看護師さん必見!生活リズムと体調をしっかり管理するには【前編:体内時計のメカニズム】
公開日: 更新日: 看護お役立ち情報日々の疲れをリセットするためには、しっかり睡眠をとるのが一番!とはいえ、夜勤が続くときなどは、生活のリズムが崩れがちです。看護師さんが夜勤時の身体の負担をなるべく軽くし、体内時計を上手にコントロールするヒントをご紹介します。
ヒトにとって、睡眠は何時間必要なの?
一般的に、理想の睡眠時間は8時間だと言われています。ただし、必要な睡眠時間というのは年齢によって異なります。生後3か月までの新生児では1日に14~17時間の睡眠を必要とするのに対し、65歳以上になると5時間程度の睡眠でも問題なく日常生活を送れる方ももいます。
ですが、2015年に行われたNHKの調査によると、国民全体の1日の睡眠時間の平均は、平日が7時間15分、土曜が7時間42分、日曜が8時間3分となっており、中でも20~50代の働き世代の平日の睡眠時間は、残念ながら7時間を切ってしまうという結果もでています。
睡眠は、体だけでなく大脳を休ませるためにも必要で、寝不足になると脳の海馬(情報を一つにまとめる部分)の記憶が低下してしまいます。また、寝不足状態が続いて体内時計が乱れるとさまざまな健康トラブルを引き起こす恐れがあり、決して軽視することはできません。
- 参考:国民生活時間調査(NHK放送文化研究所)「日本人の生活時間・2015」
夜になると眠気を感じるのは「メラトニン」の影響
では、ヒトはなぜ夜になると眠気を感じる のでしょうか。これには、脳の奥深くにある松果体(しょうかたい)という部位で分泌されるホルモン「メラトニン」が大きく関わっています。
メラトニンには体温を下げて眠りへと誘う作用があり、夜に近づくにつれて徐々に分泌量が増えていきます。朝になると、目から入った太陽光が体内時計のある視交叉上核(しこうさじょうかく)に伝わり、体内時計がリセットされます。体内時計が「朝」と認識することで体温が上昇していき、メラトニンが消失して目が覚めるのです。
生物の体内時計、サーカディアンリズムとは
このように、私たちの体は意識しなくても朝になると覚醒し、体温の上昇と共に活動に適した状態になり、そして夜になると睡眠に適した休息状態に切り替わります。このように、体内時計によっておよそ24時間周期で繰り返される睡眠と覚醒のリズムを「サーカディアン(概日※)リズム」 と呼びます。
※厳密には、ヒトの体内時計は24.8時間にセットされているものの、24時間のリズムに合わせて生活している ために「概日」と呼ばれます。
体内時計は、光による明暗、食事、運動、睡眠環境などに影響されますが、その中でも特に光の影響を強く受けています。よって、太陽の光が届かない夜は体温が低下して睡眠欲求が強まるため、夜勤中に眠くなるのは生理的にあたりまえのことなのです。
では、夜勤続きでサーカディアンリズムが乱れてしまったとき、体調を崩さないようにするにはどうすればよいのでしょうか。「後編:身体への負担を軽くするヒント」では、仮眠や光を上手に使って体内時計をコントロールするヒントについてご紹介します。
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