准看護師の仕事内容と給与とは?准看護師と看護師の違いも解説

公開日: 更新日: 看護の仕事 , 看護師になるには

准看護師とは?准看護師と看護師の違いも解説看護師には大きく分けて正看護師と准看護師の2種類があり、どちらも看護現場に欠かせない職種です。ただし、准看護師と看護師は法律に基づく明確な違いがあるだけでなく、待遇や将来性においても違いが見られます。

本記事では、准看護師の仕事内容と給与、看護師と准看護師の具体的な違い、准看護師から看護師になる方法などについて解説します。

監修者:河野 ひろこ

総合病院の病棟看護師として消化器外科、腎臓・糖尿病内科に4年半従事。プリセプターとして後輩指導にもあたる。現在は看護師時代に培ったホスピタリティを活かし、贈り相手の「人となり」を想像したプレゼントを見立てるギフトコンシェルジュとして活躍する。個人向けギフト提案サービス「Giftings」を展開中。

准看護師の仕事に関する基礎知識

医師などまずは、准看護師の役割と仕事内容、看護師と准看護師の仕事の違いについて見ていきましょう。

准看護師とは?

准看護師とは、医師や看護師からの指示のもと、患者の看護や診療の補助を行う職種のことです。

准看護師資格は、准看護師養成所に2年以上通い、准看護師試験に合格することで取得できます。准看護師養成所は日中の全日制に加え、午後や夜間の半日制があるため、働きながら通うことも可能です。

さらに、准看護師養成所の卒業後、ストレートで准看護師試験に合格できれば最短2年で資格を手にできます。都道府県が実施する准看護師試験は合格率が約98%と非常に高く、比較的取得しやすい資格です。

また、資格取得まで3年以上はかかる看護師と比べ、准看護師は少なくとも1年早く働けるので業務経験を積むことが可能です。

准看護師ができる仕事内容

仕事をする看護師准看護師は医師や看護師の指示があれば、以下の看護業務に従事することが可能です。

  • 血圧や体温のバイタルチェック
  • 点滴・注射・採血
  • 食事・排泄・入浴介助など患者のサポート
  • シーツ交換
  • 体位転換
  • 手術や診療の補助
  • 服薬・投薬管理
  • ナースコールへの対応
  • 夜勤巡回、夜間患者対応
  • カルテの入力業務
  • カンファレンス参加
  • 患者の送迎 など

上記の仕事内容は、看護師の仕事内容でもあります。医師や看護師の指示があった場合、准看護師も看護師と同じように動く必要があるためです。 

准看護師と看護師で仕事内容に違いはある?

仕事中の看護師准看護師と正看護師の仕事内容には、実は大きな差はありません。ただし、「保健師助産師看護師法(保助看法)」の第5条と第6条において、看護師と准看護師の定義が定められています。

【保健師助産師看護師法(保助看法)第5条・第6条】

この法律において「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう

引用:保健師助産師看護師法第五条|e-GOV法令検索

 

この法律において「准看護師」とは、都道府県知事の免許を受けて、医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、前条に規定することを行うことを業とする者をいう。

引用:保健師助産師看護師法第六条|e-GOV法令検索

つまり、准看護師が行う看護業務は、医師や歯科医師、看護師の指示のもとであることが前提です。指示がなければできない准看護師の仕事としては、以下のものが挙げられます。

  • 自らの判断で業務を行うこと
  • 看護師に指示を出すこと
  • 看護計画の立案

准看護師は自らの判断で看護業務を行うこと、他の看護師に指示を出すことは法律で認められていません。看護計画の立案に関しては、准看護師養成所の教育内容に含まれていないためです。

このように、准看護師は指示のもとで動く立場であるうえに、看護師への指示や看護計画を立てることもできません。准看護師が管理職になることは現実的に難しいため、全ての業務に携われる看護師が昇進することが一般的です。

准看護師の気になる給与と将来性

財布を気にする准看護師厚生労働省のデータに基づく准看護師と看護師の給与、准看護師における将来性について解説します。

准看護師の給与はどれくらい?

