看護師はパワハラを受けることが多い?パワハラ被害の実例と対処法
公開日: 更新日: 看護師の働き方・環境職場におけるパワハラはどの業界でも起こり得る問題ですが、その中でも看護師はパワハラを受けることが多いとされています。しかし、その実態はなかなか表面化されることがないため悩んでいる看護師は多いのではないでしょうか。
パワハラを受けた側は精神的にストレスを抱え込んでしまい、退職や転職につながるケースも少なくないため、早めに対処しなければなりません。
今回は、看護師のパワハラ被害の実例や対処法についてご紹介します。最後に転職をする際のポイントもご紹介しているので、職場のパワハラで悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
目次
看護現場の「パワハラ」について
看護師は、さまざまな職種の医療従事者や幅広い年代の患者など、多くの人と関わる職業です。その中でも、看護現場におけるパワハラの多くは上司からの被害であるケースがほとんどです。2019年の看護実態調査報告書によると、看護師が上司から受けるパワハラは、過度な叱責や暴言など「精神的被害」が最も多い結果となっています。その他に、無視をして職場内で孤立させるといった「人間関係からの切り離し」や、能力に見合わない業務・やる必要のない業務を強要する「過大な要求」などが挙げられます。看護師は上下関係がしっかりと築かれる職場ですが、先輩・後輩間の人間関係が厳しくて辛いと感じる人も多いようです。
看護師に多いパワハラの背景
看護師のパワハラを引き起こす要因として、一つ目にストレスが挙げられます。医療現場は慢性的な人員不足が続いており、業務過多になりやすい環境です。特に夜勤がある病院では、不規則な勤務形態から疲れやストレスが溜まりやすくなるでしょう。過密スケジュールの中で心に余裕が持てず、指導の際につい声を荒げてしまうことが多いのかもしれません。
二つ目の要因として、看護師は人の命を扱う特殊な職場環境にあることが挙げられます。医療現場ではミスや失敗が許されない職場風土から、医師や先輩看護師から常に厳しい言葉を受けやすいです。しかし、パワハラをしている側は業務上安全面における指導の一環としており、「パワハラ」という認識はありません。
また、医療現場はそれぞれの科が独立しており、閉鎖的空間にいるというのも要因の一つでしょう。一般企業と比べて人間関係が見えにくい環境にあるため、パワハラ問題が表面化されないというのが実情です。
国内の病院で起きた看護師のパワハラ被害事件の実例
ここからは、看護師のパワハラ被害事件として問題となった実例をご紹介します。
北海道立看護学院で起きたパワハラ被害
北海道立江差高等看護学院の学生らが複数の教員からパワハラを受けたと訴え、調査の結果、教員による暴力・暴言などのパワハラが34件あったことが発表されました。また、別の看護学校からも訴えがあり、紋別高等看護学院においても同様に18件のパワハラ被害があったことが発覚しました。パワハラとして認定されなかったケースを含めると、両校合わせて計101件もの被害の訴えがあったとのことです。
当時のニュース:看護学院パワハラ52件 北海道が謝罪
日野市立病院で起きたパワハラ被害
日野市立病院では、看護部の会議に出席した15人の看護師に1人の看護師の業務上の問題点や課題について全員に発言させたとして、女性看護部長を減給10分の1、女性副看護部長を戒告の懲戒処分にしたとの発表がありました。同市立病院では過去にも副院長によるセクハラ行為もあり、病院内で長期に渡ってハラスメント行為が繰り返されていたようです。
当時のニュース:第三者実態調査委員会報告書
パワハラは仕事に悪影響を及ぼす
パワハラは被害者の仕事やメンタルヘルスに悪影響を及ぼします。パワハラは受けた側にとって精神的ダメージが大きく、仕事において本来の能力を発揮できなくなってしまいます。パワハラを受けたまま働き続けることで体調を崩し、場合によっては転職や退職へとつながります。
パワハラが職場全体の問題となっている場合、職場環境が悪くなることで職員のモチベーションや生産性が低下してしまいます。退職者や転職者が耐えず人手不足で業務過多となり、残業も増えてしまうことでしょう。このようにパワハラは被害者だけでなく職場全体にも悪影響となります。
看護師がパワハラを受けたときの対処法
もし看護師が職場でパワハラを受けたらどのように対処すべきかをご紹介します。
パワハラの証拠を残す
継続的にパワハラを受けている場合は証拠を残しておきましょう。証拠がなければパワハラだと認められず、指導の一環だとされてしまいます。いつ、誰にどんなパワハラを受けたのかなど、被害の内容を動画や録音などに残しておけばパワハラが起こっていることを証明することができます。
第三者に相談する
パワハラ問題は一人で悩まずに、第三者に相談して力を借りましょう。人間関係のトラブルは部署異動や転職など、環境を変えることで解決できることが多いです。
もし職場内で相談できる人がいなければ外部の相談窓口を頼ると良いでしょう。パワハラについて相談できる外部機関は以下のようなところです。
- 日本看護協会
- 地方自治体
- 労働基準監督署
- 弁護士
状況が変わらない時は転職など環境を変える
継続的にパワハラを受けていると精神的ストレスで心が疲れてしまいますよね。その場合は十分な休養期間をしっかりとってから転職活動を始めましょう。衝動的に退職したり転職先を決めたりすると、あとから後悔してしまうケースは多くみられます。転職先を決めるときは情報収集をしてじっくり比較検討する必要があります。もし不安な場合は、正職員として就く前に紹介予定派遣で実際に働いてみるのもおすすめです。
転職エージェントを利用すると、職場の雰囲気や体制など求人情報だけでは分からない職場の実態を知ることができるので転職活動をスムーズに進められます。
キララサポートでは、看護師として活躍できる求人を多数掲載しており、専任コンサルタントが一人ひとりに合った職場の情報をご紹介しています。転職後のサポートも可能なので、パワハラや職場環境で悩んでいる方は一緒に働きやすい職場を見つけましょう。
看護師のパワハラに関するよくある質問
看護師のパワハラに関するよくある質問をご紹介します。
Qパワハラを理由に転職するとき、面接では何と説明すべきですか?
面接で転職理由を聞かれた際、パワハラについて話すときは客観的事実のみを伝えましょう。また、パワハラだけが転職の理由ではネガティブなイメージを持たれてしまうため、キャリアアップなど転職して実現したい目標を伝えてポジティブな理由に変換しましょう。
Qパワハラのない職場か判断するにはどうすれば良いですか?
パワハラのない職場かどうかを見極めるには、実際に自分の目で確かめてみることが重要です。パワハラが起こりやすい職場は、職員同士のコミュニケーション不足や看護師の表情が暗いなどさまざまな特徴が挙げられます。病院へ見学に行ったり、転職エージェントを利用して職場の雰囲気を聞いてみたりすると良いでしょう。
まとめ
今回は、看護師のパワハラの実態や対処法についてご紹介しました。看護現場は大量の業務に追われて忙しい日々を送っており、仕事の特性から必要な指導とパワハラの線引きが難しくなります。今の職場で「働き続けることが辛い」「もしかしてパワハラを受けているかも…」と感じたら、はやめに対処して働きやすい環境への改善を試みましょう。
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