サービス付き高齢者向け住宅で働く介護士について!仕事内容や給与はどうなる?

公開日: 更新日: 介護 , 介護士の働き方・環境

多様化する近年の介護サービスの一つとして、「サービス付き高齢者向け住宅」という施設があるのをご存知ですか?2011年に誕生した比較的新しい施設形態で、興味をお持ちの方も多いのではないでしょうか。今回のコラムでは、サービス付き高齢者向け住宅の介護士にフォーカスし、仕事内容や給与情報をお伝えします。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは

サービス付き高齢者向け住宅とは、高齢者が安心して暮らすことができるよう、見回りなどのサービスが伴っているバリアフリー構造の住宅施設です。近年の高齢化現象により、一人暮らしの高齢者や高齢の夫婦のみで暮らす世帯が増えてきており、その割合は今後も増加すると言われています。そんな高齢化社会の中で、高齢者が自分らしく生活し続けられるよう行政が取り組んでいる「地域包括ケアシステム」の一環として、サービス付き高齢者向け住宅が2011年に誕生しました。

サービス付き高齢者向け住宅の特徴

サービス付き高齢者向け住宅の入居条件など、特徴をご紹介します。

入居条件

60歳以上の方、または要支援・要介護認定を受けている40歳以上の方が対象です。
そのほか、上記以外でもサービス付き高齢者向け住宅は入居対象者とともに同居することが可能です。ただし配偶者(婚姻届出がない場合でも事実上の夫婦と同様の関係と認められれば可)または60歳以上の親族、要支援・要介護認定を受けている親族、特別な理由により同居が必要と認められた場合といった条件があります。

住宅の特徴

住宅の大きな特徴として、下記のようなものが挙げられます。

・完全バリアフリー
・居室の広さは原則25㎡以上(キッチンやリビングなどを居住者で共同利用できる場合は18㎡以上)
・見守りセンサーや緊急通報装置付き

サービス付き高齢者向け住宅では、安否確認サービスと生活相談サービス機能を持たせることが法律によって義務付けられています。

サービス付き高齢者向け住宅の需要は今後も高まる傾向にある

厚生労働省によると、75歳以上の高齢者人口と85歳以上の高齢者人口は2025年までの間に急速に増加し、特に85歳以上の人口増加は2035年まで続くと見込んでいます(※1)。また、世帯主が65歳以上の単独世帯や夫婦のみの世帯も今後増えていくと予想され、サービス付き高齢者向け住宅の需要は今後高まっていくと言われています。実際に、2011年の法改正以降、サービス付き高齢者向け住宅の登録数は年々増加しており、2021年4月時点で棟数は7,890棟に上ります(※2)。棟数・個数の増加に伴い、勤務する介護職の需要も高まることが期待できます。

サービス付き高齢者向け住宅の種類

サービス付き高齢者向け住宅には「一般型」と「介護型」の2種類があります。それぞれの施設の特徴についてみていきましょう。

一般型サービス付き高齢者向け住宅

一般型サービス付き高齢者向け住宅は、自立した方や要介護度の低い方が利用する施設です。施設によっては、訪問介護やデイサービス等の事業所を併設している所もあります。

介護型(特定施設)サービス付き高齢者向け住宅

介護型サービス付き高齢者向け住宅は、日常的に介護が必要な方も利用可能な施設です。常駐しているスタッフにより身体介護なども可能です。

サービス付き高齢者向け住宅での主な仕事内容

サービス付き高齢者向け住宅で働く介護士の仕事内容はどんなものなのでしょうか。

入居者の安否確認

施設によって頻度は異なりますが、一般的には1日1回の安否確認と、常時見回りを行っているようです。

入居者の生活相談

買い物代行、外出の付き添い、家族への連絡、日常生活における身の回りのサポートを行います。一般型のサービス付き高齢者向け住宅の場合、介護サービスは外部の業者を紹介することが多いようですが、介護型サービス付き高齢者向け住宅の場合は食事・入浴等の身体介護も業務内容に含まれます。

