看護師の履歴書マニュアル!転職の志望動機の書き方やパターン別の例文もご紹介
公開日: 更新日: 看護 , 看護師転職マニュアル看護師に限らず、履歴書は転職活動で必ず作成する書類です。採用担当者に自分自身の魅力や熱意が伝わるよう、ルールを守って正しく作成することが大切です。
この記事では、看護師の履歴書の書き方のルールやポイントを詳しく解説します。面接で必ず聞かれる志望動機もパターン別に例文をご紹介しているので、履歴書を作成する際の参考にしてください。
目次
看護師の採用担当者はこんなところを履歴書で見ている
履歴書は応募者の最初の印象を決める書類となります。もちろん顔写真やプロフィール、職歴なども見られていますが、重要視されるのは求めている人物像にマッチしているか どうかです。
そのため、採用担当者は「なぜ自院を応募したのか」「病院の方針や強みを理解しているか」という点を見ています。ありきたりな内容や漠然とした応募理由だと採用担当者に良い印象を与えません。履歴書を作成する際は、応募先の病院・施設に対する理解度や入職意欲の高さを伝えることが大切です。
看護師の履歴書の基本ルールと注意点
まず、履歴書を作成する際の基本ルールと注意点をご紹介します。
良い履歴書とは
履歴書は、入職意欲や自分自身の魅力を文字のみで伝えなければなりません。応募先が求めている人物像を汲み取った上で、志望動機や自己PRが採用担当者に興味を持ってもらえる内容である必要があります。会ってみたい、面接したいと思ってもらえる履歴書を作成できるよう意識することが大切です。
そして、「良い履歴書」は作成ルールや注意点を守っていることが大前提です。
履歴書の基本ルール
看護師の履歴書を作成する際はルールに従って正しい表記で記入しましょう。
敬称の使い方 | ・病院の場合は「貴院」 ・運営団体が法人の場合は「貴社」 |
職歴 | ・「入職・退職」または「勤務・退職」と表記する ・学校名・企業名は正式名称で記載する |
年号 | ・西暦/和暦の表記を統一する |
資格・免許 | ・資格・免許は正式名称で記載する ・免許証が交付されている場合は「取得」 ・まだ資格はないが取得予定の場合は「取得見込み」 ・合格証が交付されている場合は「合格」 ・研修や講習終えた場合は「修了」 |
住所 | ・都道府県から正式な表記で記載する 例: |
履歴書作成の注意点
履歴書を作成する際は、以下の点に注意して作成しましょう。
- 間違えた場合は修正テープや二重線は使用せず、履歴書を書き直す
- 欄の空白を極力なくす
- 押印は擦れないように押す
- スタンプ式のハンコは使用しない
- 履歴書のコピーや使いまわしはしない
上記の行為は、採用担当者から「いい加減・適当な人」というイメージを持たれてしまいます。履歴書の作成には時間がかかりますが、一つひとつ丁寧に進めて仕上げることを心がけましょう。
看護師の履歴書の見本と書き方のポイント
ここからは、項目別に看護師の履歴書の書き方のポイントをご紹介します。
日付・証明写真・プロフィールの書き方
1.日付欄
履歴書を作成した日にちではなく提出する日にちを記載します。面接の際に直接渡す場合は面接日、郵送する場合は投函日を記載しましょう。
2.証明写真
履歴書に貼る証明写真は3か月以内に撮影したカラー写真を使用します。写真館できれいに撮影してもらうのがおすすめです。もし写真が剥がれても分かるように、裏面に名前を記載しておきましょう。
撮影時の服装はスーツもしくは白シャツにジャケットといった好印象を与える服装で、顔が見えやすいように髪の毛をきれいに整えましょう。
3.氏名・ふりがな
名前は大きく丁寧に書きましょう。姓と名の間に一文字分のスペースをあけて書くと読みやすいです。「ふりがな」と記載されている場合は“ひらがな”、「フリガナ」と記載されている場合は“カタカナ”で記載します。
4.生年月日
「満○歳」は今現在の年齢のことなので提出する時点での年齢を記載します。
5.現住所欄
実際に住んでいる住所を、都道府県からマンション・アパート名、部屋番号まで省略せずに記載します。番地表記はハイフンでつなげずに「○丁目○番地○号」と正式に書きましょう。
「連絡先」が現住所と同じ場合は「同上」と記載します。
6.電話番号欄
自宅に固定電話がある場合は固定電話と携帯電話の両方を記載しますが、固定電話がない場合は携帯電話のみで問題ありません。
