保育士の残業の実態と平均時間とは。「残業なし」は実現可能?

公開日: 更新日: 保育士の働き方・環境

保育士の残業時間保育園で働く保育士さんは、行事・イベントなどが重なる時期などは特に、残業の多さに悩まされることも多いのではないでしょうか。「全国の保育士さんはどのくらい残業しているの?」「自分は残業が多いほう?少ないほう?」などの疑問をお持ちの方もいるはずです。

そこで今回は、保育士の残業時間についてご紹介します。公的なデータを参照しながら保育士の平均残業時間などを取りあげつつ、残業を少なく抑えて効率よく仕事をするコツを解説します。

保育士の残業時間の平均って?

保育士の残業平均厚生労働省の統計データ「平成30年賃金構造基本統計調査」によると、保育士の超過実労働時間数、つまり保育士の残業時間は「月あたり4時間」となっています。
この数字をごらんになって、どう感じますか?
多くの保育士さんが「いや、間違いなく月4時間では済んでいない」と思うのではないでしょうか。「私はもっと残業している!」と感じている方がほとんどでしょう。

参考資料:平成30年賃金構造基本統計調査

平均残業時間にギャップを感じる理由

統計データと保育士の実感にギャップが出る理由としては、園内行事が多い月は週に何時間も残業しなければならないけれど、行事が少なければそれほど残業が発生しない月があるなど、時期によって仕事の忙しさに差があることが考えられます。
また、これは良くないことですが、超過勤務を残業分として計上しない「サービス残業」が常態化している園もあるのではないかと考えられますね。
あるいは、残業なしで帰宅し、自宅に一部の業務を持ち帰って家で作業をする「持ち帰り残業」をしているケースもあるでしょう。
そのほか、統計データの残業時間は、あくまでも「平均」であることもギャップを感じる理由のひとつかもしれません。たとえば、毎月の残業時間が8時間の保育士と、残業時間が0の保育士の平均は、4時間となります。

このように、残業が多く発生している保育士と、残業時間なしの保育士とに二極化していることも考えられます。

なぜ保育士の残業が発生するの?

保育士の残業理由保育士の残業時間が増えてしまうのには、以下のような理由が考えられます。

園児が帰宅してからする雑務の多さ

保育士のお仕事は、園児をみるだけではありません。子どもたちをお家に帰してからも、日報書きや印刷物(園だよりなど)の作成のような事務仕事をしなくてはならない場合があります。

行事直前や、季節の飾りつけ作業

行事のタイミングや季節の変わり目などに園内の飾りつけをリニューアルすると、園児たちは喜ぶことでしょう。子どもの笑顔を思うと一生懸命作業したくなりますが、その仕事も多くの場合には子どもたちが帰宅してからの時間に行うことになってしまいます。

時間外の会議や勉強会

保育士さんたちが行う会議や勉強会は、子どもの帰宅後に実施されることが多いため、時間外の業務が増えてしまいます。「定例だから」と残業をして会議を頻繁に行っていても、それが本当に必要な会議なのかどうか、開催する側も今ひとつ把握できていないという状況にもなりがちです。

保育士が残業なしで働くためには

残業なしで働く
先にご紹介した、保育士さんの残業が増えてしまう理由には「自分の職場もそう!」「思い当たることばかり」と感じた方も少なくないでしょう。
では、どうしても増えてしまう保育士さんの残業を減らすには、どのような工夫が有効なのでしょうか。

飾りつけや小道具はリサイクル(再利用)

イベントや時期ごとに新しい飾りつけや小道具を手作りしていれば、どうしても作業時間は長くなってしまいます。
壁面装飾などを作って準備する手間を減らすには、飾りつけのアイテムや行事の道具をリサイクルしてみましょう!去年使ったアイテムを季節ごと・イベントごとに分けて保管しておき、サッと取り出して飾れるようにしておけば、作業時間を短縮できて持ち帰り業務も減らせます。

会議などの開催ペースを見直す

「会議は必要なタイミングでその都度開く」などとし、保育士に限らず多くの職場で問題となっている「無意味な会議」による超過勤務を減らしましょう。
また、保育士間で協力し合うことで業務上の問題点を減らしていくことも、会議の効率化につながります。

パートへの転籍や、園を変える転職を試みる

ご自身の育児などの都合で残業できない場合などは、正職員からいったんパート勤務に働き方を変えるという方法もあります。時短勤務で帰宅時間が決まっていれば、時間外まで拘束される機会も減るでしょう。
また、残業の少ない保育園へ転職してご自身の環境を変えるという方法もあります。
一般的には、行事がそれほど多くない園や、保育士の人員体制が整っている園は残業が少ないと言われています。また、残業の多さを問題視している園も増えており、働き方改革に積極的に取り組んでいるケースもあります。
転職によってそういった園で働くことで、残業時間を大きく削減できるかもしれません。

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まとめ

今回は、保育士の残業が多いと言われる理由と実態、そして残業を減らすアイデアについてご紹介しました。
残念なことですが、サービス残業や持ち帰り残業が横行している保育園は決して少なくありません。一生懸命働いても成果につながらず、せっかくの保育士業務にやりがいを感じられなくなることは避けたいですね。
保育士さんの残業を少なくする・なくす方法はさまざまです。しかし、頑張ってみても改善が見込めないようであれば、働く園を変えてみるというのも一案。
残業の少ない園や働き方改革を実施している園への転職も今後の選択肢に加え、今後も生き生きと仕事を続けられるようじっくり検討してみてはいかがでしょうか。

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kiralike編集部

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