厚生労働省が毎年実施する「賃金構造基本統計調査」の企業規模が計10名以上では、准看護師の年収、月給、賞与に関するデータがあります。次に、2024年(令和5年度)における、准看護師の平均年収は407.1万円、平均月給は28.68万円、平均賞与は62.95万円という結果でした。(※平均年齢51.2歳、平均勤続年数12.6年)なお、男女別の平均年収は、男性438.38万円、女性403.26万円となっています。

次に、年齢別における准看護師の給与は次のとおりです。(男女計)

年齢平均年収年齢平均年収
~19歳229.32万円45~49歳423.01万円
20~24歳280.14万円50~54歳437.54万円
25~29歳375.08万円55~59歳437.05万円
30~34歳367.3万円60~64歳406.4万円
35~39歳388.17万円65~69歳339.33万円
40~44歳408.95万円70歳~328.43万円

准看護師の主な勤務先は病院や診療所、介護保険施設や社会福祉施設、保育園など多岐にわたります。勤務先によって待遇が異なるため、同じ准看護師であっても年収は同じではありません。

准看護師と看護師で給与は変わる?

准看護師と比べると、看護師のほうが給与は高い傾向にあります。令和5年度賃金構造基本統計調査における、男女別の看護師の給与は次のとおりです。

平均年収平均月給年間賞与
男女計508.17万円35.21万円85.65万円
525.7万円36.51万円87.58万円
506.14万円35.06万円85.42万円

准看護師と比べると、年収で100万円もの差があることがわかります。看護師は昇進で給与がアップする可能性があるうえに、夜勤で働ける病院が多く手当がつくことが給与額に影響します。

准看護師は将来的に廃止される?

検討段階ではありますが、准看護師を廃止して看護師と統合する案が検討されています。

准看護師は働きながら資格が取得できるうえに、看護師よりも短い期間で資格が取得できるメリットがあります。しかし一方で、准看護師には昇進の可能性も低く、キャリアアップが難しいなども側面もあります。看護師に比べて不利になることが多いため、准看護師の志望者も減少傾向にあるのが現状です。そのため、准看護師という資格自体を廃止するという動きがあります。

ただし、日本医師会は、准看護師の廃止に反対する姿勢をとっています。看護師が統合される可能性は未知数ですが、待遇などの差を考慮すればできれば早い段階で看護師を目指したほうがよいでしょう。

准看護師から看護師になるには?

学ぶ准看護師前述のとおり、看護師と准看護師で仕事内容に大きな違いはありません。しかし、待遇面や将来のキャリアアップに関しては、看護師と准看護師で歴然とした差があります。看護業務を長く続けたいのであれば、准看護師から看護師を目指すことをおすすめします。

准看護師から看護師になるには、看護師学校養成所の課程を修了し、看護師国家試験に合格しなければなりません。看護師養成所は全日制・定時制・通信制があり、働きながら通うことも可能です。

ただし、教育年限や学歴に伴う実務経験の年数など、以下のように条件が異なるので確認が必要です。

全日制定時制通信制
教育年限2年3年

2年

受験要件准看護師資格を有すること

(※中学卒業の場合、実務経験3年以上)

准看護師資格を有すること

(※実務経験7年以上)

特徴最短で看護師資格を取得できる昼間と夜間があり、3年次は実習がメイン

授業は通信教材がメインで、実習は病院で実施

最終学歴が中学卒業の場合、課程の種類によって実務経験の年数が異なるため注意が必要です。一方、高校を卒業して准看護師資格を取得した場合は、実務経験がなくても看護師学校養成所に進学することが可能です。

なお、実務経験年数とは、准看護師として勤務した年数のことで、就業場所や雇用形態は問いません。

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まとめ

准看護師とは、医師や看護師の指示を受けて看護業務に従事する職種です。自らの判断で看護業務ができる看護師は、准看護師よりも待遇面やキャリア形成で有利になることが一般的です。准看護師と看護師を統合する可能性も考慮し、なるべく早い段階で看護師を目指すことをおすすめします。

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河野ひろこ

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