メールアドレスは、病院から資料を送られてくることもあるため携帯電話のメールアドレスではなくGmail、Yahoo!メールなどを記載するのがおすすめです。「1」と「7」、「o」と「0」、「-」と「_」など見間違えやすい字は分かりやすくはっきり書きましょう。
学歴・職歴欄
学歴は中学卒業以降の入学・卒業年月を記載し、職歴は現在までの内容を記載します。ただし、アルバイトは職歴に含みません。
学校名、会社名と所属部署・科は省略せず正式名称で記載しましょう。自己都合による退職理由はすべて「一身上の都合」とします。すべて書き終えたら最後の行に「現在に至る」と記載し、一行下の右端に「以上」と記載するのも忘れないようにしましょう。
免許・資格欄
免許・資格は取得時期が古い順に正式名称で記載します。証書に書かれている年月を記載し、和暦・西暦は表記を統一しましょう。
例:2017年4月に看護師免許を取得した場合
また、取得見込みの場合は「◯◯年△月 看護師免許取得見込み」と記載します。業務に役立つ免許・資格はすべて記載するのが望ましいです。
長所・短所欄
ここでは自分の経験やスキルが業務にどう活かせるかをアピールします。短所は、短所だけで終わらせずプラスの評価につながるように日々努力していることも添えることがポイントです。
例文 私の長所は業務を早くこなせることです。常に今は何をすべきかを考え、時間や優先順位等も意識して業務を効率的に進めるよう意識しています。また急変対応なども率先して動くよう心がけています。 短所は仕事を早くしようとせっかちになってしまい、抜け漏れがあるところです。そのため、業務が終わるごとに必ず抜け漏れがないかチェックすることを心がけています。これを習慣づけることで、今では抜け漏れがほぼなくなりました。 業務の早さに加え、丁寧さや正確さを備えることができたため、スピーディかつ的確な対応が求められる救急外来で活躍したいと思い、応募させて頂きました。 |
また、趣味・特技欄がある場合は最低1つ記載し、面接で聞かれても答えられるようにしておきましょう。業務に役立つことであれば良い印象を与えられます。
退職理由・志望動機
志望動機は履歴書の中で特に注目される項目です。どの病院・施設にも当てはまる志望理由や空欄にするのはNGです。応募先の病院・施設に共感した点や魅力を感じた点を、ご自身の経験・目標と絡めて記載しましょう。
志望動機の書き方は、下記の「パターン別!志望動機の書き方と例文」で詳しくご紹介します。
また、退職理由は前職の不満を記載するのは避けましょう。職場の人間関係や残業の多さなどを指摘すると、同じ理由で辞めてしまうのではないかと思われてしまいます。ポジティブな印象となるように前向きな理由を記載しましょう。
看護師の転職の面接で退職理由を伝える際のポイントについてはこちら
本人希望欄
本人希望欄には、入職時期や希望する診療科、譲れない条件がある場合に記載します。ただし、給与や待遇に関する希望は履歴書には記載せず、面接の最後に質問するか、エージェントなどを通して伝える方法が良いでしょう。
特に希望がない場合は、「貴院(貴社)規定に従います。」と記載します。
パターン別!志望動機の書き方と例文
それでは、 履歴書作成の要となる志望動機の例文とポイントをパターン別にご紹介します。
経験年数別
第二新卒
第二新卒の場合は短期間での転職となるので、長続きしない、またすぐ辞めてしまうと思われる可能性があります。志望先の病院についてしっかり調べた上で、転職を決めた理由やなぜ志望先に選んだのかを明確に伝えてプラスの印象となるようにしましょう。
例文 クリニックで1年間勤務しました。まだ経験は浅いですが、看護業務の幅をより広げられる環境で働きたいと思い、転職を決意しました。地域の中核病院である貴院では症例も多岐にわたるところに魅力を感じ志望いたしました。 研修制度も充実している貴院で、看護師としての基本スキルから幅広い疾患に対応できる知識・技術を学び、さまざまな症例に対応できる看護師としてスキルアップしていきたいと考えております。 |
中途採用
中途採用では即戦力となる人材であることが重要視されます。リーダーやプリセプター業務などの経験は積極的にアピールしましょう。スキルアップやキャリアアップなど前向きな理由を述べるとより好印象です。
