独り立ちや人間関係が不安な新人介護職員が知っておくべき心構え

公開日: 更新日: 介護士の働き方・環境

不安な新人介護職員介護の仕事をするのが初めてという新人介護職の方にとって、勤務開始当初は不安なことばかりでしょう。「仕事をちゃんとこなせるのだろうか」「利用者に嫌われてしまったらどうしよう」「同僚や先輩とうまくやっていかれるだろうか」などの不安を抱えながら勤務にあたっている方も多いのではないでしょうか。

今回は、このような不安を感じている新人介護士の方に向けて、独り立ちのために知っておきたい「職場での立ち振る舞い方」や「心構え」を分かりやすくお伝えします。

介護の仕事を始めたばかりの新人が抱える不安とは

介護職の新人さんは、どんなことに不安を感じているのでしょうか。ここでは、よくある例をご紹介します。

仕事がちゃんと勤まるか不安

清拭中の介護職員介護の仕事は、入浴介助、清拭、排泄介助といった、利用者の体に直接触れるデリケートなケアが多いため、最初のうちは不安に感じることも多いと思います。

特に、これまで介護などの人のお世話を経験したことがない人の場合、「自分にこのような仕事が勤まるのだろうか」「相手に不快な思いをさせてしまったらどうしよう」と、不安を通り越して怖れを抱いてしまう方もいるかもしれません。

利用者と良い関係を築けるか不安

祖母や祖父と同居している方は別として、通常はなかなか要介護の高齢者と触れ合う機会は少ないのではないでしょうか。80代90代の高齢者と一体どのように接すれば良いのか、最初のうちはコツが掴めず困惑してしまう方もいるでしょう。

体力が持つか不安

介護=キツい仕事というのが世間一般のイメージかと思います。確かに、入浴介助で日に何人もの利用者の髪や体を洗ったり、排泄介助や洋服の脱ぎ着の手伝いをしたりなど、介護職は体を動かす仕事がメインのため、座りっぱなしのデスクワークに比べれば決して体が楽とはいえません。

また、利用者の中には大柄な男性もおり、自分よりも背が高く体重も重い相手を抱えたり、着替えやトイレの介助をしたりするには、それなりに力が必要です。しかし、そのような利用者の介護は2人掛かりで行うなど、現場でも事故防止のための措置を取っていることが多いので、この点はそれほど心配する必要はないでしょう。

新人介護職員が抱えがちな悩みとは

同僚と話をする介護職員介護の職場は、さまざまな人間関係で成り立っています。介護職同士の関係はもちろん、ナースとの関係、上司との関係、そして利用者との関係です。中でも特に新人介護士の方が悩みがちなのが、一緒に仕事をすることになる同僚や先輩との人間関係ではないでしょうか。

介護の現場では、新人に親身に指導をしてくれる先輩もいれば、逆にとても厳しい先輩もいます。特に忙しい時間帯には、未熟な新人は先輩にとって足手まといになってしまい、時にはキツい態度を取られることもあるかもしれません。

もし、悪質な嫌がらせ行為を受けたり職場のいざこざに巻き込まれたりして悩んだ時は、現場の職員をまとめるリーダーや上司に相談して、問題の解決に向けた話し合いをしましょう。

新人介護職員の独り立ちはいつ頃?

独り立ちの時期新人介護職の方が独り立ちをし、自信を持って仕事に取り組めるようになるのは、一体いつ頃なのでしょうか。

介護が初経験という全くの新人であれば、2~3カ月は指導期間として考えている職場が多いかと思います。訪問介護のような単独で仕事をするケースでは、もう少し早く独り立ちを求められることもあるでしょう。経験と共に少しずつ自信を持てるようになり、テキパキと働けるようになってきます。

ただ、介護の職場ではたびたび介護技術を学ぶ研修や勉強会を行ったり、新しい利用者が来ればその具体的な介護内容について話し合いをしたりすることも多いため、介護職は独り立ちをしてからも日々新たな学びの連続です。介護士として独り立ちしてからも勉強を欠かさず、謙虚な気持ちで仕事に向かう姿勢が大切といえるでしょう。

新人介護職員が覚えておきたい心構え

ここでは、新人介護職員が肝に銘じておきたい心構えを7つご紹介します。どれもごく基本的なことですが大切なことなので、ぜひ覚えておいてください。

分からないことは先輩に聞く

先輩に質問をする介護職員介護の仕事は多岐に亘る上に、同じケアでも利用者によってやり方が変わるなど、臨機応変に対応しなければなりません。そのため覚えることが非常に多く、一度教えてもらってもうっかり忘れてしまうことがよくあります。分からないこと、不安なことがあれば、以前教わった内容でも躊躇せずに、必ず先輩介護士に確認しましょう。

