介護職員の離職率は高い?離職理由や離職率の高い職場の見分け方

公開日: 更新日: 介護 , 介護お役立ち情報

近年の介護業界は慢性的な人手不足が課題となっており、その要因の一つが介護職員の離職率の高さにあると言われています。今回のコラムでは、介護職員の離職率が他職種に比べ高いのかどうかに加え、離職理由や離職率の高い職場の見分け方等を解説します。

介護職員の離職率は高い?

介護職(訪問介護・介護職員)の実際の離職率は2019年が15.4%(※1)で、2018年と横ばいで推移しています。同年上半期の全産業の離職率が9.7%(※2)のため、介護職の方が離職率は高いのが現状のようです。ただ、2014年~2017年の介護職員の離職率は16%以上が続いていたため、近年は離職率が改善してきているといえます。

介護職員の退職理由

介護職員の離職率増加に繋がる退職理由はどんなものがあるのでしょうか。介護労働安定センター(※3)の資料から、主な理由をみてみましょう。

介護職員の主な離職理由
・人間関係
・結婚
・妊娠、出産
・育児
・経営理念や運営への不満
・他に良い職場があった

人間関係を理由に挙げた方が22.7%、結婚・出産等のライフイベントの方は20.3%でした。介護を含む医療福祉業界以外で働いていた方の退職理由は一位がライフイベント(26.4%)で、他職種に比べ介護職は他の職種よりもライフイベントによる退職は少ない傾向にあるのがわかります。一方で、人間関係を退職理由にしている割合は介護職が22%に対し、介護職以外は14.8%となっています。さらに経営理念や運営への不満も介護職が16%に対し、介護職以外は8%となっているため、人間関係や運営に対する不満が介護職員に多いことが分かります。
他にも、評価体制が整っていない、キャリアアップが望めない等、将来のステップアップに不安を感じ、転職を決意したという声もあります。従業員のキャリアップや資格取得に際し、手厚いサポート体制を用意している職場は沢山あるため、介護士として成長していきたい方は職場探しの際にチェックすることをおすすめします。

介護職員の離職率、高まる要因は職場の人間関係?

介護労働安定センターの資料からも分かる通り、介護職員にもっとも多い退職理由は職場の人間関係でした。施設長や管理職とうまくいかない、同僚とのコミュニケーションが良好でない等が具体的な辞める理由になる傾向があるようです。近年は介護職員の離職率を下げ、長く定着してもらえるよう、マネジメント研修の実施やハラスメントのない環境作りを行う施設も増えてきています。

離職率の高い介護施設の見分けるポイント

一つの職場で長く活躍するために、離職率の低い職場探しをしたいと思う方も多いのではないでしょうか。離職率が低い職場を探す際に参考にして頂きたいポイントをご紹介します。

時間外手当などの諸手当に関する記載がない

残業代や手当が出ない、仕事の量に対する給与が見合ってないことを理由に退職したという声もよく聞かれます。求人票の給与や入職前に聞いていた待遇と異なる場合、当然ですが転職を検討する方が多く、離職率の高さに繋がるようです。ここで注意したいのは、残業がある=離職率が高い職場とは言えない点です。残業がある職場は珍しくないため、残業した分きちんと手当が支払われる職場かどうかは求人票からチェックしておきたいですね。

介護職の残業代についてはこちらの記事も是非チェックしてみてくださいね!

採用担当者の態度(高圧的など)

応募者と採用担当という立場の違いがありますが、面接の段階では応募者は外部の人間です。外部の人と関わる場において適切な対応がとれない採用担当者が働いている職場は、人間関係がうまくいっていないケースもあります。離職理由に人間関係を挙げる方が多いことから、離職率の高さを採用担当者から推測することも一つの手段です。

職員の対応

施設見学の際に、すれ違う職員の挨拶や笑顔をチェックしてみてください。挨拶がない、笑顔がない場合は労働環境に問題がある場合が想定されます。職員同士のコミュニケーションの様子も見ておくことをおすすめします。

施設内の清掃が行き届いていない

見学の際、施設内の共有スペースの清掃が行き届いているかも併せて確認したいポイントです。一般的に、業務量が多く、スタッフに余裕がない施設は清掃が後回しになりがちといわれています。清掃に手が回らない程忙しいため、離職率の高い職場になっているかもしれません。一方で、建物が古い施設でも、照明の明るさが十分かつ清潔感があれば問題ないといえます。

職場選びの際にしておきたいこと

転職先とのミスマッチを防ぐために、求人を探す前に何を重視したいか、譲れない部分を明確にしておくことが公開のない転職に繋がります。例えば、多少残業があっても、介護観が一致し人間関係の良好な職場なら納得した上で長く勤務することができる方もいます。自分にあった職場を見つけるためには、自分の希望や優先順位を明確にしておくことで転職後の離職リスクやギャップを回避することができる場合が多いようです。

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まとめ

介護職員の離職率についてご紹介しました。介護職自体の離職率は他職種に比べて高いものの、給与や労働環境は今後の変化が期待でき、離職率も改善していく場合があります。自分の介護観や就業条件にあった職場をみつけることで長く勤め続けられるケースもあるため、やめたいと思ったときには思い切って転職という手段も視野にいれてみてはいかがでしょうか。

参考(キラライク以外のサイトに移動します):
※1 介護労働安定センター
http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/2020r02_chousa_kekka_0818.pdf

※2 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/20-1/dl/kekka_gaiyo-01.pdf

※3 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000340639.pdf

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タグ : 人間関係の悩み
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kiralike編集部

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