例文 総合病院で5年間勤務しました。前職ではリーダーとして業務を担い、新人看護師への指導も経験しました。チームをまとめる難しさを痛感し悩むこともありましたが、これまで培った経験は看護師としての自信と強みになりました。 今後はさらに看護スキルの向上を目指したいと思い、高度な医療体制が整っている貴院を志望致しました。これまでの経験を活かしながら、貴院の即戦力となれるよう尽力いたします。 |
診療科別
内科
内科では患者さんへの説明や処置を行うため幅広い看護知識と技術が必要となるため、これまで学んできたことや経験を具体的に伝えます。応募理由がありきたりな内容にならないよう応募先の特徴を掴みましょう。
例文 総合病院の内科で4年間勤務し、治療・処置・薬に関する知識から採血・注射など処置を学んできました。人数の多い職場ではなかったため、常に自身で考え学びながら戦力になることが求められる環境であり、看護師としての基礎をしっかり身に着けることができたと感じています。 新しい医療技術を取り入れながらも一人ひとりの患者さんに適した治療を第一としている貴院に魅力を感じ、これまで培った知識や技術を活かし、今後は地域の方の生活のサポートをしていきたいと思い志望しました。 |
小児科
看護師として「子どもが好き」という理由だけでは採用の評価につながりません。小児科の魅力や子どもに関わりたいと感じたきっかけをアピールして熱意を伝えることが大切です。
例文 地元のクリニックで4年間勤務し、看護スキルだけでなく幅広い年代の患者さんとの関わり方を学びました。その中で、最初は嫌がったり泣いたりしている小児患者さんが次第に心を開いてくれるようになった時は、他では得られない喜びを感じました。小児医療に携わりたいという思いが強くなり、子ども一人ひとりに合った医療サービスの提供を理念に掲げている貴院に共感し、志望しました。 これまで学んできた患者さんやご家族との関わり方を活かし、子どもの成長をサポートできるよう努めていきたいと思っています。 |
精神科・心療内科
精神科・心療内科といった専門性の高い診療科へ転職する場合は、なぜこの分野に携わりたいのかについて具体的なエピソードがある志望動機にすると説得力が増します。その上で、自分に何ができるのかを伝え、戦力として活躍したい意欲やキャリアプランを伝えると好印象です。
例文 前職は総合病院に6年間勤め、多くの経験を積む中で精神疾患を併発している患者さんを対応する機会がありました。当時は、精神疾患への知識が不十分だったために悩むことが多く、この経験から精神疾患に関する知識を深めたいと思い、貴院を志望致しました。 現在、精神科認定看護師の資格取得を目指して勉強中です。貴院のように専門性の高い病院で学び、患者様やご家族の心と体どちらもケアができる看護師を目指したいと考えています。 |
転職先別
大学病院・総合病院
大学病院や総合病院など規模の大きな病院を志望する際は、単に「スキルアップしたい」だけでなく、転職したいと思ったきっかけやエピソードを加えることで採用担当者へ熱意が伝わります。どのような看護を行いたいのか、何を学びたいのか具体的に伝えましょう。
例文 前職では○○科で3年間勤務し、患者さんの治療やケアに取り組んできました。しかし重症患者さんは専門病院へ転院するケースが多く、経験を重ねる中でもどかしさを感じることが多々ありました。そのため、高度な医療体制が整っている貴院で今までより多くの患者さんと携わるとともに、専門性の高い看護スキルを身に付けて自身の成長へつなげたいと考えています。 |
クリニック
志望先のクリニックのどんなところに魅力を感じたか、クリニックでどのような看護をしたいのかを説明することが大事です。「一人暮らし世帯が多い」「高齢者が多い」などその地域特性を理解していると評価につながります。
例文 総合病院の急性期病棟に5年間勤務し、高度な医療技術を学ぶことにとてもやりがいを感じていました。一方で、一人の患者さんと長く向き合いケアを行う機会はあまりなく、一人ひとりとコミュニケーションを取りながら、患者さんにじっくり向き合う看護がしたいと思うようになりました。 貴院では地域密着型の医療サービスを提供しており、患者さん一人ひとりに寄り添う理念に非常に魅力を感じています。これまで培った看護技術を活かしながら、地域医療に貢献していきたいと思い、志望しました。 |
訪問看護
訪問看護に興味を持ったきっかけを、ご自身の経験やエピソードを絡めて記載すると伝わりやすいです。在宅看護の経験がない場合は前職で得た強みをアピールし、訪問看護の中でも志望先で働きたい理由を記載しましょう。