ほかにも、レクリエーションの実施を行う職場があるなど、施設によってサービス内容が大きく異なるため、転職の際は求人探しや面接・見学の段階で業務内容を確認するなど、事前にしっかりチェックしておきたいですね。

サービス付き高齢者向け住宅で働くために必要な資格

サービス付き高齢者向け住宅での常駐スタッフは介護職員初任者研修、実務者研修、介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員のいずれかの資格が必須となります。また、利用者の居室に訪問し介護サービスを実施するためには介護職員初任者研修以上の資格が求められるため、資格をお持ちでない方は介護職員初任者研修の受講からスタートすることをおすすめします。

生活相談のみであれば無資格・未経験でも対応できるため、無資格者向けの求人も稀に見られますが、資格があるとより有利に転職活動を進められるようです。

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サービス付き高齢者向け住宅で働くメリットとは

サービス付き高齢者向け住宅で働く介護士のメリットをご紹介します。

接遇やマナーが身に付く

自立した方から要介護の方まで、様々な方が暮らす環境で、スタッフとしてのマナーが求められる場面が多々あります。仕事を通して、介護技術だけでなく接遇スキルやマナーを身に付けたい方におすすめです。

身体への負担が比較的少ない

サービス付き高齢者向け住宅の利用者は主に要介護度の低い方で、ご自身の身の回りのことを自立して行える方が多いのが特徴です。そのため、他の施設形態に比べ身体介護の機会は少ないというメリットがあります。体力に不安があるものの、介護士を続けていきたい方にとって大きなポイントと言えるのではないでしょうか。

利用者と密接に関わって働くことができる

安否確認や生活相談を通し、利用者の日々の生活に寄り添って働くことができます。困ったことがあれば相談に応じる業務の性質上、サービス付き高齢者向け住宅のスタッフを「第2の家族」のように接する入居者も少なくありません。入居者の生活に寄り添い、支えられる仕事をやりがいに感じる方が多いようです。

サービス付き高齢者向け住宅で働く際に気を付けたいポイントは?

ペンとノートサービス付き高齢者向け住宅で働くメリットをご紹介しましたが、気を付けたいポイントもあるようです。

施設によって業務内容が大きく異なる

サービス付き高齢者向け住宅の求人を探す際に一番気を付けたいポイントは、施設によって業務が異なる点です。介護の仕事がしたいと思い入職したのに、利用者の身体介護はすべて外注サービスに任せておりスキルアップにならなかった、という例や、一方で身体介護のないはずの一般型サービス付き高齢者向け住宅に入職したのに実は併設しているデイサービスとの兼務で、身体介護を行わなければならなくなったケースもあります。一言で「サービス付き高齢者向け住宅」といっても職場によって業務内容が違うため、面接時にしっかり確認しておくことをおすすめします。

サービス付き高齢者向け住宅の求人を探すポイント

業務範囲が施設によって異なるため、ご自身の希望する条件と照らし合わせながら、自分の一番譲れないポイントに合致する求人を選ぶと良いでしょう。入居者の自立度や重度なケアに対応しているかどうか、どんなサービスを提供しているのかは求人票などをチェックし、把握しておきたいですね。
ただ、求人票だけでは実際の職場の雰囲気や利用者の様子が分からないことの方がほとんどです。後悔のない転職のために、より詳細な情報を知りたい場合には転職のプロに相談するのも一つの手段です。転職エージェントを利用することで、施設見学の手配をしてもらえるため、実際の職場を見て雰囲気を感じ取ることも可能です。

まとめ

サービス付き高齢者向け住宅について、仕事内容や施設の詳細をご紹介しました。サービス付き高齢者向け住宅は、体力面や心身面でも負担が少ないというメリットがあります。介護のお仕事に不安を持っている方は、介護士を辞めるのではなく、職場を変えることで環境が大きく変わるかもしれません。新しいステップの一つの選択として、サービス付き高齢者向け住宅を検討してみてはいかがでしょうか。

※1 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000608284.pdf
※2 サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム
https://www.satsuki-jutaku.jp/doc/system_registration_01.pdf

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kiralike編集部

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