤専従看護師の給料」で説明したように、夜勤専従看護師の収入は高いといえます。夜勤専従看護師は通常の固定給に加え、夜勤手当が多く付くため、手当も高収入の要因となっています。日本看護師協会のデータ(※)によると、一般病棟の夜勤手当額は以下の水準になります。
三交代制準夜勤 4,399円
三交代制深夜勤 5,490円
二交代制夜勤 11,276円
キララサポートの夜勤専従求人を一例にあげると、神奈川県では一般病院の常勤で一回あたり12,000円、愛知県の一般病院常勤では16,000円となっています。平均以上の夜勤手当が支給されるのは嬉しいですね。
※上記は一例です。勤務先により手当は異なります。
日本看護師協会:
https://www.nurse.or.jp/nursing/shuroanzen/chingin/data/pdf/revelation.pdf
メリット③ 日勤帯よりも業務内容が少ない
緊急対応が多い職場を除き、夜勤帯の方が業務内容は少ないといえます。日勤帯で働いていると、委員会の参加、担当患者のサマリーなど、看護業務以外にも多くの仕事が回ってきます。夜勤専従の場合、勤務回数がすくないこともあり看護以外の業務担当になることは稀なようです。
看護業務に専念できることも、夜勤専従のメリットといえますね。
夜勤専従看護師のデメリット
デメリット① 常勤の求人数が少ない
常勤は手当の種類が多く、賞与も出るため非常勤よりも好待遇のため、常勤を希望する方も多いでしょう。しかし、夜勤専従の人員を非常勤で補う方針の施設がほとんどのため、常勤での募集は少ない傾向にあります。夜勤専従常勤で働きたい!と思ってもすぐには求人が見つからない場合もあるため、すぐに転職したいという方にとってはデメリットといえるでしょう。
デメリット② 体調を崩しやすい
昼夜が逆転する生活になるため、慣れていない方にとってはきつい場合があります。また、夜型生活が長期に渡ると、昼型の生活リズムに変えることが難くなってしまったという看護師さんもいらっしゃるようです。また、夜勤は拘束時間が長いため、人によっては体調が悪くなってしまう方もいます。体力に自信がない方にとっては不安なポイントといえるでしょう。
デメリット③ 病院内でのコミュニケーションが取りづらい
週に2回程の勤務となると、他の職員、患者さんと顔を合わせる回数も少なくなってしまいますね。顔を合わせての情報共有がされにくいため、病院内の情報や日中に患者さんの状況がキャッチできない場合もあります。業務に支障をきたさないために、自ら情報収集を行う、早めに出勤して他の職員とあいさつしつつ連絡を密にするなど、工夫されている方が多いようです。
夜勤専従はどんな人におすすめ?
これまで紹介してきたメリット、デメリットを踏まえると、以下のような方に夜勤専従がおすすめといえます。
・休日が多くほしい方
・習い事や趣味、介護など日中の時間を有効活用したい方
・高めの給与を希望する方
・生活リズムが夜型の方
デメリット②にて、夜勤専従は体調を崩しやすいとお伝えしましたが、日勤+夜勤の働き方とは異なり慣れれば生活リズムは一定になります。夜型の生活リズムの方が合っている方であれば、むしろ夜勤専従の方が働きやすいかもしれませんね。
上記に当てはまる方や、夜勤専従についてもっと詳しく知りたい方は、プロのコンサルタントに相談してみましょう。
夜勤専従看護師に求められるレベルは?
夜勤専従に興味が出てきたけど、経験が浅くて活躍できるか不安・・・という方もいるかもしれません。キララサポートの看護担当によると、若手(例えば看護師になって3年目)の方でも夜勤専従を希望することは可能とのことです。職場にもよりますが、通常急性期経験者でリーダー業務までできていれば問題ないようです。
また、ある程度日勤で務勤務した上で、夜勤専従に移行するため、経験の浅い方でも安心して勤務できますね。
今の業務経験でできるかどうしても不安、という方は転職エージェントに相談してみるといいかもしれません。
夜勤専従看護師の求人を見る際のポイントは?
夜勤回数
夜勤の回数=出勤の回数となりますので、必ずチェックしておきたいポイントです。夜勤の回数は10回前後が一般的ですが、しっかりお金を稼ぎたい方は夜勤回数が多いところを探してみるといいでしょう。一方で、週1回の勤務から相談できる非常勤求人もありますので、体力に自信がない方やライフスタイルの都合で制限のある方もチェックしてみてください。
シフトの作り方
夜勤明け当日+翌日がお休みになっていると体も休まりリフレッシュできますね。体に負担の少ないシフト作りがされている職場かどうか、内定までに確認しておくと安心です。
夜勤体制
看護助手の配置も含め、夜勤体制を確認してみましょう。緊急性ある対応も少人数で行わなければならないのが夜勤専従の特徴です。とはいえ、大人数を1人でケアすることは難しいでしょう。人員削減のために無理な配置となっていないか、事前に調べておくとよいでしょう。
設備状況
看護師・患者さん両方の負担を軽減できる設備の整った病院かどうかも、求人選びの段階で確認しておきましょう。例えば、看護師の体の負担を考えると、電動ベッドを導入している職場の方が安心ですね。インターネットで調べるほか、施設見学の際にもチェックしてみてください。
救急搬送数
救急搬送件数も、求人を検討するポイントです。厚生労働省が運営するサイトで救急医療の対応実績を確認することができます。隣接する地域にある他の施設と比べてみると、地域の中でその病院がどれだけ救急医療に特化しているのかが分かります。
落ち着いている病院かどうかも見当がつけられるかもしれませんが、そういった施設は夜勤手当が少なめである場合が多いようです。高い夜勤手当を希望する方や、忙しい方が自分に合っている、という方は急性期病棟なども視野に入れてみるといいでしょう。
厚生労働省運営サイト:
https://www.iradis.mhlw.go.jp/reis/common/ad0.xhtml
まとめ
夜勤専従のメリット、デメリットや求人についてご紹介しました。体力やライフスタイルなどを検討した上での決断にはなりますが、休日を増やしたい、収入をアップしたいという方は、夜勤専従での働き方も視野に入れてみてはいかがでしょうか。常勤、非常勤に関わらず、好条件求人が出た時に把握できるよう、求人サイトの情報を常にチェックしておくといいですね。
また、転職エージェントに登録して最新情報を受け取るというのも有効な方法です。
登録しておくと、メールなどで最新情報が届くので、好条件の求人の見落としが減ります。
夜勤専従での働き方を本格的に考えられている方は、ぜひキララサポートにご相談ください♪
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