長期治療が必要な慢性期の看護とは?慢性期病院の特徴や看護師の役割

公開日: 更新日: 看護 , 看護の仕事

慢性期病院では患者に継続的な治療とリハビリテーションを行い、在宅復帰を目指すための看護を行います。長期入院の患者も多く、長期的なサポートを必要としています。そのため、急性期に比べて患者一人ひとりに深く関わることが多いのが特徴です。同じように患者の療養やリハビリをメインに行う回復期との違いは何なのでしょうか。

今回は、慢性期の看護について、慢性期病院の特徴や看護師の役割について解説します。

慢性期の看護とは

患者の手を握る看護師慢性期とは、患者の病状が落ち着いている時期のことを指します。慢性期病院では、急性期の治療が完了または在宅医療中に状態が悪化した患者に継続的な治療とリハビリテーションを行い、在宅復帰を目指すための看護を行います。

慢性期病院に入院している患者の半数は脳卒中疾患のため、24時間体制の管理に加え、延命治療だけではなく看取りやターミナルケアも業務の一部となるところがほとんどです。

また、病状が安定しているものの帰宅が難しい方や、在宅療養していて体調を崩してしまっただけではなく、在宅療養が難しい状況の方が入院しているケースもあります。急性期病院の平均在院数は18日以内ですが、慢性期病院は90日超えと、長期間入院されている方への看護を行うのも慢性期病院の特徴です。

急性期と回復期、慢性期はどのような違いがあるのでしょうか。各ステージについては下記の表の通りです。

急性期病気の症状が現れる、容態が危機的な状態急性期とは?
回復期急性期から脱し、容態が安定した時期
リハビリ等の治療で身体機能の回復・社会復帰を目指す
回復期とは?
慢性期症状が比較的安定しており、再発予防や体力回復の期間

急性期は容態が安定しないため、状況の変化が多いでしょう。回復期・慢性期は容態が落ち着いていて、回復のために療養します。

回復期と慢性期のリハビリの違い

回復期とのリハビリ内容の区別がつきにくいと感じる方もいるかもしれません。回復期と慢性期は、リハビリの目的が異なります。

回復期は、急性期を経過した患者が在宅復帰に向けて医療やリハビリをする時期を指します。そのため、治療や機能回復を目的としたリハビリを中心に行います。

一方で、慢性期のリハビリは、病状の悪化を防ぐのを目的としたリハビリ内容です。

慢性期の病院の特徴

慢性期の病院の特徴慢性期の病院は、「療養型病院」がほとんどです。医療処置が必要な医療療養と要介護認定の必要な介護療養がありますが、介護療養は高齢化が進んでいることや看護師不足から廃止されています。

慢性期の患者は高齢の方が多く、リハビリや透析などが中心となっています。病院側は患者を24時間サポートするため、基本的には夜勤あり・二交代または三交代での勤務となります。

慢性期病院での看護師の役割

慢性期病院の看護師の役割慢性期病院での看護師の役割は、リハビリや透析など療養生活のサポートが中心となります。

合併症の予防のほか、口腔環境・排泄状況・皮膚の状態など全身を管理、疾患が悪化した場合は早期発見できるよう小さな変化も見逃せません。長い間入院されている方もいるため、一人の患者とじっくりと向き合うことが大切です。

また、病状が安定しているとはいえ、症状をいつものことだと思い込んだり上手く言葉にできなかったりして、医師や看護師に伝えられないこともあります。そのため、検査値などの数値はもちろん、表情や行動など言葉以外で患者の状態を察知することも必要です。

看護師が慢性期病院で働くメリットとデメリット

慢性期病院を選ぶと、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、看護師が慢性期病院で働くメリットについてご紹介します。また、働く上でのデメリットもあります。デメリットについても把握しておきましょう。

メリット

患者と深く関わることができる

カルテを記入する看護師まずメリットとして挙げられるのが、患者と深く関わることができます。急性期の場合は、急性期を脱したらすぐに転院・退院することも多く、入院期間が短いです。そのため、患者と深く関わる機会が少ないでしょう。慢性期の場合、療養で長い間入院している患者が多いため、寄り添った看護ができます。

経験の多いスタッフから学べる機会が多い

次にメリットとして挙げられるのが、経験を積んだスタッフから学ぶ機会が多いという点です。急性期と比べて急務が少なく落ち着いた環境が多いことから、丁寧に教育してもらえるケースが多いです。

ワークライフバランスが保ちやすい

慢性期の病院は、落ち着いた環境で急務が少ないことから、ワークライフバランスが保ちやすいのもメリットといえるでしょう。プライベートも大切にしたいと考えている方や残業はあまりしたくないという方に向いています。

デメリット

急性期と比べて医療行為をする機会が少ない

急性期は救急対応や早期退院を目指した治療を行います。そのため、医療行為をする機会が多いといえます。慢性期の場合は、リハビリや療養生活のサポートが中心となることから医療行為をする機会が急性期と比べて少なく感じるかもしれません。

ただ、医療行為が少なくても、幅広い領域の疾患を抱えている患者が入院しているため、さまざまな知識が身につくでしょう。

患者と関係性の構築が必要

慢性期に入院する患者とは長い付き合いになることから、関係性の構築が必要になります。コミュニケーション能力や聞く能力だけではなく、表情やサインで相手の感情を読み取ることが必要です。

急性期や回復期の病院・施設であってもコミュニケーションは必要ですが、特に慢性期病院では求められるスキルといえます。

慢性期病院にはこんな看護師がおすすめ

慢性期病院で働く看護師慢性期病院には、以下に当てはまる看護師におすすめです。

  • じっくり患者と向き合いたい人
  • ワークライフバランスを保ちたい人
  • 落ち着いた環境で看護したい人
  • 看護師として支援することにやりがいを感じる人

長い間入院することから、じっくりと患者に向き合うことができます。そのため、じっくりと患者と向き合いたいと考えている方は向いているといえます。また患者の生活をサポートすることから、看護師として支援することにやりがいを感じる方に向いているといえるでしょう。

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慢性期病院への転職はエージェント利用がおすすめ

急性期や回復期の病院から、慢性期病院への転職を考えている方もいるでしょう。現在、転職を考えている方や、現職を続けながら次の転職先を探したい方は、転職エージェントの活用がおすすめです。転職の際は病院の情報を把握したり、履歴書や面接の準備をしたりとやることが多く、仕事をしながら探すのはなかなか難しいでしょう。そこで、転職エージェントを活用することで、さまざまな情報が得られるのはもちろん、履歴書や面接対策などのサポートもしてくれます。

キララサポートでは、専任のコンサルタントが希望条件にあった求人のご紹介から履歴書の添削や面接対策といった入社までの細かいところまでサポートします。そのため、忙しい毎日を送る看護師も少ない時間で条件に合う求人を見つけることができるでしょう。仕事が忙しく求人を探す時間がないという方はぜひご活用ください。

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まとめ

今回は、長期治療を行う慢性期の看護や慢性期病院の特徴、看護師の役割について解説しました。慢性期は、病状が比較的安定しており、再発予防や体力回復の期間を指します。長期入院されている方がほとんどで、看護師はリハビリや透析など療養生活のサポートを行うことが一般的です。長い療養生活を支えることから、患者のルーティンや好みなども把握する必要があります。急務が少ないため、ワークライフバランスを保ちたいという方にはおすすめです。

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kiralike編集部

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