主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)の要件や年収、役割を解説!
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主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)の資格概要
主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)とは介護相談のスペシャリストです。ケアマネジャー(介護支援専門員)の上位資格として位置付けられており、実質的には管理職にあたります。
地域で暮らす高齢者からの医療・福祉・介護の総合的な相談窓口となっている地域包括支援センターには、主任ケアマネジャーの配属が義務付けられています。また、平成30年度の介護報酬改定で実施された管理者要件の見直しにより、居宅介護支援事業所の管理者は主任ケアマネジャーとするよう定められました。
主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)に求められる役割
ケアマネジャー(介護支援専門員)は、介護を必要とする人と介護サービスを提供する事業所をつなぐ橋渡しのような役割を担っています。主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)の業務内容については、ケアマネジャーの仕事とは異なる部分もあるため確認していきましょう。
例として、主任ケアマネジャーの主な就業先である地域包括支援センターでの業務を挙げると、主任ケアマネジャーは保健師・社会福祉士等と連携し、包括的・継続的ケアマネジメント支援業務や介護予防ケアマネジメント業務、総合相談支援業務等を実施します。
包括的・継続的ケアマネジメント支援業務とは、主に地域ケア会議等を通じた自立支援型ケアマネジメントの支援・ケアマネジャーへの日常的な個別指導や相談・支援困難事例等への指導や助言が該当します。
次に、介護予防ケアマネジメント業務とは、要支援・要介護状態となる恐れの高い状態にあると認められる65歳以上の二次予防事業対象者(旧特定高齢者)に対する介護予防ケアプランの作成です。
最後に、総合相談支援業務は住民の各種相談を幅広く受け付け、さまざまな支援を行うことを指します。
このように、主任ケアマネジャーはケアマネジャーの指導を行いつつ、地域の課題を洗い出して包括的なケアシステムを構築することが求められています。
主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)になるための要件
主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)になるためには、主任介護支援専門員研修を受講する必要があります。
主任介護支援専門員研修は、以下のいずれかに該当する方が受講可能です。
主任介護支援専門員研修の受講要件
一般的には、ケアマネジャー(介護支援専門員)として通算5年間勤務してから主任介護支援専門員研修を受講し、主任ケアマネジャーとなる流れになります。
ただし、ケアマネジメントリーダー養成研修終了者や、日本ケアマネジメント学会が認定する認定ケアマネジャーはケアマネジャーとして通算3年勤務すれば主任介護支援専門員研修を受講可能です。
できるだけ早く主任ケアマネジャーになりたい場合は、ケアマネジメントリーダー養成研修を修了するか、日本ケアマネジメント学会が認定する認定ケアマネジャーになると良いでしょう。
その他、主任ケアマネジャーに準ずるものとして地域包括支援センターに配置されている方や、業務に関する知識と経験を十分に有し、都道府県に適当と認められた方も主任介護支援専門員研修を受講可能です。
主任介護支援専門員研修の受講費・更新について
主任介護支援専門員研修の受講費は、2017年度の時点では全国平均で4万3,690円となっています。受講費については各都道府県で差があり、最高で6万2,000円、最低で2万996円でした。受講の際にはあらかじめ費用を確認しておくと良いでしょう。
なお、主任ケアマネジャーは5年に一度、更新があります。更新を忘れると資格を失ってしまうため注意しましょう。
主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)資格を取るメリット
すでにケアマネジャー(介護支援専門員)として活躍している方は、主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)の資格を取ることでキャリアアップできるのはもちろん、需要が高く転職の際には、優遇されることもあるといったメリットがあります。
キャリアアップができる
主任ケアマネジャーはケアマネジャーの上位資格であり、ケアマネジャーのいわばまとめ役です。主任ケアマネジャーになることで、ケアマネジャーとしての経験を活かしながらキャリアアップができ、周囲からの信頼性も高まります。
需要が高い
地域包括支援センターには主任ケアマネジャーの配置が義務付けられています。また、平成30年の介護報酬改定では、居宅介護事業者の管理者は主任ケアマネジャーであることとすると定められました。
主任ケアマネジャーは実務経験が求められる資格であり、一朝一夕に取得できるわけではありません。こうしたことから、主任ケアマネジャーは需要の高い資格となっています。
就業先が安定している
主任ケアマネジャーの就業先は、地域包括支援センターや居宅介護支援事業者などです。こうした就業先には主任ケアマネジャーの配置が義務付けられていることから、安定して働けるというメリットがあります。
主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)の年収・給与
まず、 ケアマネジャー(介護支援専門員)の給与事情について見ていきましょう。
厚生労働省が公表している「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、ケアマネジャーの平均給与は約26万円、年間賞与その他特別給与が約62万円となっています。福祉施設介護員の平均給与が約21万円、ホームヘルパーの平均給与が約20万円であるのと比べると、ケアマネジャーの給与・年収は比較的高い水準にあるといえるでしょう。
主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)の給与に関しては公的なデータはありませんが、ケアマネジャーの給与・年収よりさらに高い水準になる可能性が高いと考えられます。
主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)を目指すための流れ
主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)の資格はすぐに取れるわけではありません。主任ケアマネジャーを目指す場合は、主に以下の流れを取ります。
ケアマネジャーの資格を取る
主任ケアマネジャーになるにはケアマネジャーの資格が必要になります。
ケアマネジャーになるには、介護福祉士や社会福祉士、栄養士などの国家資格を取得後、5年以上の実務経験を積んで試験を受ける必要があります。
主任介護支援専門員研修を受講する
ケアマネジャーになり、一定の要件を満たすと主任介護支援専門員研修を受講できるようになります。基本的にはケアマネジャーとして通算5年間の実務経験を積むことになります。この研修を受講することで、晴れて主任ケアマネジャーの資格を取得することができます。
主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)に向いている人
主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)の業務はケアマネジャー(介護支援専門員)とは異なる部分もあるため、これらの仕事に就きたいと考えている人は適性を考えて検討すると良いでしょう。
主任ケアマネジャーに向いている人としては以下が挙げられます。
コミュニケーション能力が高い
主任ケアマネジャーの主な就業先である地域包括支援センターでは、保健師・社会福祉士などと連携し、包括的・継続的ケアマネジメント支援業務や介護予防、ケアマネジメント業務、総合相談支援業務等を実施します。高齢者やその家族との実際のやりとりはもちろん、職場でもチームとして連携していく必要があるため、幅広い意味でのコミュニケーション能力が求められます。
指導力がある
主任ケアマネジャーはケアマネジャーへの日常的な個別指導や相談など、指導や助言などを行います。実質的に管理職にあたるため、自分自身が専門的な知識とスキルを持っていることはもちろん、指導力も必須となります。自信のない方は管理職についての勉強も併せて行い、実践できるようにしておくと良いでしょう。
まとめ
主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)とは介護相談のスペシャリストです。主任ケアマネジャーはケアマネジャー(介護支援専門員)の指導を行いつつ、地域の課題を洗い出して包括的なケアシステムを構築することが求められます。
主任ケアマネジャーになるためには、主任介護支援専門員研修を受講する必要があります。その際は、ケアマネジャーとして通算5年間勤務してから、主任介護支援専門員研修を受講し、主任ケアマネジャーになる流れが一般的です。
すでにケアマネジャーとして活躍している方は、主任ケアマネジャーの資格を取ることでキャリアアップできることはもちろん、需要が高く就業先が安定しているといったメリットもあります。すでにケアマネジャーとして実績のある方は、コミュニケーション能力や指導力といった適性を考慮しつつ、主任ケアマネジャーの資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。
kiralike編集部
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