介護職は残業代が出ないのが当たり前?サービス残業の対処法
公開日: 更新日: 介護士の働き方・環境 , 介護士の給与・年収介護の仕事をしている方の中には、サービス残業をせざるを得ない状況に身を置いている方もいらっしゃるかと思います。サービス残業を疑問に思っても、それが当たり前になっている職場だと、異を唱えるのはなかなか勇気がいるものですよね。
しかし、働いた分のお給料をいただくのは当然の権利です。この記事では、理不尽なサービス残業にどう対処していけば良いのか、具体的な方法をお伝えします。
目次
介護職のサービス残業の実態は?
サービス残業とは、残業をしているのにその分のお給料が支払われないこと、つまり「不払い残業」のことです。まずは、介護職のサービス残業の現状をチェックしていきましょう。
残業をしている人は約7割
全労連の「介護労働実態調査 報告書」によると、介護職のうち約7割の人が残業をしており、ひと月の残業時間は「5時間未満」が22.7%でトップになっています。この結果だけを見ると、「残業をしている人は多いものの、ひと月の残業時間はわりと少ないのでは…」という印象を持つ方も多いかもしれません。
どんな業務のために残業している?
では、残業をしている方々はどのような業務のために残業をしているのでしょうか。
残業で行っている業務としては、情報収集や介護記録、ケアの準備や片付け、利用者へのケアや家族への対応などが挙げられます。また、会議、委員会、研修、ミーティング、レクや施設行事の準備などを終業後に行う職場も少なくないようです。
利用者に提供される介護サービス自体のためだけに残業をしているのではなく、介護サービスに伴って発生するサブ業務をこなすため、残業をしている方が多いことが分かります。
4人に1人がサービス残業をしている
通常の残業では残業代が支払われますが、タイムカードを打った後にケアの準備をするよう命じられたり、業務時間外に会議を設定されたりした場合には、残業代が出ない「サービス残業」となってしまいます。
前述の調査では、残業をしている人のうち「4人に1人が不払い残業(サービス残業)をしている」という結果も出ています。介護職にとってサービス残業は思いのほか身近な問題であることが窺えます。
しかもこの調査は基本的には、労働組合がない施設や事業所は対象外のため、介護職全体ではこの数字以上に深刻な状況かもしれません。
参考資料:介護労働実態調査 報告書|全労連
サービス残業を辞めたい介護職員におすすめの対処法
働いているのに残業代が出ないと、仕事へのモチベーションが下がり、やりがいを感じられなくなってしまう時もあることでしょう。サービス残業に悩んでいる方は、ぜひこれからご紹介する対処法を検討してみてください。
1人で悩まず相談する
まずは、1人で悩む前に一緒に働く同僚や現場のリーダーなど、話しやすい相手に相談してみましょう。もしかしたら職場全体で残業について見直すきっかけになるかもしれません。
労働環境の良し悪しは、そこで働く職員にとっては非常に大きな問題です。特にサービス残業のように労働を無償で提供するような働き方は、職員のメンタルヘルスや離職率にも多大な悪影響を及ぼすため、重要な改善ポイントといえるでしょう。
働き方を変える
サービス残業が常態化しているような職場では、今までと異なる雇用形態に切り替えるなどして、働き方を変えてみるのもひとつの手段です。正社員だと残業やサービス残業を断るのは難しいかもしれませんが、例えば派遣社員であれば、最初から「残業なし」の職場を希望することも可能です。
また、派遣の場合は事前に働く時間帯や期間も要望を出せる上に、時給が高いというメリットもあります。もし残業が発生しても、給料は時給制のため基本的に働いた分だけきちんと支払われます。
正社員にこだわらないという方は、派遣社員として働く道を検討してみるのもおすすめです。
介護派遣について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてみてくださいね。
労基署へ通報する
サービス残業は、本来支払われるはずの賃金が未払いになっているわけですから、不正な行為であり違法です。サービス残業が明らかで証拠も揃っている場合は、労働基準監督署へ通報することで、これまでのサービス残業代を支払ってもらえる可能性があります。
その際は、タイムカードや、実際の出社・退社時間を記録したメモなど「これまでの勤務状況が分かるもの」や「給与明細」といった、サービス残業の証拠になるものをまとめておきましょう。
転職を検討する
サービス残業を無理強いされる、会社へ訴えても聞く耳を持ってくれないといった悪質な職場の場合は、転職をするのが手っ取り早い解決法になります。
職場でサービス残業問題の改善に尽力するのも悪くはありませんが、時間が掛かったり人間関係が悪化したりする可能性も高く、その職場で仕事を続けても自分にとってマイナスにしかならないケースもあるでしょう。
介護職の人材不足解消のため、今は残業代の支払いはもちろんのこと、残業をできるだけ減らして職員への負担を減らそうと職場環境の見直しを図っている施設・事業所も多いです。
前向きな気持ちで仕事に向かえるよう、今より好条件で働ける職場に転職をして新たなスタートを切ってみてはいかがでしょうか。
介護職の残業・サービス残業に関するまとめ
介護職を取り巻く労働環境は決して良いとはいえないものの、改善傾向にあります。サービス残業に限らず、今の職場環境に問題があると感じたら、理不尽な状況を解消するために、できるだけ早めに対策を講じていきましょう。
劣悪な労働環境によるストレスは、想像以上に心身に悪影響を及ぼします。雇用形態を変えたり転職を検討したりして、ぜひ自分の納得のいく働き方を実現させてください。
kiralike編集部
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