訪問看護師とは?仕事内容・資格・年収について
公開日: 更新日: 看護の仕事多様化しつつある看護師の勤務先は、病院だけではなくなってきています。在宅医療を支える訪問看護という働き方が増えており、興味を持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回の記事では、訪問看護師の働く場所や仕事内容、病棟の看護師との違いなどをご紹介致します。
目次
訪問看護師とは
自宅療養をする患者の家に医師や看護師が訪問し、ケアを行う医療サービス「訪問看護」の現場で従事する看護師を訪問看護師と言います。訪問看護師は健康状態のチェックや医療処置、身体介護などを行います。
訪問看護制度は、1991年の老人保健法とそれに関連する法律の改正により設けられ、1992年4月より開始しました。1992年当初は寝たきりの高齢者を対象にサービスが提供されていましたが、2年後の法改正により、難病患者や障碍者も利用できるようになったとのことです。
現在、高齢化が進む日本では、高齢者や病気を抱える人が可能な限り住み慣れた地域で、その人らしい生き方を最後まで続けられるサービス体制「地域包括ケアシステム」の構築が推進されています。その流れから、在宅医療を支える訪問看護という働き方が増えており、訪問看護に注目が集まっているようです。
実際に、訪問看護ステーションの数は年々増加しており、2000年に5,000か所以下だった施設数が2018年には9,600件以上になっています(※1)。
診療科は内科だけでなく、精神科、脳神経、整形外科などの回復中心のケアや終末医療など多岐に渡ります。
主な活躍の場
訪問看護師の主な勤務先としては、訪問看護ステーション、病院、クリニックなどが挙げられます。訪問看護ステーションは訪問看護師の拠点であり、所属する訪問看護ステーションから各自の担当患者の家へ向かいます。
近年、訪問看護ステーションの数は増えている一方で、病院やクリニックで訪問看護を実施しているところは減少傾向にあります(※2)。今後は病院、クリニックよりも訪問看護ステーションでの活躍が中心になっていくと考えられます。
病院の看護師との違いは?
病院勤務の看護師と訪問看護師の違いは、「病院か居宅か」だけではありません。それぞれの違いを見ていきましょう。
設備
病院は医療ケアを専門に行う場所ですので、必要な設備や備品は全て揃っている環境です。一方で、訪問看護は患者の日常生活の場で処置を行うため、設備も備品も必要最低限となります。居住環境は十人十色であるため、一人ひとりの暮らしにあわせ柔軟に対応しなければなりません。
患者と関わる時間の長さ
病院では入院・退院があり退院するとそれ以降は患者との関わりはなくなることが一般的です。一方で訪問看護は生活の支援が業務の一部になってくるため、患者が訪問看護を利用しなくなるまで関係は続きます。
入退院で担当患者が変わる病院の看護とは異なり、訪問看護師は長期間に渡り患者を支えることができます。
地域や他職種との関わり
訪問看護師は、医師や看護師、患者だけでなく患者の家族やケアマネージャー、地域や行政など他職種との関わりが多くなります。より多くの人との連携が必要となる点も、病院の看護師との違いです。
訪問看護師になるために必要な資格・経験
訪問看護師になるためには看護師または准看護師の資格が必要です。また、訪問看護ステーションや訪問看護を実施する病院やクリニックに勤務することも条件となります。
看護師としての臨床経験
訪問看護師は医療処置や身体介護、医師、利用者やその家族とのコミュニケーションなど、あらゆる業務を1人で担当します。その上、医師が不在の中自分で判断して対応しなければならないため、看護師としての臨床経験は3年以上ある方が望ましいとする職場が多いようです。
臨床経験があれば、未経験でも勤務可能な訪問看護ステーションは多くあります。これから訪問看護師としてのキャリアを始めたい方は先輩が同行して指導してもらえる職場や、研修制度が整っている求人を探してみるといいかもしれません。
キャリアアップ
訪問看護師としてのキャリアアップとして、訪問看護ステーションの管理者が挙げられます。勤務先によりますが、訪問看護ステーションの質の向上や地域の包括ケア改善に貢献する役割を担います。
訪問看護師の給料
キララサポートで扱っている求人を例に、訪問看護師の給与を見てみましょう。
神奈川県横浜市 訪問看護ステーション 常勤
年収4,124,000円~5,436,000円
東京都葛飾区 訪問看護ステーション 常勤
年収4,800,000円~
福岡県太宰府市 訪問看護ステーション 常勤
年収3,656,500円~4,079,000円
地域や経験にもよりますが、400万円~500万円が相場のようです。賃金構造基本統計調査によると、看護師全体の平均年収は482.9万円で、訪問看護は夜勤がない点を考慮すると、給与水準は高いといえます。
訪問看護師に向いている人
利用者さんとじっくり関わりたい人
病院看護師との違いでも触れましたが、訪問看護師は利用者や患者と関わる時間が長い点が特徴です。入院中だけでなく、療養中全ての医療サポートを提供したい方は訪問看護が合っているかもしれません。
地域医療、在宅医療に貢献したい人
社会の高齢化が進む中、地域医療における訪問看護が担う役割は大きいといわれています。地域の担当者や介護職員など、他職種と連携しながら地域に根ざすことができる仕事に興味があれば、検討してみてはいかがでしょうか。
コミュニケーション能力がある人
1人で患者の家を訪問するケースがほとんどの訪問看護師にとって、コミュニケーションは必要不可欠といえます。技術的に優れている看護師でも、コミュニケーション不足で患者が看護師のことをストレスに感じてしまうと満足な医療が提供できないかもしれません。
また、患者以外にも関係各所と連携を取り、業務を進めていく必要があるため、他社との交流や連携にやりがいを持てる人の方が訪問看護師として活躍できるでしょう。
まとめ
医療提供だけでなく、患者の生活を支えることができる訪問看護師についてご紹介しました。在宅でのケアを1人で担当する訪問看護師は、初めて勤務する方には不安が多い職業かもしれません。ですが、始めから1人で全て行う必要はなく、先輩看護師や他職種に助言を求めながら仕事を進めていくことで業務を身に着けることができます。
看護業界に特化したキララサポートでは、未経験から始められ、丁寧に訪問看護を教えてくれる体制の整っている職場を数多くご用意しています。
興味を持っていただけた方は、ぜひキララサポートへご相談ください。
参照(キララサポート以外のページに移動します):
※1、2 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000491025.pdf
※3 統計資料
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00450091&tstat=000001011429
忙しいあなたに寄り添った転職サポートをします。
LINEでも気軽に無料相談できます
給与や残業時間、職場の人間関係などリアルな情報をお届け
履歴書作成や面接対策、条件交渉など安心しておまかせ
キララサポート編集部
最新記事 by キララサポート編集部 (全て見る)
- 【2歳児・12月】月案・週案の例文!ねらい、養護、子どもの姿、食育など書き方をご紹介 - 2024年11月21日
- 【2024年最新】保育士さんにおすすめの派遣会社8社をご紹介!派遣が向いている方の特徴やメリットも解説 - 2024年11月19日
- 派遣保育士なら職場の人間関係で悩まず働ける?派遣保育士の働き方とは - 2024年11月19日