介護職を辞めたい…そう思う理由と辞めたいときの対処法
公開日: 更新日: 介護士転職マニュアル「介護の仕事が好き」、「やりがいを感じる」という方でも、ハードな日々が続いたり職場で揉め事があったりすると、ふと「介護の仕事を辞めたい……」と思うことがあるのではないでしょうか。
今回は、何らかの理由で介護職を辞めたくなった方に向けて、具体的な対処法をお話ししたいと思います。ぜひ、後悔のない道を選ぶためのヒントにしてください。
目次
介護職を辞めたい理由
最初は意欲を持って志した介護職でも、実際に現場で働いていくうちに少しずつ不満が募っていき、「退職」の2文字が頭をよぎる方もいると思います。なぜ介護職を辞めたくなるのか、まずはその理由からみていきましょう。
給料に不満がある
「介護職は給料が少ない」というイメージを持つ方は多いのではないでしょうか。
厚生労働省の介護従事者処遇状況等調査によると、平成30年度の介護職の給料は、基本給・手当・賞与などの一時金をすべて合わせて、月額300,970円が平均となっています。
年収に換算すると約360万円ですが、国税庁の民間給与実態統計調査結果によると全体の平均年収が約440万円なので、介護職は平均よりも約80万円少ないことになります。
前年にくらべると介護職の年収は10,850円アップしているものの「この年収で家族全員の暮らしを支えていくのは正直厳しい…」「お給料と仕事内容の釣り合いが取れていない」と感じる方もいるかもしれません。
参考資料:厚生労働省「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」
参考資料:国税庁「平成30年分民間給与実態統計調査結果について」
職場の人間関係
介護職は利用者の衣食住をはじめ命に関わる仕事のため、安全を期するには職員間の密なコミュニケーションが欠かせません。そのため、陰口を叩く人がいたり、理不尽な態度で接してくる上司がいたりすると、人間関係のストレスが日に日に蓄積していくことに……。
介護労働安定センターの調査では、介護の仕事を辞めた理由でもっとも多かったのが「職場の人間関係」でした。
職場がギスギスした雰囲気だったり苦手な人がいたりすると、仕事へのモチベーションを保つのは難しくなりますね。あまり思い詰めると、うつ病など心因性の病気を引き起こす可能性も高まるので、注意が必要です。
参考資料:公益財団法人 介護労働安定センター「平成29年度「介護労働実態調査」の結果 ~介護人材の不足感は4年連続増加~ 」
体力が持たない
介護職は体が資本といわれるくらい、体力を必要とされる職業です。相手を抱きかかえての移乗、寝たきりの人の着替え、入浴介助など、あちこちで体を張る場面が多く、1日が終わるとぐったり……という方も少なくないでしょう。
また、介助のためにかがんだりしゃがんだりすることも多いので、腰やヒザを痛めてしまうこともあります。
このようなハードな日々が続くため、体力の限界を感じて介護の仕事を続けていく自信を失くしてしまう方も多いようです。
介護職を辞めたいときの対処法
「もう介護の仕事を続けたくない」と思っても、なかなか踏ん切りが付かず具体的な行動に移せない方もいると思います。介護の仕事を辞めるかどうか迷っている方に向けて、いくつかの対処法や打開策をご紹介します。
友達や家族に相談する
悩みの渦中にいるときは、周りのことが冷静に判断できなくなるものです。突発的な行動は後悔の元になるため、まずは信頼できる友達や家族に思いを打ち明けてみましょう。客観的な視点からのアドバイスは、自分の気持ちや仕事への向き合い方を見つめ直すきっかけになるかもしれません。
勤務後や休日に気分転換する
疲れがたまっていると、気分もふさぎ込んでしまいがちです。そんな日々が続くと、「もうこんな仕事は懲り懲り……」と介護を辞めたい気持ちに拍車がかかってしまうこともあるでしょう。
どんな仕事にもいえることですが、気分よく仕事に向き合うには、日頃からストレスを上手に発散して疲れを溜め込まないことが重要です。「仕事で疲れているから、休みの日は丸1日寝て過ごす」という方もいるかもしれませんが、趣味やスポーツなどを思いきり楽しんで気分をリフレッシュするのも、ストレス解消に大いに役立ってくれるでしょう。
もちろん、体の疲れをとるにはしっかり休養をとることが大事ですが、自分の好きなことに集中して、気分をガラリと変えてみるのもおすすめです。日頃からオンとオフの切り替えを意識し、うまく気分転換を図って仕事のストレスを引きずらないようにしましょう。
キャリアアップを目指す
介護の実務経験を積んでいけば介護関連の資格、例えば介護福祉士やケアマネジャーの受験資格を得ることも可能です。資格を取れば、給料アップのほか、よりやりがいのある仕事ができる可能性もあるでしょう。
職場での役割や待遇が変わることによって、辞めたい気持ちが消えていくこともあるかもしれません。
仕事を辞めたいと思っても、もし「介護の仕事自体は嫌いじゃない」、「できればこの先も介護に携わりたいと思っている」と考えているなら、今の境遇を逆に成長のチャンスと捉えてスキルアップ・キャリアアップを目指してみるのも1つの手です。
今の職場を辞めて転職する
もし今の職場で働き続けても、自分にとってマイナスにしかならない――。そう判断した場合は、最後の手段として「転職」を考えてみるのも良いでしょう。職場を変えることで、人間関係や職場環境などの悩みが一気に解決することもあります。
嫌な思いをしながら仕事を続けるよりも、自分にとって居心地の良い環境、条件等に納得できる職場で働くほうが、仕事のパフォーマンスもより向上するのではないでしょうか。
転職するなら介護職?それとも他業種?
転職を決意した方が次に悩むのが「転職先」だと思いますが、ここは慎重に判断しなければなりません。
「もう介護の仕事はしたくない」と頑なに思っている場合であれば、他業種を検討するのもアリですが、せっかくの介護の経験やキャリアを無駄にしてしまうのは少しもったいない気もします。「次は何の仕事をするかまだ迷っている」、「介護の仕事自体は好き」という場合は、ひとまずキャリアを継続できる介護業界で転職先を探してみるのがおすすめです。
介護業界は、これからますます伸びていく分野です。介護職員の処遇改善の取り組みも広がりつつあり、今後はこれまで以上に好条件で働ける可能性もあるでしょう。
実際に介護の経験を積んだ人材を求める職場は少なくありません。そのため、すでに専門知識やスキルをある程度身に着けていることは転職において大きな強みになります。ぜひそのアドバンテージを活かして、より有利な転職先を見つけましょう。
介護職を辞めたい理由と対処法についてのまとめ
給料が少ないように感じる、人間関係に悩んでいる、体力面の衰えを感じているなど、介護を辞めたい理由はさまざまあるかと思います。
介護職にはいろいろな働き方があり、それぞれ特徴・仕事内容・雰囲気も異なるため、自分に合った職場へ転職すればぐんと働きやすくなる可能性もあります。ぜひ、生き生きとやりがいを感じながら働ける職場を見つけましょう。
kiralike編集部
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