例文 総合病院で看護師として3年間勤務しましたが、祖父が訪問看護の利用を始めたことをきっかけに、住み慣れた在宅での看護や退院後の生活のサポートを行う訪問看護師の仕事に興味を持ち、志望致しました。 さまざまな症状の患者さんと向き合う中で身に付けた対応力や看護経験を活かしつつ、利用者様やご家族が安心できる生活を送れるように在宅看護について学んでいきたいと思っています。また、貴院では資格取得支援が充実しているところにも惹かれ、経験を積んだ後はスキルアップを目指して認定看護師の資格取得にも挑戦したいと思っています。 |
履歴書を書き終えたら
履歴書を書き終えたら、最終確認として以下のポイントをチェックしましょう。
- 誤字脱字
- 数字に間違いはないか
- 読みやすい履歴書になっているか
- 空欄の項目はないか
- 志望動機について聞かれても返答できるか
履歴書は応募者の第一印象となる重要な書類です。ミスや記入漏れに気付かず提出してしまうと、採用者側にマイナスイメージを持たれてしまう可能性もあります。履歴書を提出する前に、すべての項目を入念に確認しましょう。
履歴書だけでなく「職務経歴書」で看護師スキルをアピールしよう
職務経歴書は、これまでの業務経験や身に付けた知識・スキルを記載する書類です。入職後にどのような貢献や活躍ができるかなど、履歴書だけでは伝えきれないアピールポイントを分かりやすく、より具体的に伝えることができます。履歴書とあわせて職務経歴書も作成し、自己アピールにつなげましょう。
職務経歴書の書き方とポイントはこちら
仕事をしながら履歴書や職務経歴書といった応募書類を用意するのはなかなか大変なものです。転職エージェントなどを活用すると、書類作成のポイントを教えてくれたり、履歴書の添削をしてくれたり、転職のサポートを行ってくれます。
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看護師の履歴書についてよくある質問
看護師の履歴書についてよくある質問をご紹介します。
質問:履歴書は手書きの方が良い?
回答:履歴書は指定がなければ手書き、パソコンのどちらで作成しても問題ありません。
最近ではフォーマットのダウンロードが可能なので、印刷してご自身で記入する、もしくはパソコンのWord、Excel、PDFで簡単に履歴書を作成できます。
手書きで書く場合は誤字脱字がないよう丁寧な字で記入しましょう。作成時間を短縮したい場合はパソコンで作成するのがおすすめです。重要なのは内容がしっかりと書かれていることなので、ご自身に合った方法で作成しましょう。
質問:履歴書と職務経歴書はどう違う?
回答:履歴書と職務経歴書は以下のような違いがあります。
履歴書 | 職務経歴書 | |
内容 | プロフィールを記載する | これまでの具体的な経験や業務に活かせる知識・スキルを記載する |
記載項目 | ・日付 ・プロフィール(名前、住所、電話番号、生年月日など) ・学歴 ・職歴 ・免許、資格 ・志望動機 ・自己PR | ・日付 ・名前 ・職務経歴 ・免許、資格 ・スキル、経験 ・自己PR |
枚数 | 基本は1枚 | 1~3枚 |
転職エージェントを利用すると、履歴書と職務経歴書を簡単に作成できる専用フォーマットを利用できる場合があります。また、履歴書と職務経歴書の添削も行ってくれるため、効率よく書類の準備を進めることができます。ご自身だけで作成するのが不安な方は、ぜひキララサポートへご相談ください。
質問:履歴書と職務経歴書に書く志望動機は同じ内容で良い?
回答:履歴書と職務経歴書に書く志望動機はまったく同じ内容にならないよう、書き分けることがおすすめです。履歴書には要点をまとめた内容を記載し、職務経歴書にはより具体的な内容を記載すると良いでしょう。
空欄があると「意欲がない人」と思われてしまう可能性があるため、履歴書も職務経歴書もしっかり埋めることが大事です。
まとめ
看護師の転職活動を進める上で、履歴書は応募先の病院・施設にご自身のことを伝える最初のステップです。履歴書作成を作成する前に、基本的なルールや書き方、注意点を押さえておきましょう。
希望する応募先に採用してもらうためにも、ご自身の魅力や意欲的な姿勢がしっかりと伝わる履歴書を作成しましょう。
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