介護の現場では小さなミスが重大な事故に繋がるリスクも少なくありません。「何度も聞いたら悪い印象を持たれてしまうかも……」と聞きづらく思うかもしれませんが、うろ覚えや勘で仕事をすることは絶対にNGです。

間違ったケアをして事故を起こしてしまったら大変です。必ず詳しく知っている人に確認を取ってから仕事に取り掛かりましょう。

積極的に先輩から学ぶ

介護技術に不安があっても、最初のうちは周りの職員が丁寧にサポートしてくれるので、過度な心配は必要ありません。苦手な仕事があれば、積極的に先輩の仕事を見学させてもらうなどして、介護技術の習得に役立てていきましょう。

また、介護は慣れてくると自己流になってくるケースも多いため、月に1度は実技研修を行うという職場も多いです。勉強や技術習得のチャンスはいくらでもありますので、焦らず一つ一つ身に付けていきましょう。

ミスを繰り返さないようにする

まだ新人のうちは、なかなか業務を覚えられなかったりミスをしてしまったりすることも、ある程度は仕方ありません。大切なのは、同じミスを繰り返さないようにしっかり対策することです。

まず、新人のうちは1日の流れや職員の動きをよく観察しましょう。注意を受けたときは、二度と同じミスをしないようにメモを取るなどして備えましょう。どのような仕事にも真剣に取り組む姿勢が大切です。ひたむきに頑張る姿は周囲に好印象を与えますし、頑張った分技術も向上するので厳しい先輩も徐々に認めてくれるようになります。

挨拶は笑顔で明るく

挨拶は人間関係を築く上で基本中の基本です。まだ新人のうちは利用者に声を掛けにくいかもしれませんが、思い切って笑顔で挨拶をしてみましょう。

フレッシュな新人は、職員だけでなく利用者たちからも注目されています。挨拶がおざなりになってしまうと、自信がなさそう、暗そう、近寄りがたい、といった印象を持たれてしまい、これからの関係にマイナスになってしまうこともあり得ます。

元気な挨拶は職場全体の雰囲気を明るくしますし、相手に安心感も与えます。ぜひ自分のほうから積極的に声を掛けていきましょう。

利用者の名前を覚える

車椅子に乗った利用者と話す介護職員施設やデイサービスには何十人もの利用者がいるケースも多く、それぞれ必要としているケアの内容も異なります。利用者の名前を正しく覚えていないと、間違ったケアをしてしまったり、必要なケアがきちんと行われなかったりなどのミスに繋がってしまいます。

大勢の利用者の名前を覚えるのは大変ですが、自分なりのメモを作ったり特徴を押さえたイラストを描いてみたりして、できるだけ早く利用者の名前を覚えられるよう努力しましょう。

利用者と積極的にコミュニケーションを取る

「利用者とどのように接すれば良いのだろう」「共通の話題もないし……」と高齢者とのコミュニケーションに悩む新人介護士は少なくありません。ですが、経験を重ねていけば、人と人とのコミュニケーションに年齢はあまり関係ないことが分かってくるはずです。

ひと口に「高齢者」といっても、一人一人性格も異なれば人生背景もさまざまです。相手が何歳であろうと人間同士の関わりであることに変わりはなく、素直な気持ちで接して一から少しずつ関係を育んでいけば大丈夫です。

身だしなみを整える

介護職は利用者に近い距離でケアをすることが多いため、身だしなみには十分配慮しましょう。だらしない印象や不潔感を与えてしまうような格好はNGです。長い髪は後ろでまとめる、爪は短く切る、清潔な洋服を着るなど、スッキリと清潔感のある格好を心掛けましょう。

また、アクセサリーや凹凸のある髪留めなどは、介護の際に利用者を傷付けてしまう恐れがあるので避けましょう。

新人介護職員の不安や心構えに関するまとめ

介護の仕事は、利用者の健康や命に関わる仕事のため厳しさはありますが、その半面、利用者に喜んでもらえた時、役に立てたと実感できた時など、非常にやりがいを感じられる職業でもあります。

介護の仕事に就くのが初めての場合は、まずは仕事に意欲的に取り組む姿勢を見せ、先輩や利用者の方々からの信頼を得ることが大切です。積極的に質問をする、メモを取る、ハキハキと挨拶するなどの基本的なことを心掛けましょう。

職場の人間関係や独り立ちできるかどうかなど、心配な面もあるかと思いますが、自分から積極的に関わっていくことで不安は解消されていくはずです。ぜひ今回ご紹介した心構えを大切にして、今後も頑張ってください。

施設によって働く環境や働き方は様々です。
もし今の職場で続けていくのがどうしても厳しいと感じる場合には、もっと自分に合った施設への転職を考えてみても良いかもしれません。

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kiralike編集部

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